・やっておきたい英語長文300のレベルは?
・難しいと聞いたけどどのタイミングで使えばいい?
・効率的な使い方が知りたい。
この記事は上のような悩みを持った人に向けて書かれています。
結論としては、『やっておきたい英語長文300』は英語長文をこれから学習する受験生には少々難しく、1冊目に使う教材としてはおすすめ出来ません。基本的な英単語、英文法を学習した上で本書に取り組むことでスムーズに利用出来ます。問題を解くだけで無く、本文中の構文等も解釈した上で不明瞭な点を無くすことが効率的な使い方になります。
やっておきたい英語長文300の難易度と目標大学
やっておきたい英語長文300はどのような教材なのか?
・問題形式が多岐に渡っており、選択式から記述式まで対策が出来る。
・解説が比較的淡白であり、英語を苦手とする受験生には不向き。
・音源等がないため復習がし辛い。
『やっておきたい英語長文300』は非常に著名な問題集であるため、受験生の多くに愛され使用されているといって良いでしょう。
有名予備校である河合塾が出版している英語長文問題集であり、英語長文の内容に関しても非常に興味深い内容が多く出題され、全ての問題が入試問題からの抜粋で出来ています。
入試問題を利用して作問されているため難易度もある程度高く、解説に関しても非常に簡素であるため、初めて英語長文を学ぶ人はターゲットにされていない印象です。
また、問題形式が多岐に渡っているので、選択型を中心とする私立大学にも、記述型を中心とする国公立大学にも本書1冊で様々な形式を対策することが可能です。
しかし一方で、多くの受験生にとって私立国立の両方を対策が必要という訳では無く、また必要であったとしても片方でもおろそかになってしまう場合が多発するのが受験勉強のあるあると言える中で、本書をさらさらと利用出来る受験生は少ないと考えます。
また、『やっておきたい英語長文300語』は500語、700語、1000語と文章量別のシリーズ化がなされている点は非常に評価出来つつも、最も難易度が低いとされる本書であってもある程度の難易度があり、大学入学共通テストレベルの英語長文を解くことが出来る受験生でないと消化不良に陥る可能性があります。
冒頭でも書きましたが、『やっておきたい英語長文300』は決して初心者向けの教材では無く、高校英語の基本的な英単語や英文法が理解出来ている状態でないと手を出すべきではありません。
余談ではありますが、1000語を扱う最難関の1冊に関しては非常に難易度が高いことで有名であり、多くの大学受験生にとってオーバーワークとなることが予想され、『やっておきたい英語長文1000』の利用を要求する大学はほぼ皆無と言って良いでしょう。
大学受験は英語1科目勝負では無く、全ての科目で合格点を獲得する総合力勝負になるため余程余裕がある受験生でもなければ1000語まで扱うことはまずないでしょう。
やっておきたい英語長文300の効率的な使用法とは?
・掲載されている問題を自分の力で解く。
・読み終えた英語長文を品詞分解して不明瞭な箇所を無くす。
・文法上の不明瞭な箇所が解消したら、指示語と接続語の関係を把握し、文全体を構造的に理解する。
・理解出来た長文を声に出して読み、スラスラと前から読解出来る状態を目指す。
受験勉強において大切なことは教材を最大限効率よく利用することですが、やっておきたい英語長文シリーズは英語が苦手な人にとっては利用し辛く構成されている書籍になります。
その理由としては掲載されている長文に対する解説はシンプルで分かりやすくなっていますが、問題量に対して解説が少ないため、一文ごとの解説等はほぼされていない特徴を持つためです。
英語長文問題集の効率的な使用法は掲載されている長文を読んだ上で付属されている問題集を解くことですが、それに加えて長文読解を行なった後の復習を徹底して行うことも大切です。
多くの受験生は問題集を1度解いた後に解説を読み満足していることが多いですが、英語長文の学習をする上で解説を読み込むことだけでは十分とは言えません。
長文を読む中で不明瞭であった部分に関して品詞分解を行なった上で、1文1文ごとに理解出来ない部分を無くしていく必要があります。
この品詞分解に関しては文法上説明出来ない箇所が無くなるまで徹底して行うことが大切です。
1文ごとの文法上の理解が済んだ後に、文ごとの繋がりを理解する必要があります。
指示語である it , that , this が示す内容を正確に理解し、言い換えが出来るようにすることで文中の省略関係を正確に把握しましょう。
また、and , but などの接続詞や firstly , secondly , finally などの構造関係を把握することで文章を立体的に理解することも大切になります。
指示語や接続語の理解を全ての文で行い、文章の隅から隅まで不明な点が無くなった状態にし、自分自身が英語の先生のように他人に長文の内容を解説出来るまで読み込むことで完成と言えるでしょう。
入試問題は数多の長文から出題されるため同じ文章を繰り返し読んだところで意味がないと言われがちですが、長文を構成する文法事項は高校で学ぶ内容が殆どであるため、難解とされる長文を繰り返し読むことで重要な文法事項を定着させることが可能となり、他の文章にも生かすことが出来ます。
やっておきたい英語長文300のおすすめできる人は?
