英単語ターゲット1900は大学受験向け英単語帳の中で最も有名といってもよい単語帳ですね。
学校や塾などで指定されることも多い単語帳なので、気づかぬ間に手元にあったという受験生も一部いるのではないでしょうか?
今回は英単語ターゲット1900を解剖していくことで、実際に使えるのか、違う単語帳を使うべきなのかアドバイスをしていきます。
目次
どんな教材なの?
本書をまとめると以下の特徴になります。
1.「出る順」に並んだ厳選の1900語&例文
2.中心的な意味を覚える!「一語一義」主義
3.段階的に学習できる「パート」×「セクション」
4.よく出るフレーズで覚える!「ターゲットフレーズ」
5.どこでも使える「ハンディタイプ」
特に2番の一語一義主義というのはその通りで、英単語ターゲット1900を表す非常にわかりやすい言葉と言えますね。
英単語ターゲット1900では1つの単語に対して1つの意味というスタンスをとっており、この一語一義主義によって使用者の負担を軽減することにつながっています。
また、難易度も概ね3パートに分かれており、学校の定期テストのような普段の勉強から、早慶上智を狙う受験生の勉強にも対応が可能になっています。

『英単語ターゲット1900』の最大の強み、出る順&一語一義!
上記のようにconsiderときたら、を見なすと覚えることでconsiderの暗記とするというイメージです。
効率的な使用法は?
本書の効率的な使用方法は一語一義主義を徹底するということです。
単語とはその成り立ちゆえに様々な意味を含むことが多く、一概には一語一義主義では全ての意味を汲み取ることはできません。
そうした多様な意味を学ばせるために、英単語ターゲット1900を含めた様々な単語帳では似たようなニュアンスの表現を細字で記載したり、類義語や対義語を同時に掲載していることも多いです。
しかし、英単語ターゲット1900は良い意味でシンプル、悪い意味で無機質な作りとなっているため、多様な言葉を暗記させるための仕組みが存在しません。
その他の単語帳では語源からのアプローチや、ビジュアルで表現することで周辺の語句を暗記させるように努めていますが、英単語ターゲット1900にはそれがないということですね。
日本語を扱う私たちが異言語を学ぶということは暗記量が多くなることは必然的ですが、それを工夫がない状態でゴリゴリ覚えることはあまり効率的と言えないためオススメはできません。
一周して戻ってきましたが、本書の強みである一語一義主義を徹底的に利用し、まずは英単語の基礎力を身に付けることが、本書の最も効率的な使い方と言えます。
オススメできる人は?
初めて英単語帳を使う人
英単語ターゲット1900は最初の英単語帳としての役割は大きく果たしてくれるでしょう。
英語初学者の方にとって分厚く情報量が多い単語帳は見るだけでも辛いはずです。
さらにいうと、1900語の単語でさえ覚えるのは非常に大変ですし、そこに加えて複数の意味や対義語関連語なんて出てきた日には目も当てられません。
その点、英単語ターゲット1900はシンプルという圧倒的な強みがあり、この1900語を覚えることができればある程度戦えるという点も評価ができます。
オススメできない人は?
①英語に対して大きな苦手意識がある人
英単語ターゲット1900は圧倒的シンプルさと引き換えに面白さはゼロと言っても過言ではありません。
中学時代から英語が苦手てで、英単語を見ると気持ち悪くなりますという人にとっては地獄のような単語帳です。
最近では面白さや見やすさなどを追求した参考書も書店に並んでいますので、本書を無理に使う必要はないと言えます。
②すでに1冊以上の単語帳を持っている人
これは前述でもありますが、英単語ターゲット1900は一語一義主義を特徴としており、単語の広がりを勉強するための書籍ではありません。
英単語というのは1つの単語で様々な意味を持つことが多く、単語に対する多様な見方ができることで、読解や記述の内容が深まることも多くあります。
considerとは… (ある決定・理解のために)よく考える、熟考する、考察する、検討する、よく考える、考える、(…を)みなす、(…を)考える、思う、考慮に入れる参考:weblio英和和英辞典
上記のようにconsiderとは、物事を見たりそれを考えたりすることを意味する英単語です。
これを英単語ターゲット1900ではを見なすという一語で完結させています。
もちろん他の単語帳でを見なすという意味が書かれていなかったとしたら本書を扱うことで少々語彙が増えますが、そういった単語に対する深まりを学びたいのであれば本書を使うことはあまりに非効率と言えます。
③飽き性の人
これはわかりやすいと思いますが、英単語ターゲット1900は本当にシンプルな単語帳のため、同じことを連続して行うことに抵抗がある人は避けた方が良いと思います。
英単語は根気が必要な作業ではありますが、あえて苦手なフィールドで戦う必要はないでしょう。
同じように人気の単語帳である速読英単語では、掲載されている長文などに興味を引く内容を用いることで受験生の助けとなっています。
また、キクタンなどの聴覚記憶を重視した単語帳もあり、音楽とともに暗記するなど様々な工夫が行われているため、無理に本書にこだわる必要はないと言えます。
本書の評価は?
汎用性 使い道の広さを表す指標です |
狭 ![]() |
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難易度 使用に必要な学力の高さを表す指標です |
易 ![]() |

学校の定期テストの対策から、大学受験難関クラスまで一冊で対応できる点は評価できますが、シンプルすぎるが故に工夫が見受けられない点はマイナス評価です。
利用に要求される学力はそこまで高くなく、中学レベルの英単語が理解できていれば利用することは可能となっています。
非常に著名な単語帳であることに加え、今でも多くの人が評価している単語帳である点を加味しても、本書にそれほど大きな魅力があるとは感じられません。