早稲田大学と慶應義塾大学は国内でも人気を二分する超人気私立大学ですが、その二校の優劣は昔から議論されています。
受験生にとっても早稲田大学と慶應義塾大学の差は曖昧で、どちらの大学が良いかの物差しは難しく、測り難くなっていますね。
どちらの大学も非常に優れた環境を持つ大学であることは間違いありませんが、実際のところ二校のうちどちらに進学するべきなのか悩む受験生も非常に多いと思いますので、今回の記事では二校の特徴を掘り下げることで受験生にとって少しでも価値がある内容を提供できたらと思っています。
二校の人気、学部ごとの差異、入学の難易度、就職活動における差などを比べてみることで、二校の差を浮き彫りにしていきましょう!
早稲田大学と慶應義塾大学とは?
早稲田大学とは東京都新宿区早稲田に本拠を構える私立大学です。
1882年に大隈重信によって設立された東京専門学校を前身とする学校であり、古くから政治や法学等の実学に力を入れてきた大学でもあります。
学生の気質はバンカラと呼ばれ、どちらかと言うとダサい学生が多いとされていますが、近年の早稲田大学はバンカラ気質もほとんどなく大学生らしい(?)様子が見受けられます。
奨学金の多さが日本で一番多いことや、学生寮の整備が国内で最も進んでいること等が苦学生に対する大学側の配慮も感じられ、ライバルである慶應義塾に比べ平均的な所得層が多い印象があります。
慶應義塾大とは東京都港区三田に本拠を構える私立大学です。
1858年に福沢諭吉によって設立された私学を前身に持つ日本でも非常に古い歴史を持つ学校であり、経済学や法学に非常に力を入れている学校として、日本の財界に多くの人材を輩出しています。
学生の雰囲気としてはオンとオフがしっかりしている学生が多く、学生としての生活と、就活生としての生活を切り分けている学生が多く存在しています。
資格に対する熱や就職活動に対する熱はその他多くの大学に比べ圧倒的に高く、将来を見据えしっかり学生生活を送る大学生の集団です。
早慶の人気はどちらが高い?
人気の尺度は難しいですが、受験生の多さという点で考えると早稲田と慶應では圧倒的に早稲田大学が多くなります。
これに関しては一般受験生に与えられている合格枠の多さも関係しているので、受験生が多いからといって一概に人気のある大学とは言えませんが、1つの指標となります。
早稲田大学の学生が約5万人、慶應義塾大学の学生が約3万人と考えると、早稲田大学の方が一般受験生に多く門戸が開かれている大学と言え、慶應義塾大学は内部進学の割合が多い大学といえます。
引用:日経EXTREND
また、早慶両校のブランド力に関しては両校とも非常に高いブランド力を持っています。
この点に関しては両校ともほぼ差がないと考えてよく、どちらの大学も関東だけではなく、全国的にも非常に高い知名度を持っている大学です。
GMARCHや関関同立に関しては関東圏や関西圏では著名な大学群として名を馳せていますが、地方に行けば行くほど知名度は低くなり、名は知られていても大学の実態を知る受験生はほとんどいなくなります。
「GMARCH?ああ、関東の私立大学ですよね?」のような印象が多いかと思います。
その点で早慶は勉学はもちろんながらスポーツや政財界に多くの卒業生を輩出しているため、全国でも名を知らない人が少ない大学と言えます。
こういった知名度はブランド力調査にも現れており、早慶に関しては東京大学に次ぐブランドを持っている大学です。
首都圏大学ブランド総合力ランキング
関西圏大学ブランド総合力ランキング
引用:日経BPコンサルティング
だが一方で、ブランド価値が高いからといって大学生の評価自体が高まるわけではないことに注意しよう。
大学ブランドとは、各大学の学生に対するイメージはもちろんであるが、大学に対する一般的なイメージや、その大学の教育機関としての価値なども勘案された上で算出されるスコアのため、ブランド価値が高い大学に属しているからといって自身の価値であると勘違いしてしまうと痛い目を見るので注意が必要だ。
ただ、世間的に評価を受けやすい大学に属すること自体にはデメリットは少ないため、早慶両校はその点においてほとんど差はないと言える。
早慶の学部ごとの差は?難易度に差はある?
