・『話題別英単語リンガメタリカ』は難しすぎる?
・早慶上智志望でも必要ないって本当?
・どうやって使うのが効率的なの?
この記事は上のような悩みを持った人に向けて書かれています。
結論としては、『話題別英単語リンガメタリカ』は非常に難しい教材ですが、英語の知識だけでなく幅広い強が身につく教材のため、早慶上智志望であればぜひ利用を検討しましょう。音源が別売りで用意されているので、精読ののち音読を行うことでスラスラ読めるようになるまで練習することが効率的無利用法です。
話題別英単語リンガメタリカの難易度と目標大学
『話題別英単語リンガメタリカ』は非常に高難易度の教材となっており、少なくとも偏差値60以上はマークしていないと満足に利用することは難しいでしょう。
また、想定する大学としても早慶上智また、GMARCHの国際系学部などの高難易度の英語を出題する大学となっており、大東亜帝国から日東駒専レベルの大学を志望する場合は本書を利用する必要はないと言えます。
既に1冊以上の基本英単語帳を終えていて、更なる語彙の獲得を目指したい受験生をターゲットにした1冊と言えますね。
話題別英単語リンガメタリカはどのような教材なのか?
・読み物として利用することで、英語の知識だけでなく多方面の教養を手に入れることができる。
・音源とともに音読することで英語を前から自然に読む力を養うことができる。
※音源は別売りです。
『話題別英単語リンガメタリカ』は非常に特殊な単語帳であり、受験生の多くが利用する英単語ターゲット1900やシステム英単語等とは異なった特徴を持っています。
参考書を利用する際はただ闇雲に利用するのではなく、その書籍に合った利用を方法を選択することが大切になります。
まずは『話題別英単語リンガメタリカ』が持つ特徴を理解することで、これ以降の効率的な利用法にスムーズに繋げていきましょう。
大学受験生の皆さんは英語という科目を勉強する際に、英語だけに囚われすぎており、英語という科目がそもそもどのような力を測る科目であるかを忘れています。
英語という科目は、英語という言語を理解しているかという限定的な英語力(文法や語彙など)だけでなく、英語という言語を利用して情報を授受伝達できるかという総合的な英語力を測られています。
少し言葉が難しくなりましたが、要するにただ語彙を覚えたり、文法問題を解くことが英語の力を上げるのではなく、英語をコミュニケーションツールとして利用できるかが大切ということです。
少し話が逸れてしまいましたが、『話題別英単語リンガメタリカ』では下の画像に記したようなテーマに分けて大学受験生が知っておくべき知識を整理しています。
これらのテーマはジャンルごとにまとめられているので、例えば経済学部や経営学部といったビジネス系学部を志望する場合は、第1章グローバル化、第2章経済、第3章社会問題等だけでも確認すると入試に直結する語彙力だけでなく、知識も得ることができますね。
余談ではありますが、このような背景知識を手に入れることは英語の力を伸ばすだけでなく、現代文などの他の科目にも良い効果をもたらしますので、副次的効果も狙えますね!
『話題別英単語リンガメタリカ』では英単語を単体として覚えるのではなく、フレーズと称する連語で覚えることを推奨しています。
ここでは筆者の中澤氏の連語に関する見解を紹介します。
単語は、それだけで覚えようとするより、連語で覚える方が記憶しやすいのです。現代の脳科学によると、私たちが例えばAを思い出すときは、A単体で思い出すというよりは、Aに関連するBがきっかけになって思い出すことが多いのです。
〜中略〜
…個人的な経験で恐縮ですが、私はやや薄寒く、どんよりし、微妙な湿気のある奇行に遭遇すると、必ずと言っていいほどロンドンで短期留学していた頃のことを思い出します。私の頭の中では、「ある特定の気候とロンドン」がセットになって入力されているということです。
英単語学習では単語帳と睨めっこして覚えるイメージが強いですが、実際の入試問題となると単語の一問一答のような問題は出題されませんし、一部出題されたとしても難関大学の受験では皆無といって良いでしょう。
ここから言えることは難関大学の受験において大切な英単語力とは、文中で使われている英単語を周囲の意味や組み合わせから正確に意味を把握することと言えます。
1つ1つの英単語を意味をしっかり理解することももちろん大切ですが、非常に使われやすい組み合わせをまずは学んだ上で、より掘り下げて学習した方が労力も少なく済みます。
中澤氏のロンドンの話はオシャレですねー、僕にもこういうエピソードが欲しいものです。
話題別英単語リンガメタリカの効率的な使用法とは?
