【学部紹介】工学部の特徴とおすすめの大学

学部紹介第11弾です。
今回は、工学部の紹介になります。
多くの私立大学では、理学部とセットでまとめて理工学部として設置されていますが、実際に理学部との違いは説明できますか?
今回は、理学部との違いなども含めて、工学部についてお伝えしていきますね。

目次

工学部の特徴

リケジョが流行りですね

はじめに工学部とは何かを学んでいきましょう。
工学部は、理学の知見を活用した技術者を養成する学部になります。
もう少し具体的に言えば、工学部では実社会に役立つ、物作りの技術を学ぶ学部です。
前回の記事で話をした理学部は、自然科学の原理を追求する学部でしたね。
理学で学んだ、数学や物理学や化学の理論を元に、実際に技術を応用していきます。

例えば、みなさんが持っているスマートフォンを作るのにも、工学の知識がたくさん使われています。
自分たちの生活にある物作りのほとんどには、工学が関わっていると言っても過言ではありません。

ですので、工学部の学科の数は、技術の数だけ存在することになります。
学科の種類も多岐に渡ります。
文部科学省によれば、工学部の学科数は600以上になります。

[blogcard url=”https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/05122201/006/004/004.htm”]

自分がどんなものを作りたいのか?
どういった物作りに関わりたいのかを考え、その内容を学ぶためにはどの学科に進む必要があるのかをしっかり考える必要がありそうですね。

これだけ多くの学科がある工学部ですが、大きく学科を分類すると4つの系統になります。

  • 機械工学関係
  • 電気通信工学関係
  • 土木建築工学関係
  • 応用化学科関係

工学部のおおよその学科はこれらに分類されることになります。
今回は、この4つの分野を中心に、工学部について学んでいきましょう。

機械工学

はじめは機械工学についてです。
読んだ言葉の通り、機械などの製作に関わる技術の学ぶ分野になります。
代表的な物で言えば、自動車やそのエンジンなどの設計は機械工学の分野で学ぶことができます。
他にも、カメラや医療用レンズなどの精密機械も機械工学の領域です。
もっと規模の大きなところで言えば、船舶や鉄道、そしてロケットなんかもこの分野に入ります。

数学や物理学がベースとなることが多いので、この2教科が好きで物作りに携わりたい人にはおすすめの学科です。

電気通信工学

次は電気通信工学です。
電気通信工学は、電気を用いた物作りや、その回路を扱う技術を学ぶ学部です。
また、ここで言う電気には、物を動かすエネルギーとしての電気と、情報を伝える道具としての電気という二つの面があります。
前者は、イメージがしやすいと思いますが、家電製品やパソコン・スマートフォンのようなものですね。
後者は、光ファイバーやDVD・ブルーレイディスクのようなものになります。
コンピューターやその関連技術という風に考えるとわかりやすいかもしれません。

また、情報分野は情報学部として独立して置かれていることも多いのですが、この領域に分類されることもあります。
プログラマーやwebデザイナーなど、最近はやりの仕事を就くにも、おすすめの学科です。

土木建築工学

続いて、土木建築工学です。
主に建築などを学ぶ領域になっています。
また、土地開発や都市計画などのもっと規模の大きなものを扱ったりもします。
他にも防災の知識を学ぶこともできます。

機械工学系と同様に数学Ⅲや物理の知識も必要となるため、この2教科が得意で、機械よりもっと大きな規模のものに携わりたいと考えている人におすすめの学科です。

応用化学科

最後に、応用化学科についてです。
名前の通り、理学で学んだ化学を実際の社会に応用するための内容を勉強します。
化学物質をもっと環境に配慮したものに変えることができないのか、もっと安価なものに代替できないかなどを考えます。
他にも材料や材質のことを研究したりもしています。
また、他の領域とも横断的に技術を作っていくことが必要となるので、化学だけでなく生物学なども扱ったりします。
最近流行りのバイオテクノロジーとかが、それにあたります。

当然、化学を得意とする人には、非常におすすめの学部になっています。

卒業後の進路

では、続いて卒業後の進路についてです。

まず、前回の理学部の記事もでもお伝えしたように、文系学部とは就職の考え方が全く異なります。
文系学部はどの学部に進学したとしても、就職先に大差が出なかった一方で、理系学部は専門性を活かした就職をすることになります。
したがって、工学部も理学部同様に、自身の専攻してきた内容で就職をすることになります。

