【学部紹介】薬学部の特徴とおすすめの大学

こんにちは。
学部紹介第13弾です。
今回から医療系学部の内容に入ります。
こちらの記事では、医療系学部の中でも、薬学部について紹介していきます。
昨今人気の薬学部ですが、医療系学部ということで、他の学部とは異なる性質を持っています。
なんとなく知っているという状態で進むと、進学後かなり苦労することも、、
こちらの記事を参考にして、薬学部への進学を検討してもらえると幸いです!

目次

薬学部の特徴

まずは、薬学部の特徴から学んでいきましょう。
薬学部とは、薬の知識について学ぶ学部になります。
皆さんのイメージでは、薬剤師を目指すための学部という印象があるのではないでしょうか。
もちろんその通りで、薬剤師になるために薬学部を目指す人は非常に多いですね。
しかし、全ての学科で薬剤師になれるわけではありません。

薬学部には、大きく分けると2つの学科があります。
大学によっても名称は異なりますが、薬学科と薬科学科というものに分類ができます。
薬のことを学ことができるという点は共通していますが、仕組みなどは大きく異なります。

薬学科は、皆さんのイメージするところである薬剤師を養成するための学科であり、6年制の学科になっています。
卒業要件に薬剤師の国家資格の合格が含まれるため、逆を言えば、卒業後は薬剤師の免許取得が可能になっています。

一方で薬科学科は、薬剤師の国家試験を受験する資格を得ることができません。
端的に言えば、薬剤師にはなれないということですね。
では、何を学ぶ学科になるのか?
薬科学科で学ぶ内容は、さらに4つに分類することができます。
新薬の開発や効率的な生産方法を研究する製薬学系、薬の病気に対する作用を明らかにし、薬の効果的で副作用のない使用法を研究する医療薬学系、医薬品や食品添加物の特性を調べ、人体への影響を明らかにする衛生薬学系、微生物などの生物をワクチンなどに利用するための研究を行う生物薬学系という系統があります。
薬学科とは異なり、4年間でこれらの系統を中心に学んでいくのが、薬科学科です。

一般的に薬学部となると、前者をイメージされる方が多いと思います。
しかし、なんでもいいから薬学部!!と事前に調べておかないと、取り返しのつかないことになる可能性もあるので、要注意です!

卒業後の進路

では、卒業後の進路についてです。
ここはあまり説明は不要かもしれませんが、大半は薬剤師になります。
しかし、薬局で勤務したり、病院で勤務したりで、働き方は大きく異なります。
また、薬剤師にならないケースも、当然あります。

いずれにしても、文系学部とも理工学部とも違う特殊な環境下で就職を進めていく必要があります。
ここでは、薬剤師になっていくケースと、そうでないケースに分けて説明をしていきます。

薬剤師

はじめに薬剤師になるための道のりを紹介していきます。

前述したように、薬剤師になるためには、薬学科を卒業することが必要となります。
そして、薬学科を卒業するには国家試験に合格しなければなりません。
国家試験の合格率は、毎年約70%前後になっています。

しかし、この70%という数字にはからくりがあります。
それは、薬学部に入学してストレートで全員が受験をしているわけではありません。
つまり、薬学部はかなりの留年率になるということです。
毎年30%超の人数が留年になっています。
ですので、入学者数を分母にすると、もっと合格率は下がります。
ある程度推測にはなりますが、入学者を分母にすると50%程度ではないかと言われています。

また、学校による卒業率も国家試験合格率もかなりのばらつきがあります。
国公立大学は安定して80%前後の合格率ですが、一番低い青森大学の国家試験の合格率は16.9%という状況です。
薬学部は入学するだけでなく、どこの大学に入学するのかも非常に大切になります。