・英語から読むことが難しい場合は、日本語から読み、最終的に英語の意味を理解できれば問題ない。
・理解できた英語を音源を使いながら繰り返し声に出して読む。
『話題別英単語リンガメタリカ』の利用方法としておすすめなのは、まず日本語の訳をしっかり理解することです。
本書は文法のレベル、語彙のレベル、背景知識のレベルにおいて非常に高度な内容となっており、高校の授業における英語をスラスラ解ける程度の受験生であれば苦労すること必至です。
大学受験の勉強において自信を喪失することはあまり得策とは言えず、本書に真っ正面からぶつかって打ちのめされることに大きなメリットはないでしょう。
よって、まずは本書の特徴である豊富な背景知識を得るために日本語訳から着手することをおすすめします。
次に、日本語に対応する英語の文を精読していきましょう。
精読とは1文1文の意味を正確に理解し、文章中に文法上の不明点が見当たらない状態まで細かく分析することになります。
文の主語や動詞の特定はもちろんのこと、文中の接続語の関係や、指示後の明示箇所、省略されている部分等を明らかにしていきましょう。
精読よりは速読の方が大事でしょ?といった疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、速読はあくまで精読の上に成り立ちます。
精読をおろそかにして速読を身につけようとしても正しい読み方ができない雑な読解になるので注意が必要です。
最後に精読できた文章を音源にあわせて速読する練習を行いましょう。
先程の精読のパートとは少し矛盾した話に聞こえるかもしれませんが、大学受験英語の読解問題では時間が著しく足りないことが多々あります。
ゆっくり正確にミスがなく読解できるのは大切な力ですが、入試本番でのらりくらりと読解していたらタイムアップになってしまうため、できるだけ早く読み進めることが必要になります。
そのため、入試本番では正確に速く読む力が必要となり、この力を身につける最速の手段が音読になります。
英語学習の教材を開発するPRONTEST inc様の記事を一部引用しますが、英語の音読は英語を英語のまま理解する力を身につける非常に強力なツールとなります。
音読には、英語の「音声⇔文字(スクリプト)⇔意味(状況やイメージ)」を紐付ける効果があります。英語の音声から文字やイメージを、英語の文字から音声やイメージを結びつけられるようになるため、英語を理解するスピードが飛躍的に向上します。
引用:PRONTEST inc「英語上達に「音読」は効果あり?正しいやり方&コツ・おすすめアプリ」
話題別英単語リンガメタリカのおすすめできる人は?
大学受験英語の参考書が多く書店に並ぶ中、英語の勉強を始める受験生にとっての1冊目の英単語帳は非常に多様な種類があります。
また、1冊目の英単語帳は学校で高校1年時に配られることも多く、知らず知らずのうちに手にしていたという受験生も多いのではないでしょうか?
しかし、2冊目以降の単語帳となると途端に情報量が少なくなっており、さらなる語彙力の増強を目指す受験生にとっては、一体何の単語帳を使えば良いのかわからない場合もあるかと思います。
1冊目の単語帳はほぼ完璧となっており、さらなる語彙力の増強を目指したいそんな受験生にとっては『話題別英単語リンガメタリカ』は非常におすすめの書籍になっています。
前述でもありますが、本書は非常に高度な語彙を掲載しているため、これまでの単語帳では対応しきれなかった難単語にも対応しています。
特に、名詞分野の語彙が多く掲載されており、受験生にとって嬉しい内容となっています。
一般的に、動詞・形容詞・副詞といった用言(英語では使わない言い方ですが便宜的に)は多くの文章で使いまわされることが多いことに対し、名詞は特定のテーマでしか出現しないことも多くあります。
こういった重箱の隅をつつくような語彙を身につけたい受験生にとって本書は非常にマッチすると言えるでしょう。
話題別英単語リンガメタリカのおすすめできない人は?