そして、学部卒で就職をするよりも、大学院進学まで含めて考えている人が過半数以上いることも知っておかなければなりません。

河合塾HPより引用

ご覧のように、国公立大学であれば、ほとんどの人が大学院へ進学をしていることがわかります。
その理由としては、理系学部は基本的に大学院進学までセットで、カリキュラムが構成されていることがほとんどです。
工学部に進学する場合も、必ず大学院進学のことは検討しておくほうが望ましいでしょう。

では、肝心な工学部の就職ですが、全学部の中でも最強と考えてもいいでしょう。
工学部の学生は本当に引く手数多です。
理学部とは違い、実際の社会で役立つ技術を学ぶ学部になります。
もちろん、その技術力を欲しているメーカーが受け入れ先となることが多いですね。

また、教授推薦で就職をすることも多く、一般的な就職活動で入社となるケースはあまりないようですね。
そうなると、どこの研究室で学ぶことになるのかが、非常に鍵となってきます。
自分の本当に興味のある分野で、かつ実績のある研究室に入ることができるように、事前にリサーチは必要ですね。

そして、工学部の就職は、当然ながら選択する学科に大きく左右されるものでもあります。
では、学科ごとの主な進路について見ていきましょう。

機械工学の進路

機械工学系の学科を卒業した人は、製造業や建設業などに就職することが多い傾向です。
自動車や船舶や航空機などが人気ですね。
整備士として働くような人もいますし、もっと上流工程の設計や開発に携わる人もいます。
また、家電メーカーやインフラ業などにも就職することが可能です。
工学部の中でも、かなり就職には強い学科系統になります。

電気通信工学の進路

電気通信工学系を卒業した人は、インフラや通信業などに就職する人が多い傾向にあります。
また、機械工学と同様に、自動車メーカーなどの製造業に就職する人も増えてきました。
電気通信系の学科も、機械工学に匹敵するほど、就職には強い学科系統です。
他にも、ITの知識を活かして、エンジニアやITコンサルティングに就職することも可能です。
専攻によって幅広い進路の選択をすることが可能です。

土木建築工学の進路

次に、土木建築系についてです。
機械工学電気通信工学系とは少し毛色が変わってきます。
土木建築学科系を卒業した人たちは、ゼネコンで現場監督をしたり、ハウスメーカーや工務店で勤務したり、ディベロッパーとして土地の開発利用などをする人が多い傾向にあります。
また、建築事務所で勉強をしながら、1級建築士を目指す人もいたりしますね。
他にも、地方公共団体の技術職として、土地の整備などもこの学科系統の人に多い傾向です。
機械や電気の学科とは全く異なる就職先になりますが、土地や不動産においてはある程度どのジャンルの職にも就くことが可能です。

応用化学科の進路

最後は応用化学系の就職についてです。
応用化学科の就職は多岐にわたります。
食品業界や製薬業界、薬品メーカーや化学メーカーが主なものになります。
他にも、エネルギー業界なども多い傾向にあります。
それ以外にも、塗料や家電や自動車など、応用化学科は様々な就職ルートがあります。
その理由として、今日で化学と関わりのない業界は探す方が難しいほど、どの業界にも化学の知識は必要不可欠になっています。
他の学科と同様に、何を専攻するかで選択肢が変わってくるので、事前のリサーチは徹底しておきたいですね。

工学部が有名な大学

続いて、工学部が有名な大学を見ていきましょう。
理学部と同様に、工学部として単体で設置されている大学はあまりなく、多くは理工学部として理学部とセットで設置されています。
理学部の記事では、理工学部は除いて紹介をしました。
今回は、工学部と理工学部をともに紹介していきます。

旧帝国大学+東京工業大学

京都大学

いや、そんなこと言われなくてもわかってます!って感じですよね(笑)
ただ、やはり理系学部は国公立がどうしても強いんです。
工学部は、しっかりとそれぞれの学科の技術を学ぶためにかなりの設備が必要となります。
そうなると必然的に、予算が多い大学と学費が安い大学に有能な人材が集まることになります。