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これだけの留年になる原因は、薬学共用試験にあります。
薬学共用試験とは、全国の薬学部の学生が共通して4年生の時に受験する試験のことです。
薬学部では5年生で実習に参加する必要があります。
しかし、その実習先には実際の患者さんがいて、万が一にもミスが許されません。
そのため、薬学共用試験というものを通して、実習先へ行くことに問題がないかということを確認していきます。

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薬学共用試験はCBTOSCEという2種類の試験があります。

CBT(Computer-Based Testing)は、実習に必要な知識が身についているのかを確認するための試験になります。
PC上で行う試験になっており、人によって問題内容が異なります。
しかし、体験受験や過去の正答率から、各受験生への全問題数の期待正答率の和が等しくなるようになっています。
つまり、コンピューターによって、問題の難易度が人によって変わらないようにされています。

そして、OSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験)は、実習に入るにあたり、相応しい態度や技能が身についているかを確認するための試験です。
各大学ごとに実施されますが、モニター制度という仕組みがあり、外部の試験官が入ることにより、公平性が担保されるようになっています。
こちらは、実習での態度を確認するためのものになり、実際の患者さんに対応するのに問題がないかをチェックされます。
例えば、言葉遣いなども、”お薬”は問題ありませんが、”お煙草”は使ってはいけないなどですね。(煙草は体に悪いものなので、”お”をつけてはいけない)

この2つの試験に合格ができなければ、5年生での実習に参加することができません。
ですので、半端な学生には、この試験を受験させることすら大学はさせません。
それが、薬学部の留年率が高くなる理由です。

そして、実習を終えたあとは、6年生で国家試験合格に向けて対策を進めていくわけですが、難易度は前述した通りです。
晴れて、国家試験に合格したあとは、総合病院で勤務をしたり、調剤薬局で勤務をしたりと、皆さんのイメージする薬剤師として活躍していくことになります。

薬剤師以外の進路

薬剤師以外の進路としては、当然一般企業への就職になります。
文系学部と同じような、事務職や営業職に就くことも可能ではありますが、ごく少数です。
やはり、一般企業と言っても、薬の知識を活かした職へ就くことが多いですね。
代表的なものはMRやCRAとして、製薬会社で勤務することでしょうか。

MR(Medical Representative)は、日本語では医薬情報担当者と言います。
主な業務は、病院に訪問し、自社の薬の効能などの情報を医師や薬剤師へ伝え使用をしてもらうこと。
また、使用してもらった薬の副作用などの情報を聞き出し、自社へ持ち帰り、薬の改善へつなげることです。
製薬会社の営業職的なポジションであり、半数ほどが文系学部出身者ではあります。
しかし、薬学部出身の方が、圧倒的に有利なのは容易に想像がつきますよね。

そして、CRA(Clinical Research Associate)は、日本語では臨床開発モニターと言います。
主な業務は、治験に関わる管理です。
治験とは、製薬会社が新薬を開発するにあたり、その薬の効用が確かなものか、副作用はないのかなどを確かめる大切な工程です。
CRAは、その治験を行う病院や医師を選定したり、治験が正しく行われているのかを確認します。
薬についての深い知識がなければ、できない仕事です。

どちらもなかなかハードな仕事になりますが、年収はかなり高く、薬剤師とは違う経験を積むことができるでしょう。

他にも研究職として製薬会社、食品会社、化粧品会社などで働くケースもあるようです。
どれも化学や生物の知識が必要とされる仕事です。
このように、薬学部だからといって、必ず薬剤師になるわけではありません。
自分次第で就職の選択肢を多く持つこともできるので、自分の将来は早い段階から考えるようにしておきたいですね。

薬学部が有名な大学

最後に薬学部が有名な大学を見ていきましょう。

大学に進学するにあたり参考にする数値や情報は、どの学部へ進む場合でもある程度同じようなものになります。
偏差値や入試傾向、そして立地や知名度などが主にあげられるものですね。
しかし、薬学部をはじめとする医療系学部では、それに加えて2点考慮する必要があります。

