先日文部科学省から英語民間試験導入を断念する方向であるという報道がありました。
[blogcard url=”https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72222330V20C21A5MM8000/?unlock=1″]理由としては、居住地域や経済的な事情による受験機会の格差が解消できないなどがあげられているそうです。
昨年まで、学校や塾・予備校から「英検は絶対に受けなさい!!」と口すっぱく言われてきた人も多いのではないでしょうか。
それがここにきて、手のひら返しのような判断を受け、混乱している人も多いかと思います。
しかし、決まったことに文句を言っても仕方がないので、従うしかないのが受験生の運命ですよね…
本記事では、今回の文科省の決定を受けて、実際に英検をはじめとする英語民間試験の受験はどうすべきかを考えてみようと思います。
あくまで一つの考えではあるので、正解ではありませんが参考にしてもらえると幸いです。
英語民間試験ってなに?
まずは英語民間試験ってなに?ってところから説明していきますね。
英語民間試験とは、言葉の通りですが、各民間の団体が実施をしている英語試験になります。
大学入試の活用で用いられる主な試験は以下のようになっています。
試験名 | 運営団体 | 受験者数 |
ケンブリッジ英語検定 | ケンブリッジ大学英語検定機構 | 非公開 |
TOEFL iBT | Educational Testing Service | 非公開 |
IELTS | IDP:IELTS Australia | 約3.7万人 |
GTEC | ベネッセコーポレーション | 約102万人 |
TEAP | 公益財団法人 日本英語検定協会 | 約2.4万人 |
TEAP CBT | 公益財団法人 日本英語検定協会 | 約700人 |
実用英語技能検定 | 公益財団法人 日本英語検定協会 | 約366万人 |
最も有名なものは、英検こと実用英語技能検定ですね。
そのほかにも、TOEICや国連英検など様々な種類があります。
それぞれの試験に用途や傾向がありますが、受験を考えるのであれば、英検を受験しておくのが無難でしょう。
そもそも英語民間試験導入の背景は?
では、断念された英語民間試験導入ってそもそもなんのためにしてたんだっけ?を復習してみましょう。
英語民間試験導入の背景は4技能の判定のためでした。
これまでのセンター試験では、「読む」「聞く」の2技能のみしか測ることができず、さらに「読む」に偏った試験形式になっていました。
それを共通テストの導入に併せて、英語は民間試験を活用して「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能をみていく、というのが英語民間試験の導入の背景でした。
確かに、これまでのセンター試験の入試や、私立大学での一般入試も、2技能に偏った形式ではありました。
そこで4技能をしっかりと確認していくためには、民間試験を活用しようということになったわけです。
しかし、会場の確保、受験機会の格差、記述部分や「話す」内容の採点ミスや差異など問題が山盛りで、導入延期になっていたものが断念という結果になってしまいました。
結局どうすれば良い?
では本題ですが、結局どうすればいいの?というのが皆さんの思うところではあると思います。
色々な意見はあると思いますが、私は「引き続き受験をする!!」ということを強くおすすめします。
理由は以下のようになります。
利用できる大学はたくさんある
あれ?大学入試での導入は見送りになったんじゃなかったっけ?と思われた方もいるんじゃないでしょうか。
実は多くの私立大学では、英語民間試験を利用した入試がまだまだたくさんあります。
今回見送りとなったのは、あくまで国公立入試がメインとなる共通テストとの併用です。
私立大学では、加点や英語試験の免除などまだまだ民間試験を利用しています。
また、おおよそ英検2級レベルから利用できる大学が多いので、ハードルはそこまで高くないはずです。
受験回数を増やすこともできるので、いいこと尽くしですよね。
実際に全国でも200ほどの大学で英語民間試験を利用した大学があります。
滑り止めだけでも確保できる可能性もあるので、やはり受験はしておきたいですね。
英語学力の向上につながる
結局、民間試験を受けようが受けなかろうが、大学受験において英語の学習は非常に重要です。
文系も理系もどちらの学部を受験するにしても学習が必要になります。
それであれば勉強しておくことにこしたことはありません。
大学受験用の模試以外で自分の英語の学力を測ることもできるので、より細かく自分の成績を客観視することも可能です。
英語民間試験のための学習は大学受験に直結することも多く、勉強することが無駄になりにくくなっています。
どうせ勉強しないといけないのであれば、受験回数の確保のためにたくさんチャレンジしてみても良いかもしれませんね。
まとめ
ここ数年間で大学受験は大きな変革期を迎えています。
受験生の皆さんは振り回されてばかりで大変な思いをしているかと思います。
しかし変化はチャンスでもあります。
変えられない事実を嘆いてばかりいるのではなく、他の人と差をつけることができるチャンスと捉えて行動を起こせる人になってほしいと思います。
そうすれば、きっと大学受験だけでなく、今後の人生でもチャンスを掴むことができるはずです!
その一つとして、今回の英語民間試験導入見送りもチャンスに変えて、志望校合格に向けて頑張ってください!