ともに私大の最難関大学として知られる早稲田と慶應ですが、両校の入学難易度はいかかでしょうか?
両校には多くの学部があり、学部の学びに類似性がある学部のみを抜粋し、偏差値の比較を行ってみました。
以下の情報は2021年度の河合塾での模試偏差値を利用しており、入試方式様々あるので、その中でも最も偏差値が高い入試方式の難易度で比較しております。
このように見ると早稲田大学のほうが若干優勢に見えますが、これに関しては入試年度ごとにある程度上下するため、ほぼ差がないというのが回答になります。
どちらの大学もほぼ同程度の入学難易度となっており、非常に狭い門戸となっています。
ちなみに偏差値65は同学年のうち上位約6%、偏差値70は同学年のうち上位約2%の学力ということになります。
文系と理系の偏差値を同一に語ることは母集団の関係で本来変なことですが、わかりやすさのために一旦このように説明します、ご承知おきください。
もし両大学を目指すのであれば、学年1位になるような勢いと根気で勉強し続けることが大切になりますね。
早慶の就職活動に差は?内定はどちらが取りやすい?
ここまで早慶両校の比較は引き分けに終わっていますが、就職活動においては早慶の間に差があると考えて良いでしょう。
結論から申し上げると、慶應義塾大学が早稲田大学の学生に対して優位な状況がここ数年続いているという状況です。
早稲田大学の上場企業就職率が34.7%に対し、慶應義塾大学が公表値のみで40%となっており、こと就職活動においては慶應義塾大学の方が有利な状況が続いております。
また、慶應義塾大学では内定者3名以上の企業のみ大学HPで公表しているため、実際にはより多くの上場企業に学生を輩出していると考えて良いでしょう。
また、就職活動とは少し外れますが、資格取得熱等も慶應義塾大学に大きく水を開けられているという状況が続いている早稲田大学です。
早稲田大学には医学部が存在しないため、医師に関する比較はできませんが、公認会計士、弁護士、そして国家公務員の輩出者数を比較すると差は歴然です。
政治学に分がある早稲田大学が国家公務員の輩出者数でかろうじて慶應義塾大学に優っていますが、公認会計士・弁護士においては大きく差をつけられていますね。
学生数で勝る早稲田大学が慶應義塾大学に比べ有利な状況であるにもかかわらず、慶應義塾大学にダブルスコア近い差をつけられているのは、単に慶應義塾大学の学生が非常に熱心に資格に向けた勉強を行なっていることにほかなりません。
入学時の学力帯は大きく変わらないので、こういった資格の取得数に差が出ることは学生の雰囲気を物語っていると考えて良いでしょう。
しかしながら当然ですが、早稲田大学に入ったら資格が取れないといったことや、慶應義塾大学に入ったら資格が取れるといった話ではないので、受験生は入学後も気を引きしめて勉学に取り組む必要がありますね。
大学入学はあくまでスタートなので入学後からの勉強がとても大切になりますね。
結論、どちらがおすすめなの?
ここまで、全国でも非常に知名度が高く、ブランド力の高い早慶二校を比較してきましたが、いかがでしたでしょうか。
両校とも最難関私立に恥じぬスコアを出しているとは思いますが、入学後に少しずつ差が開いている様子も見受けられました。
早稲田大学の醸すバンカラ気質で自由な校風が大学後の進路を真剣に考える風土をある程度曇らせてしまう可能性もあり、勤勉で熱心な慶應義塾大学の学生に就職活動の面や資格取得の面で差を付けられている印象ですね。
しかし一方で個で強い早稲田、集で強い慶應のようにそれぞれの大学に強みを持っている両校でもあります。
入学の難易度はさほど変わらない両校ですが、自分自身の性格等を考慮しながら大学選びが必要になりますね。
当然のことながら、どちらの大学も入学者を後悔させないほどの学びの多様性やキャパシティを持っている大学なので、より満足度を向上させるため深い吟味が必要ということですね。
受験生にとって後悔がないような志望校選びができることを祈り、この記事の結びとさせていただきます。
みなさん応援しております!