それは、学費と国家試験の合格率です。

まず、学費に関してですが、やはり医療系学部はかなり高額になります。
国公立大学の場合は、学部によって異なることはなく、年間535,800円という授業料がかかります。
したがって、授業料だけで見れば、ストレートで卒業した場合、3,214,800円で卒業できることになります。
一方で、私立大学では学校ごとに異なりますが、名門の慶應義塾大学の薬学部薬学科は、授業料だけで年間1,700,000円かかります。
となれば、6年間ストレートで合格したとしても、10,200,000円かかってしまいます。
そして、授業料だけでなく、実習のための費用や諸経費も考えると、年間でかかる費用は2,000,000円は超えることになるでしょう。
奨学金という手段もあるでしょうが、かなりの金銭的負担がかかるので、可能であれば、国公立大学を目指していきたいですね。

そして、上述しましたが、国家試験の合格率はかなりばらつきが存在しています。
せっかく入学したはいいけど、卒業できませんでした、なんてことは避けたいですよね。
また、国家試験の合格率だけでなく、どれだけの人が留年せずに進学できているのかも必ず確認しておくべき項目です。
先ほども例に出した青森大学は、59名の入学者に対し、5年生に進級できたのは17名しかいなかったようです。

他の学部を選ぶ時とは異なり、この2点は確実にチェックをした上で大学選びをしていきましょう。

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ここでは、この2点に特化した大学を何校か紹介します。

 

国公立大学

特に国家試験合格率の高い熊本大学

まずは、国公立大学です。
薬学部が設置されている国公立大学は、全部で18校あります。

[blogcard url=”https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AD%A6%E9%83%A8″]

その全てで高い水準の国家試験合格率を維持しています。
もちろん、留年をしている学生も私立大学に比べると少ない傾向になっています。
その上、万が一留年になったとしても、国公立の場合は経済的負担がそこまでありません。
私立大学のように、入学できる人数が多いわけではないですし、受験科目数も多くなるので、決して簡単に入学できるわけではありません。
しかし、それ以上に享受できるメリットの方が大きいので、薬学部に進学検討する場合は、まず国公立大学を検討することを強くおすすめします。

北里大学

次は、北里大学です。
医療分野をはじめとする、生命科学分野に特化した大学です。
もちろん国家試験の合格率は、私立大学トップクラスです。
北里大学では、薬学部以外にも多くの医療系学部が存在しています。
その学部間で、横断的に医療を学ぶことができるのが強みです。
薬剤師が単独で働くということはありません。
医師や看護師などの医療従事者とは、社会に出てから必ず一緒に働く必要があります。
あらかじめ、そのようなチーム医療を擬似体験できるのは、非常におすすめの環境です。
もちろん私立で学費は高額になりますが、その価値は十分にある大学です。

[blogcard url=”https://www.kitasato-u.ac.jp/jp/index.html”]

星薬科大学

最後は、星薬科大学です。
まず、薬科大学とは、薬学に特化した単科大学のことです。
この薬科大学が現在13校存在しています。
うち12校が私立大学となっているのでが、その中でも特に国家試験合格率を高く維持しているのが、星薬科大学です。
薬学に特化しているため、当然薬学の知識を深く学ぶことができます。
また、設備面も他の大学に負けないような、かなり充実したものになっています。
そして、国家試験にストレート合格するためのカリキュラムが組まれており、徹底した学習フォローが期待できます。
薬科大学の中でも、特におすすめができる大学になります。

[blogcard url=”https://www.hoshi.ac.jp/site/index.php”]

まとめ

いかがでしたか?
薬剤師は、かなり安定した職業で、収入もよく検討する人がかなり多い職業です。
しかし、それを叶えるために、かなりの努力が必要ということがわかっていただけましたか?
人命に関わる、社会的意義の高い仕事ですし、薬剤師になってみたい人は、こちらの記事を参考にして頑張ってみてください!
では、次回の記事で。

[blogcard url=”https://manabu.biz/nursing/”]
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