【レベルは?】入試現代文へのアクセス(基本編)の解説

・現代文の勉強って何から始めればいいかよく分からない。
・そもそも現代文って勉強した方がいいのか分からない。
・『入試現代文へのアクセス』をおすすめされたけど、使い方を知りたい。

この記事は上のような悩みを持った人に向けて書かれています。

結論は、現代文に強い苦手意識がある方を除いて最初の一冊として『入試現代文へのアクセス(基本編)』を用いることをおすすめします。本書の例題、解説、練習問題に取り組むことで正解へのアクセス(プロセス)を丁寧に学ぶことができます。

目次

入試現代文へのアクセス基本編の難易度と目標大学

最初に入試現代文へのアクセス(基本編)のメインとなるターゲット層を紹介します。

本書は、大学入試の現代文で頻出のテーマを中心に必要最低限の語彙やテーマを習得し、同時に、読解力の基礎を養うことができる問題集です。

また、ターゲットとなる大学に関しては本書のみで対応可能なのは、大東亜帝国と、日東駒専までのレベルと考えます。

成成明獨國武のレベルだとギリギリの所で、GMARCH、早慶上智を志望する方は、本書を利用したのちにより、高度な参考書を利用することをおすすめします。

入試現代文へのアクセス基本編はどのような教材なのか?

・例題4題+練習問題12題の16題で構成されており、後半に進むにつれて設問の難易度が高くなっている。
・本文全体の解説と、本文中の語彙、設問の解説があり非常に丁寧である。
・設問と解説が別冊となっているため、演習時に解答が目に入らず問題に集中できる。

現代文へのアクセスは大手予備校の河合塾から出版されている現代文の問題集になります。

同じシリーズとして、現代文へのアクセス発展編(赤色)と現代文へのアクセス完成編(緑色)の3冊があり、毎多くの年受験生が手に取る人気で定番の参考書になります。

本書の一つ目の特徴として、設問だけでなく、本文の解説があることが挙げられます。

設問の解説がある参考書は多いですが、本文の解説がある現代文の参考書は多いとは言えず、その点において本書は非常に丁寧です。

本分の全体像がより使用者に捉えやすいように工夫されており、文章同士の結びつきや、本分中での役割などが、図示されていることもあり、非常に分かりやすくなっています。

二つ目の特徴として、文中に出てきた語句の解説と頻出の現代文用語、テーマの解説があることが挙げられます。

語句の解説については、一般的な意味でなくあくまでその文中での意味や使われ方などが解説されています。

また、現代文でよく取り扱われるテーマについても、問題演習に取り入れられており、そのテーマについても、簡単に解説がされているため、本書で取り上げられているテーマについては、押さえておけると良いかと思います。

また、すでに現代用語やテーマなどを別の参考書で勉強している人にとっては、確認になりますが、現代文へのアクセス基礎編で扱われているテーマや語彙だけだと、受験を乗り切るには少し心もとないと感じます。

現代用語の問題集を用いて勉強をまだされていない方については、現代文へのアクセスを出版している同予備校のことばはチカラダや、Z会から出版されているキーワード読解などで網羅的に勉強し、強固な語彙力み身につけておくことをおすすめします。

ちなみにこの2冊は現代文頻出の語彙とテーマを勉強する参考書となっていますが、難易度でことばはチカラだとキーワード読解を比較すると、キーワード読解の方が高いため、特に現代文が苦手な方以外にはキーワード読解をおすすめします。

3つ目の特徴として、設問と解説が別冊の点が挙げられます。

設問と解説が別冊になっていることで、本文と解説を同時に開くことができることは非常に使い勝手が良く、勉強しやすいですし、問題演習中に解答や解説が目に入らないことで集中して問題演習に取り組める利点があります。

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入試現代文へのアクセス基本編の効率的な使用法とは?