『話題別英単語リンガメタリカ』の特徴は非常に高度な文章と、レベルの高い語彙が収録されていることです。
この特徴の裏を返すと、初心者には読解できない文章と、意味不明な難単語のオンパレードの書籍であると言えます。
また、『話題別英単語リンガメタリカ』は長文問題集ではないため、文章の構造分析までは行ってくれないことが難点であり、掲載されている英語長文に関しても独力で読解しなければならず、この点もネガティヴなポイントです。
大学受験の英語長文を解いていると知らない英単語がたくさん出てきて焦る受験生もいますが、多くの受験生の英語が読めない原因は単語だけではなく、文法や文章理解力など多岐にわたります。
文法力や文章理解力がない受験生が、自身の読解力不足の原因を語彙力だと勘違いし、本書に手を出すと痛い目に遭うので注意が必要です。
本書に手を出すのであればある程度の英語力が前提となり、大学入試関連の模試であれば偏差値60程度をマークできる学力が必要と言えるでしょう。
話題別英単語リンガメタリカの後に進むべき教材を志望校別に紹介
『話題別英単語リンガメタリカ』は非常に難易度が高い教材であり、解説も少ないため背伸びをして利用すると時間ばかりかかり効率的とは言えません。
大東亜帝国、日東駒専、成成明國獨武を目指す受験生は本書に手を出さず、これまで学習してきた教材を用い復讐に徹底することをおすすめします。
また、英語に関して得意である受験生は他の科目に関しても余裕がある場合は本書に取り組んでも良いでしょう。
GMARCHレベル(SS65程度)が志望校
GMARCHレベルの大学を受験する場合は、本書の後に利用すべき単語帳はありません。
本書に出てきた単語が暗記できていれば、同レベルの大学を受けるライバルとの間に語彙力の差ができ入試を有利に進めることができるでしょう。
本書の後は本書で得た語彙力と読解力をより盤石にするため、長文の問題集や志望校の過去問題に取り組みましょう。
早慶上智レベル(SS70程度)が志望校
早慶上智レベルを受験する場合も、GMARCHレベルの受験生と同様にこの後に利用すべき単語帳はありません。
GMARCHレベルの場合と異なる点は、早慶上智レベルの入試問題では本書で語彙力を培ったとはいえ、実際の入試問題では語彙力不足に陥る可能性があることです。
英単語はその性質上、変化するもの(日本語で言う用言)と変化しないもの(日本語でいう体言)があります。
変化するものは動詞・形容詞・副詞などが挙げられ、変化しないものは名詞が該当します。
入試において変化する単語がわからない場合は致命的ですが、名詞がわからない場合は文章の中から推測することができ全ての名詞を事前に知っておく必要はありません。
ただ、変化しない英単語は種類も少なく未知なものが大量に出ることは考えられないので安心しましょう。
変化しない英単語への対応に関しては、類推する力が大切になります。
例えば、petroleumという英単語が入試問題で出てきて、その意味を知らないとしても、that is gotten from below the surface of the Earthと後ろで補足されれば、その単語の意味が石油であることがわかります。
このように不明な名詞のほとんどは文章中でわかるように書かれているので、焦らず取り組むことが大切です。
わからない名詞を全て暗記していると膨大な時間がかかりますし、受験勉強として効率的とはいえません。
本書の後に新たな単語帳を探すのではなく、不明な英単語の意味を類推する力を身につけることが大切です。