本書の特徴は様々な出題形式の問題が混在していることですが、特に多いのは記述問題の出題です。
「指示語の内容を〇〇字以内で書きなさい」、「〇〇の意味を説明しなさい」、のような出題形式の大学を志望する受験生にとっては、避けて通れない問題を対策する上で本シリーズはとても優れています。
記述問題に関しては対策をするための書籍が少ないこともあり、そういった対策が必要な場合は本書を利用しましょう。
ちなみに、こういった問題は国公立大学に多いですが、早稲田大学や慶應義塾大学をはじめとする難関私立大学であっても出題の数は多くありません。
むしろ私立大学を受験する場合は、内容一致問題や空所補充問題のような形式に慣れておく必要があります。
やっておきたい英語長文300のおすすめできない人は?
前述の通り、本シリーズは難易度が高い上に解説は丁寧とは言えない問題集です。
文章の構造を正しく理解した上で回答出来ることが英語長文問題集を使う上でのゴールと考えると、解説が少ない本書はゴールまで自分でたどり着く一定程度の学力が要求されます。
文章を読解する上でのポイントはある程度は書かれているものの、SVOCや品詞などを細かく掘り下げてはいません。
曖昧に読んで曖昧に進むことは英語を勉強する上で意味がある行為とは言えないため、英語を苦手とする受験生や文法が曖昧な受験生は本シリーズに手を出すべきではないでしょう。
従来は英語の参考書の数も少なく、高いクオリティの問題集を探すことが困難であったため、英語が苦手な受験生であっても本書を利用せざるを得ない環境がありましたが、非常に多くの問題集が出版されている現在では無理して本書を扱う必要はありません。
やっておきたい英語長文300の後に進むべき教材を志望校別に紹介
『やっておきたい英語長文300』はそもそも私立大学の入試問題の傾向とは異なる1冊のため、私立大学専願の受験生はその他の英語長文問題集を優先的に利用しましょう。
また、どうしても利用したい場合であっても、大東亜帝国レベルの受験生にとってはオーバーワークになる教材であるため、本書の利用は避けましょう。
日東駒専レベル(SS55程度)が志望校
日東駒専レベルの大学を受験する場合は、『やっておきたい英語長文300』を利用出来ればこの後に新たな英語長文問題集は必要ありません。
前述の本書の効率的な使い方を熟読し、ただ解いただけで終わらせること無く、最大限利用することが本書の完成の目安になりますので、くれぐれも解いただけにならないように気をつけましょう。
本書の後は志望校の過去問題を研究し、出題傾向に沿った学習を進めるようにしましょう。
成成明國獨武レベル(SS60程度)が志望校
成成明國獨武レベルを受験する場合であっても、基本的には『やっておきたい英語長文300』を使い込むことが出来れば問題ありません。
ただ、出題される英語長文が多少難しくなりますので、英語に自信があり余裕がある場合のみ本書の上位シリーズである『やっておきたい英語長文500』を利用しましょう。
より高難易度の内容に取り組みたい場合はGMARCHレベルの項目を確認してください。
成成明國獨武レベルの入試で注意点として、入試の難易度は比較的高いのに反して、語彙や文法を問う内容も非常に多くなるため、英語長文の力量アップだけで無く全体的な学習を怠らないようにしましょう。
GMARCHレベル(SS65程度)が志望校
GMARCHレベルを志望する場合はより難易度の高い『やっておきたい英語長文500』に取り組みことを推奨します。
『やっておきたい英語長文500』は本書より語数の多い英語長文を用いた問題集となっており、語数だけで無く読解や問題の難易度も上がっているため更なる英語力のアップを期待出来ます。
基本的には私立大学専願である場合はやっておきたい英語長文シリーズの利用をあまりおすすめしませんが、『やっておきたい英語長文300』を利用してみて肌に合うと感じた場合は、他の英語長文の教材よりも優先的に同シリーズの教材を利用するようにしましょう。
同じ著者が書いている教材であれば教材としてのレイアウトも似通ったものになることや、解説のテイストも同じになるため違和感無く利用出来ます。
早慶上智レベル(SS70程度)が志望校
早慶上智レベルを志望する場合は受験する大学や学部によっても英語の問題傾向が大きく異なるため、本書の後の教材選びが難しくなります。
一口に早慶上智と言っても、早稲田大学は学部によって英語の難易度が大きいという傾向を持ち、慶應義塾大学や上智大学では全体的に英語の問題が難しくなりますが、上智大学では文法の問題も数多く出題されるため、一概に語数の多い英語長文を訓練すれば良いという訳ではありません。
早稲田大学では政治経済学部や国際教養学部など難易度が高い英語長文を出題する学部はありますが、問題の傾向が私立特有の選択式が多いため、本書のように記述を多く解かせるような問題集は不向きと言えます。
一方、早稲田大学法学部や慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部のような1000語を超えるような英語長文を出題する入試傾向に対しては、本書の最上位シリーズである『やっておきたい英語長文1000』等の利用を検討しましょう。
早稲田大学社会科学部や上智大学などでは文法問題の難関ジャンルである正誤問題が出題されることが定型化していますので、『スーパー講義英文法・語法正誤問題』を利用して正誤問題に慣れましょう。
ここでは早慶上智の入試傾向の一部を紹介しましたが、これらの特異な入試傾向に関してはユニサプ調べの早慶上智の入試の傾向に詳細を掲載していますので、ぜひ確認してください。