・例題を解き解説を読み、正答への正しいプロセスを理解する。
・練習問題に取り組み、本書が完璧になるまで繰り返す。

効果的な使用方法としては、まず例題を解いた上で解説を読み、正答への正しいプロセスを理解した上で解き直しを行います。

その後、練習問題に取り組み、正誤を確認し、解説を読みもう一度解き直しを行います。

その後、本書が完璧になるように繰り返しましょう。

この際に、正答できた問題であっても、誤答した問題であっても、2.3週目の際に「確かここは、答えが1だった」という場所を覚えて解答する方法では全く意味がありません。

解答の際に、不正解であった問題は「前回は、~~のプロセスを踏んで、1を選んでしまい、不正解だったけど、正しいプロセスは~~なので2が解答」という風に進め、設問毎に正しい、正解へのアクセスを確認して解きましょう。

また、これは大学受験の際に培った個人的な勉強のコツですが、問題を解答する際に、自分の解答への自信度合いをA~Cで記していました。

そうすることで、自信がある上で正答できた問題、自信がある上で誤答した問題、自信がなくて正答できた問題、自信がなくて誤答した問題を後で認することができることで、曖昧な知識で正答している事に気づけたり、誤った自信をつけないようにしていました。

入試現代文へのアクセス基本編のおすすめできる人は?

・現代文を初めて勉強する人
・現代文の基礎学力を付けたい人
・現代文を感覚で解いている人

本書は大学受験の現代文を初めて本格的に勉強する方や、現代文の基礎学力を方にとって本書は特におすすめです。

先述の通り、構成が”例文””正解へのアクセス””本文”となっており、本分もやや短めのため、とっつきやすく、現代文の基礎学力を養うこともできます。

また、現代文をセンスやフィーリングで解いていて、特に気をかけたことがなくても点数が取れている人であっても、この参考書で学ぶことはおススメです。

確かに受験生の中には「現代文ってセンスじゃん!勉強したことないけど、文章を読めば分かるし、点数も取れる!」という方もいますし、現に得点できる人もいます。

こうした方は特徴として現代文は得意だけど、人には教えられないといった方が多い印象です。

野球で例えるなら速い球は投げられるけど、それが何故かは分からない、正しいフォームは知らないピッチャーです。

また、こうした方は現代文の得点が取れている間はいいですが、点が取れなくなくなった際にその原因が自分でも分からないために打ち手が取れず困り果ててしまいます。

そうした方が本書を用いて、正解へアクセス(プロセス)の基本を学ぶことで、今までフィーリングで辿っていた”解答へのプロセス”を言語化できる可能性が高いです。

さらに、こうした方が元々備えているセンスに加えて、理論を学ぶことで一層の得点力が期待できるようになるでしょう。

入試現代文へのアクセス基本編のおすすめできない人は?

・現代文の苦手意識が強い人
・安定して共通テストで得点できる人
・演習量を確保したい人

そもそも本を読むことが苦手、国語も苦手だし、現代文も嫌いで、国語アレルギーがあるいう方にとっては、現代文のアクセスが現代文初学者にとって、勉強しやすい参考書といっても一冊目として取り組むにはなかなか難しい可能性が高いです。

そういった方は本書に取り組む前に『田村の優しく語る現代文』など、より優く噛み砕いた参考書から着手し、本書を使用することをおすすめします。

また、他の参考書で現代文の勉強を行なっていて、既に共通テストで8割以上安定して取れる方についても本書はボリュームと難易度の両面から物足りないかと思います。

そういった方は、同シリーズの一つ上現代文へのアクセス発展編や、完成編、現代文の開発講座などさらに難易度の高い問題集に取り組むことをおススメします。

ただし、先述の通り、現代文の勉強はしていないけど感覚で現代文を解いていて、高得点が取れている方は要注意なので本書の利用をおすすめします。

また、演習量を増やしたい人にとっても本書はあまりおすすめできません。

先述の通り、この問題集は良問を揃えコンパクトにまとまっていることが特徴的の本書で演習量を確保するしたい方にとっては、不向きかと思います。

バリバリ演習量を得たい方は、河合のマーク式総合問題集や共通テストの過去問題などを用いて、演習量を確保することをおすすめします。

入試現代文へのアクセス基本編の後に進むべき教材を志望校別に紹介

大東亜帝国レベル(SS50)が志望校

大東亜帝国の現代文の入試のレベルと分量は本書とあまり変わらないため、本書がすらすら解けて完璧になった方は中文程度の文章を筋道を立てて理解し、正しい選択肢を選ぶ力が養成されていますので、赤本を用いて志望大学の過去問題に取り組んでも大丈夫です!