旺文社教育情報センターより引用

このように、旧帝国大学(東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・北海道大学・東北大学・九州大学)の予算は、他の大学に比較して多く割り当てられていることがわかります。
また、旧帝国大学を除けば、東京工業大学が群を抜いて人気の大学になります。
これらの大学の工学部では、様々な学科が設置されており、横断的に学びを得ることができることも特徴です。
日本のトップの大学群になるので合格は容易ではありませんが、工学部を目指すのであれば、ぜひ目標にして欲しい大学になります。

電農名繊

電農名繊

続いて、電農名繊(でんのうめいせん)です。
これは、電気通信大学・東京農工大学・名古屋工業大学・京都工芸繊維大学の総称です。
あまり聞き馴染みのない大学名が多いかもしれませんが、理系の国公立大学を志望している人にはかなりおすすめの大学です。
旧帝国大学とは違い、幅広いジャンルの研究には不向きですが、何か一つに特化して深く学びたい人に向いています。
電気通信大学は電気電子系統、東京農工大学は応用生物や応用化学、名古屋工業大学は機械工学、京都工芸繊維大学はデザインや建築が特に有名です。
旧帝国大学に比べ二次試験の科目数が少なくなっており、理系科目特化で対策が可能なため、入学難易度も少し下がります。
それでも理系大学の中では、かなり深い学びを得ることができる大学群です。
全科目の対策が少し厳しいようなら、検討してみてもいいでしょう。

[blogcard url=”https://www.uec.ac.jp/”] [blogcard url=”https://www.tuat.ac.jp/”] [blogcard url=”https://www.nitech.ac.jp/”] [blogcard url=”https://www.kit.ac.jp/”]

芝浦工業大学

ここからは私立大学の紹介です。
はじめは芝浦工業大学です。
4学部16学科という、工学分野の中でも幅広い内容を学ことができます。
また、研究室も250以上と、工学分野では私立トップクラスの大学です。
産学連携と言って、企業との交流も盛んなため、確かな技術力を身につけることができる大学になっています。
しかし、工学部のキャンパスが2年生から3年生になるタイミングで変更になり、しかもその距離がかなり遠いというデメリットも、、
その点だけ注意すれば、非常におすすめの大学です。

[blogcard url=”https://www.shibaura-it.ac.jp/”]

中央大学

次は中央大学です。
MARCHは文系がメインの大学です。
そしてほぼ全ての大学が、理系キャンパスが僻地にあるという特徴があります。
そんな中で、中央大学のみ理系キャンパスの立地が最高です。
後楽園に位置しているので、もはや文系キャンパスより通いやすい、、(笑)
そういう理由から、理系だけどMARCHに進みたい!という人には、おすすめです。
また、WISE Chuoという理系女子学生を応援する仕組みがあります。
男だらけのイメージの工学部ですが、後楽園キャンパスには女子専用のパウダールームなども設置されていたり、女子学生向けの就職セミナーなども実施されます。
リケジョの人にもおすすめの大学です。

[blogcard url=”https://www.chuo-u.ac.jp/”]

関西大学

最後は関西の私立大学からも紹介です。
関西の私立大学では、圧倒的に関西大学が人気です。
理由は、中央大学と同じで、関関同立の中で唯一メインキャンパスに理系学部が設置されているからです。
他の関西学院大学・立命館大学・同志社大学は、キャンパスの立地から人気がありません。
最近立命館大学が徐々に理系学部を、立地のいいキャンパスに移してはいるものの、関西大学のようにメインキャンパスに理工学部を設置することはないように思います。
学びたい内容も大切ですが、立地も考えると、関西では関西大学が最もおすすめの大学です。

[blogcard url=”https://www.kansai-u.ac.jp/ja/”]

まとめ

いかがでしたか?
工学部は就職にも強く、昨今非常に人気が高まっています。
文系学部と異なり偏差値も年々向上しており、受験自体も非常に大変になってきています。
また、卒業後のルートも、学科により多岐にわたります。
工学部を目指すのであれば、将来の夢や目標を早めに設定し、早期からの対策をしていきましょう!
では、次回の記事で。

[blogcard url=”https://manabu.biz/agriculture-fisheries/”]
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