・津田塾大学と東京女子大学のどちらに進学すべきか悩んでいる。
・津田塾大学と東京女子大学のどちらが就職に有利かなど卒業後の進路に差があるか知りたい。
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、英語の学びにより力を入れたい人や、留学も検討している人は津田塾大学、より広い分野からリベラルアーツを学びたい人には東京女子大学をおすすめします。両大学の有名企業への就職状況は津田塾大学が東京女子大学より4%高く、津田塾の学生の多くは卒業後は総合職に進むことに対し、東京女子大学からは約80%が総合職に進み、20%が一般職に進む差があります。
津田塾大学と東京女子大学を数字で比べてみる
津田塾大学 | 項目 | 東京女子大学 |
18% | 有名企業就職率 | 14% |
67.5pt | 偏差値 | 65.4pt |
450.8pt | 立地 | 518.3pt |
5.7名 | 講師1人あたり学生数 | 8.7名 |
3159名 | 学生数 | 3763名 |
2学部 | 学部数 | 1学部 |
津田塾大学も東京女子大学もどちらも女子大御三家の内の2校であり、女子大の強みである手厚さやなどから女子大の強みが反映されたレーダーチャートとなっており、形は類似している部分がありますが、両校を比較すると、若干ではありますがほとんどの項目に置いて津田塾大学が東京女子大学を上回っていることが分かります。
その中でも東京女子大学が津田塾大学に唯一優っている点はキャンパスの立地になります。
津田塾大学のメインキャンパスは新宿からは中央線と西武線の乗り換えがあり、40分〜50分の小平市鷹の台駅に位置しており、都心からのアクセスが良いとは言えず、西武線の鷹の台駅もやや寂しい駅となっています。
一方で東京女子大学は長年に渡って住みたいまちNo.1の呼び声高い吉祥寺からもアクセスできる大学となっており、新宿から吉祥寺までは中央線一本で15分程と軍配が上がります。
但し、吉祥寺から東京女子大学のキャンパスまでは歩くには距離があるため、バス利用が必須となり、吉祥寺駅の隣の西荻窪駅からは徒歩で15分程の位置となるため、歩いて通学を検討している人は西荻窪からの通学の方が良いと言えます。
各学部の偏差値で比較する
津田塾大学 | 順位 | 東京女子大学 |
学部-偏差値 | 学部-偏差値 | |
総合政策 70pt | 1位 | 現代教養-国際英語 68pt |
学芸 65pt | 2位 | – |
上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。
両大学の偏差値を比較すると、2017年に新設された津田塾大学の総合政策学部が最も高く、次いで東京女子大学の現代教養学部、津田塾大学の学芸学部であることが分かります。
卒業後の進路で比較する
津田塾大学 | 順位 | 東京女子大学 |
企業(人数) | 企業(人数) | |
日本アイ・ビー・エム 6人 | 1位 | 星野リゾート・マネジメント 11人 |
富士通 6人 | 2位 | 東京都特別区職員 9人 |
日本電気 5人 | 3位 | 日本銀行 7人 |
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 5人 | 4位 | 三菱UFJ銀行 6人 |
日立社会情報サービス 5人 | 5位 | 国家公務員一般職 5人 |
星野リゾート 5人 | 6位 | システナ 5人 |
エヌ・ティ・ティ・データ 4人 | 7位 | ネットワンシステムズ 5人 |
日本放送協会 4人 | 8位 | ベリーベスト法律事務所 5人 |
埼玉県 4人 | 9位 | 明治安田生命保険 5人 |
アクセンチュア 3人 | 10位 | - -人 |
上記は大学ごとの就職先データを掲載しているパスナビより2022年度の最新のデータを引用したものです。
先ほどのレーダーチャートの通り、津田塾大学の有名企業の就職率は18%、東京女子大学の有名企業への就職率は14%ほどあり、主要な就職先ではどちらの大学からも遜色なく有名企業へも就職しています。
(補足になりますが、当サイトユニサプの調べだとよく女子大御三家と比較されるGMARCHからの有名企業への就職率は20%程です。)
一点注意としては、女子大からは一般職への就職もあることが挙げられ、津田塾大学では95%が総合職に進む進路に対し、東京女子大からは一般職に進む進路が約20%いるようです。
以下は、津田塾大学の公式HPから引用したものです。
将来的に会社の中心的な役割を果たす総合的な仕事の出来る総合職・専門職(記者、秘書、SE、翻訳等)に就く就職者が95%となっています。
引用:https://www.tsuda.ac.jp/student-life/career/index.html
津田塾の卒業生のほとんどは総合職に就くことから将来バリバリ仕事をこなす働き方をしたい学生が多いことが分かります。
また、以下はNIKKEIリスキリングより引用したものです。
女子大から大企業への就職というと、一般職採用のイメージが強いが、東女によると、17年3月の進路状況は就職率が99.5%。コース別では総合職と準総合職で49.5%とほぼ半数、一般職は19.8%だ。
引用:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO24755030Y7A211C1000000/
東京女子大学では約80%の卒業生が総合職に進み、約20%の卒業生が一般職に進むことから卒業後ほぼ全員が総合職に進む津田塾大学と比較すると東京女子大学の学生にはバリバリと働くよりも比較的のんびりと働きたい学生がいることが分かります。
津田塾大学と東京女子大学のおすすめの学部は?
ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。
ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。
津田塾大学のおすすめの学部
津田塾大学には学芸学部と総合政策学部の2つの学部がありますが、特に学芸学部をおすすめしたいと思います。
津田塾大学の前身である女子英学塾の創始者である津田梅子は岩倉使節団と共にアメリカに渡った日本人初の女性留学者の一人です。(当時津田梅子は6才です。)
留学後、津田梅子はリベラルアーツの重要性を説いており、その想いは建学の精神の1つともなっているため、建学時からある歴史と伝統ある学芸学部をおすすめします。
以下は、津田塾大学の公式HPに掲載されている津田梅子のメッセージになります。
英語を専門に研究して、英語の専門家になろうと骨折るにつけても、完き婦人となるに必要な他の事柄を忽せ(ゆるがせ)にしてはなりません。
引用:https://www.tsuda.ac.jp/aboutus/history/index.html
完き婦人即ちall-round women となるよう心掛けねばなりません。
英語のみならず横断的な学習の重要性を説いていることが分かります。
津田塾大学の学芸学部では、英語英文学科・国際関係学科・多文化国際協力学科・数学科・情報科学科の5つの専攻の中から自身の興味のある学科について学びを深めることができる上、人文分野、社会分野、自然分野、総合分野から横断的に学ぶことができます。
この中でも特に英語には力を入れており、学芸学部の英語のカリキュラムでは、1〜2年次は学力別のクラスでの英語の学習に加え、毎週英語の原書を読んだ上で英語のレポート作成やプレゼン、機器とアプリや津田塾独自の映像教材を用いて学習を行ったり、ネイティヴスピーカーから、直接発音指導と受けることができます。
東京女子大学のおすすめの学部
先述の通り、東京女子大学には現代教養学部の1学部しかないため、当然、おすすめ学部は現代教養学部となります。
東京女子大学の現代教養学部は、文理を含め国際英語学科(国際英語専攻)・人文学科(哲学専攻・日本文学専攻・歴史文化専攻)・国際日本学科(国際関係専攻・経済学専攻・社会学専攻・コミュニティ構想専攻)・心理コミュニケーション学科(心理学専攻・コミュニケーション専攻)・数理科学科(数学専攻・情報理学専攻)の5学科12専攻に分岐しており、初年次から専攻に所属した上で、副専攻として所属学科の専門分野以外の自身の興味のある学問の学びにも取り組むことができます。
また、全学共通のカリキュラムとして、リベラルスタディーズ(総合教養科目+キリスト教学科目)とアカデミックスキル科目(外国語科目+情報処理科目)からとなっており、こちらも幅広い学びの中から選択することができます。
津田塾大学と東京女子大学がおすすめな人は?
津田塾大学がおすすめな人
先述の通り、津田塾大学はリベラルアーツの学びを根幹に置きながらも、より英語の学びに力を入れている大学です。
英語の学びの手厚さや重厚さについては先ほど記述しましたが、併せて津田塾大学の学生は他の大学の学生と比較しても留学する割合が高く、日本人の留学比率が高い大学ランキング(THE日本大学ランキング)では、全国の大学で40位となっています。
順位 | 大学名 | % |
---|---|---|
1 | 名古屋外国語大学 | 24.4% |
2 | 東京外国語大学 | 20.3% |
3 | 関西国際大学 | 19.8% |
・ ・ ・ | ||
40 | 津田塾大学 | 7.0% |
津田塾大学から留学する人へのサポートや周囲にも留学の経験者や希望者が多い環境にあると言えるため、モチベーションの向上や相談事もできる点を踏まえ、英語の学びを深めたい人や留学を検討している人には津田塾大学がおすすめです。
また、先述の通り津田塾の卒業生のほとんどは総合職へ就職することから、将来は総合職に就いてバリバリ働いてキャリアウーマンを目指したい人には津田塾大学がおすすめです。
津田塾大学がおすすめではない人
先ほど、津田塾大学は非常に英語の学びに力を入れていることを記載しました。
世の中で英語の重要性が高いことは事実ですが、英語が苦手な人や大学で英語の学習は必要最低限に留めたい人にとっては津田塾での学生生活は大変なものになることが容易に予測できるため、おすすめできません。
また、先述の通り、津田塾の卒業生のほとんどが卒業後に総合職に就くため、一般職への就職を考えている人は就職活動時に共感される環境や友人が少なく困る可能性があります。
最後に津田塾大学のメインキャンパスは小平市のため都心からは少し離れた郊外にあり、地味な印象です。
そのため、都心のど真ん中でキラキラしたキャンパスライフを送りたい人にはイメージと異なるため、そうしたキャンパスライフを送りたい人に津田塾大学はあまりおすすめできません。
東京女子大学がおすすめな人
東京女子大学の学びの特徴は何といってもリベラルアーツの学びの幅が広いことです。
先述の通り、東京女子大学では5学科12専攻の中から専攻を選択し、副専攻として所属学科の専門以外の学問についても学べめる上、学びの選択肢が非常に多いため、特に多くの学問に触れたり学びたい人に東京女子大学はおすすめです。
また、東京女子大学のキャンパスは中央線の吉祥寺と西荻窪の間に位置しており、新宿からも中央線1本で15分と非常に便利な場所に位置しているため、比較的に都心に近い便利なキャンパスライフを送りたい人には東京女子大学はおすすめです。
東京女子大学がおすすめではない人
先ほどの記載の通り、津田塾大学卒の就職希望者がほとんど総合職に進む一方で、東京女子大卒の就職希望者からは約20%が一般職に進む結果でした。
就職活動は情報戦のため、将来総合職に進みたい東京女子大の学生は津田塾大学の学生よりも不利になる可能性もあります。
総合職と一般職のどちらに進んだ方がいいかは、人それぞれのキャリアプランや、人生設計があるため、必ずしも総合職に進んだ方がいいとは言えませんが、社会に出てバリバリ働いて出世を目指す総合職に進みたい人は同じ女子大御三家の両校でも津田塾大学に多いため、そうした人は東京女子大学はあまりおすすめできません。