【レベルは?早稲田も可能か?】現代文読解力の開発講座の解説

・模試や共通テストの現代文では得点出来ているけど、私大の現代文には苦戦している。
・難関私大や早稲田の現代文対策で、どの教材を用いればいいか分からない。
・『現代文読解力の開発講座』が早稲田大学にも通用するか知りたい。

この記事は上のような悩みを持った人に向けて書かれています。

結論は、今回紹介する『現代文読解力の開発講座』は非常に高度な教材ですが、本書を完全に理解したとすればGMARCHの現代文で高得点、また早稲田大学の現代文の過去問演習への橋がけとなります。ただし、早稲田大学の現代文は独特で対応している問題集はないため、志望学部の過去問題を1年でも多く解き、研究しておく必要があります。

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目次

現代文読解力の開発講座の難易度と目標大学

前述のように『現代文読解力の開発講座』は非常に高難易度の教材であり、志望大学がGMARCH以上や早慶上智を志望している方以外には必要ありません。

また、現状の学力がSS60以上ある受験生でなければ利用を控えるべきです。

共通テストレベルの問題では最低でも8割以上の正答率でないと本書に取り組むことは非常に難しいと思います。

しかし、この教材の内容を完全に理解した上で、過去問研究を行えば共通テストやGMARCHの現代文では満点が狙える力が養成され、早稲田や上智といった最難関私立大の現代文へもリーチできる教材でもあるので、そうした大学を検討している受験生は、ぜひ活用して下さい。

その上で一点注意があります。

多くの大学の入試では、入試科目の各科目の配点は均等になっていることや、難関大学の一部で英語の配点が多く与えられていることを考えても、受験は全ての科目で戦う総合力の戦いです。

例えば、英語100点・国語100点(現代文、古文、漢文)・社会科目100点だと、例え現代文が得意であっても300点中の60〜70点ほどの配点と考えると必要以上に現代文を学習することは、他の科目に割く時間を減らすことに繋がってしまいます。

現代文の勉強に時間をとられ、他の科目が疎かになっては本末転倒です。

自身の目指す大学や他科目の学習状況に応じて利用を検討しましょう。

現代文読解力の開発講座はどのような教材なのか?

・全て評論文のみの大問9問+補問1問で構成されており、後半に進むにつれて難易度が上がっていく教材。
・著者の”イイタイコト”を正しく捉えられているかに重きを置いており、設問の解説は端的で短め、また本文理解を確認するために毎回本文の100字の要約問題=現代文読解力の開発問題が課される。

本書は駿台の人気現代文講師、霜栄氏による本です。

本書の内容を完全に理解したとすれば、大学受験の現代文読解力という枠組みを越えて、世の中の文書に対する考え方や、見え方が変わり、少なからず人生に影響を与えるかも知れない。

そんな圧倒的な良書です。

本書最大の特徴は筆者のイイタイコト、つまり本文のテーマとメッセージの要旨を捉える力を養成することに重きを置いている点です。

また、筆者のイイタイコトを正しく理解できているかを確認する過程で本分を要約する事にも重きを置いており、毎回の読解の後、本文を100字で要約することが求められます。

この100字の要約の練習が本書のタイトルにもある読解力開発問題となります。

本書の中で霜氏は本文の要旨とは、”本文の全体像としてのテーマ””筆者がもっとも強調している結論””結論を裏付け支えている根拠”と考えており、問題を解けるようになることを目指すのではなく、文書を正しく読めるようになる大切さを伝えようとしているのかなと感じます。

巷にありそうな受験の裏技のような、現代文の教材で☆棒線部の近くに答えがあるので注意しよう!(しかし、実際は棒線部の直前に具体例などが挿入されており、答えがないケースも多々ある。)などどいった、小手先のテクニックや、現代文読解に置いてセンスやフィーリングといった曖昧な要素を一切排除した本質的な解法の理解とロジックによる真の読解力を養成することができます。

タイトルにもある、現代文読解力の開発(本文の要約問題)の要素にばかり気を取られがちですが、教材の中で、現代文読解に必要な基本要素である”指示語や接続語””段落同士のつながり””具体例”などについても説明があり、確認できるので安心下さい。

また、本文の解説が多く設問の解説が少ないことも特徴です。

前述の通り、本書は問題を解けることを目的とするのではなく、筆者のイイタイコトを文章を通して正しく受け止め、正しく理解する力を養成することを目的としているため、本文の解説に対し、設問の解説は非常に簡素な事が多いです。

そして、著者のイイタイコトを自身の本文要約を通して正しく理解する練習を繰り返す事で圧倒的な現代文読解力=得点力につながります。

現代文の問題集やセンター試験や共通テスト、私大の入試の過去問などを見ても現代文の最後の設問は選択式のものであったり、正誤を問うものであったり、バリエーションは違えど、本文の要旨を問う種類の問題ばかりではないでしょうか?