日東駒専レベル(SS55程度)が志望校

日東駒専の現代文の入試のレベルも本書とあまり変わりません。

先述の力が養成されているので、志望校の過去問題演習に取り組めると思います。

ただし、大東亜帝国の入試に比べて文量が多くなる傾向にあり、具体的には2000字×大問2題や、2500~4000字くらいの分量での出題になっているため、

共通テストの過去問題などを用いて、本書よりも多い分量の読解演習に取り組むことをおすすめします。

成成明國獨武レベル(SS60程度)が志望校

成成明國獨武の現代文の入試レベルだと、本書よりも難易度が上がるため、本書だけでのカバーは厳しく、同シリーズの『現代文へのアクセス(発展編)』に進み、より難易度の高い読解演習を行い、慣れておくことをおすすめします。

GMARCHレベル(SS65程度)が志望校

GMARCHの現代文の入試レベルだと、『先述の現代文へのアクセス(発展編)』でのカバーはかなり難しいかと思います。

『現代文へのアクセス(発展編)』に加え、駿台より出版されている『現代文読解力の開発講座』に進み、より高度な読解演習と要約の練習を行うことをおすすめします。

理由としては、この辺りのレベルから筋道を立てて文章を理解し、正答する力に加えて、3000~4000の分量の本文全体を自分の力で100字程度で要約できる力が必かと思います。

実際に、GMARCHの入試で100字で要約する問題が出題される可能性は高くないですが、この辺りのレベルから、設問の選択肢も複雑になってくるため、与えられた選択肢から正答を選ぶのではなく、先に自身で解答を記述で用意し、選択式の設問の中から自身の記述解答に近いものを選ぶ力が必要です。

選択肢から正答できる人が記述が出来るとは限りませんが、記述ができる人は選択肢から正答できるかと思います。現代文読解力の開発講座でその力を養成しましょう。

早慶上智レベル(SS70程度)が志望校

『現代文へのアクセス(発展編)』『現代文読解力の開発講座』と進み、過去問研究に進むことをおすすめします。

ただし、GMARCHの入試よりも文章の内容が抽象的であったり、より難解なテーマから出題されることもあるので、志望学部の赤本を用いて繰り返し対策を行いましょう。

現代文読解力の開発講座がスラスラ解けるレベルであれば、上智の現代文にも通用します。

慶應についても、現代文が出題される学部については同様で、小論文が課される学部もあるため割愛します。

要注意は早稲田志望の受験生です。

基本的には、棒線部の内容説明や理由説明、空欄補充が中心として出題されますが、早稲田の現代文は学部によって出題傾向が大きく異なり、また、現代文と古文が融合された文章が出題されることもあり上、そこに漢文が含まれることもあります。

そのため、志望学部に応じた対策が必要ですが、市販されている問題集や「早稲田の国語」であっても、効率的に対策を進めていくことを考えると、一番は早稲田の志望学部の現代文を複数年解き、過去問研究をする必要があります。

最後に

いかがだったでしょうか。

今回は現代文初学者にもおすすめできる問題集、現代文へのアクセス基礎編について書いてみました。

現代文で頻出のテーマを中心に、最低限広く浅く学べるラインナップがコンパクトにまとまっており、初学者であっても、現代文を勉強する上で始めの1冊、基礎固めとして最適な難易度問題集かと思います。

また問題文と解説が別冊であるユーザビリティの高さも評価できる点でした。

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