本文全体の文章を要約し、著者のイイタイコトを正しく理解することができれば、より短い、その前の選択問題も解答できるという訳です。

現代文読解力の開発講座の効率的な使用法とは?

・問題を解き、解説が理解できるまで本書と向き合う。
・時間を置いて何度も読み返す。

本書に置いて特に重要なのが、解説が理解できるまで向き合う事と、完璧になるまで何度も繰り返す事です。

繰り返しになりますが、本書の難易度は非常に高いため、偏差値60以上の方であっても、本書の問題や解説を1回で完全に理解することは容易ではありません。

本書が理解できるまで向き合い、何度も何度も繰り返しましょう。

ちなみに、最後の補問1問にはかの有名なゴジラが出てきます。

ネタバレを避けるため出題大学や内容の詳細は伏せますので、これから本書を手に取る方は楽しみにし、ご自身の目で確認して下さい!笑

現代文読解力の開発講座のおすすめできる人は?

・偏差値60以上の人
・GMARCHの現代文で高得点を目指す人
・早慶上智志望の人

本書をおすすめできる人は、偏差値が60以上ある方でGMARCHで現代文を得点源、ないし満点を目指し、他の科目をカバーしたいという方には本書はおすすめです。

しかし、本書の難易度と本書にかかる時間を考えると他科目を勉強した方が志望校合格の可能性が高くなるかもしれません。

もう一度その他の科目状況をよく確認しましょう。

私大最難関である早慶上智を目指す人には本書はおすすめです。

現代文読解力の開発講座のおすすめできない人は?

・現代文初学者の人
・偏差値60以下の人
・小説の読解をしたい人
・共通テスト対策をしたい人
・演習量を確保したい人

大前提、現代文初学者の人や現代文の偏差値が安定して60取れない人には絶対に本書をおすすめできません。

本書に取り組みたいけどまだ偏差値が届いていないという方は、もう一度準備し直しましょう。

また、本書は何度も何度も同じ評論文や問題に取り組み、本文の要約まで行い、完全に理解できるまで繰り返すことで真価を発揮する教材のため、小説対策や共通テスト対策、演習量確保をしたいという方にはおすすめできません。

現代文読解力の開発講座の後に進むべき教材を志望校別に紹介

大東亜帝国レベル(SS50)が志望校

日東駒専レベル(SS55程度)が志望校

成成明國獨武レベル(SS60程度)が志望校

GMARCHレベル(SS65程度)が志望校

GMARCHを目指す方で、本書を完全に理解できた方は志望大学の過去問大を解いてみましょう。

数回過去問を解けば、本書とのギャップは感じず、むしろ高得点が取れる可能性が高いです。

逆に過去問題で得点できない方は、本書が分かったつもりになっている可能性が高いので、

本書で理解出来ていない所はないかを確認し、何度も何度も本書を繰り返しましょう。

早慶上智レベル(SS70程度)が志望校

早慶上智を目指す方であっても、本書を完全に理解できた方であれば他の参考書は必要ありません。

河合から出版されている『現代文と格闘する』というさらにボリュームがある教材も存在しますが、費用対効果を考えると必要ないかと思います。

現代文読解力の開発講座がスラスラ解けるレベルであれば早慶上智の現代文にリーチできる実力があります。

ここから先は志望大学や志望学部の過去問演習に取り組み、過去問研究を行いましょう。

現代文が不調だと感じた際は、一度立ち止まり本書に立ち返ってみましょう。

要注意は早稲田志望の受験生です。

早稲田の現代文は学部によって出題傾向が大きく異なり、また、現代文と古文が融合された文章が出題されることもあり上、そこに漢文が含まれることもあります。

そのため、志望学部に応じた対策が必要ですが市販されている問題集や「早稲田の国語」であっても効率的に対策を進めていくことを考えると、一番は早稲田の志望学部の現代文を複数年解き、過去問研究に誰よりも励む事が一番だと思います。

さいごに

いかがだったでしょうか。

今回は駿台から出版されている『現代文読解力の開発講座』について解説、まとめてみました。

先述の通り、受験は総合力での勝負になるため、中には、志望大学や他科目の勉強との兼ね合いで大学受験期に本書を手にとる機会がない方もいるかもしれません。

しかし、私は本書は文系理系問わず、大学生さらには社会人にも手に取ってもらいたい語り継がれるべき参考書だと考えていますので、いつか機会があればぜひ手に取ってみて下さい。

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