・青山学院大学と明治大学はどっちが上?
・偏差値や就職などで比べた時にどっちに進学した方が良い?
・大学の雰囲気が結構違うって聞いたけどどちらがおすすめ?
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、青山学院大学と明治大学はほぼ同程度の評価の大学ですが、学生数や講師数を除き各項目でわずかに青山学院大学の方がリードしています。青山学院大学はオシャレな雰囲気を感じたい人、明治大学はワイワイガヤガヤしたい人におすすめの大学です。
青山学院大学と明治大学を数字で比べてみる
青山学院大学 | 項目 | 明治大学 |
30.1% | 上場企業就職率 | 28.9% |
60pt | 偏差値 | 59.5pt |
4,328pt | 立地 | 3,996pt |
568名 | 講師数 | 1,005名 |
18,077名 | 学生数 | 30,526名 |
11学部 | 学部数 | 10学部 |
まず概観ですが、青山学院大学と明治大学のレーダーチャートは非常に似通った形となっており、どちらも非常にレベルの高い大学と言えるでしょう。
どちらの大学も全国的に知名度が高い大学であり、良い評判が絶えない大学ですが、大きな違いとして学生数とそれに伴う指導する講師の数があります。
青山学院大学が学生数18,077名在籍しているのに対し、明治大学では30,526名の学生が在籍しており、その差は2倍近くとなっています。
学生数が多いということはそれだけ多くの出会いがあるという良い面もありますが、雑多な中で埋もれてしまうという悪い面も存在します。
反対に、学生数が少ないということはより密な コミュニケーションを取ることができる反面、多様性が失われてしまうという側面もあり、両者は一長一短といったところでしょう。
自身が思い描く学生生活がどちらのタイプの大学にあるかを考えつつ、進路を選ぶと良いでしょう。
各学部の偏差値で比較する
青山学院大学 | 学部系統 | 明治大学 |
学部(偏差値) | 学部(偏差値) | |
法 (75) | 法律政治 | 法 (77) |
政治経済 (75) | ||
経営 (75) | 経済経営 | 商 (76) |
経済 (73) | 経営 (76) | |
社会情報 (70) | 社会 | – |
総合文化政策 (76) | 文化 | 文 (74) |
文 (75) | ||
国際政治経済 (76) | 国際 | 国際日本 (77) |
教育人間科 (75) | 教育 | – |
理工 (67) | 理工 | 理工 (70) |
農 (70) | ||
総合数理 (69) | ||
地球社会共生 (71) | その他 | 情報コミュニケーション (75) |
コミュニティ人間科 (67) |
上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。
先ほど冒頭で紹介した通り、青山学院大学と明治大学の偏差値にはそこまで大きな差はありませんが、それぞれが得意とする範囲において互いを凌駕しているといっていいでしょう。
青山学院大学は人文科学エリア(薄い赤)の活躍が目立ち、明治大学は社会科学エリア(薄い青)の活躍が目立っています。
青山学院大学は従来より伝統であった文学部に加え、国際政治経済学部も近年人気を伸ばしています。
対して明治大学は法律、政治経済、商・経営のような実学系の学部が非常に強く、後述しますがこれに付随した資格熱等も非常に高くなっています。
偏差値に関しては両大学とも非常に高レベルとなっているため、志望する学問分野に応じた選択ができると良いでしょう。
上場企業への就職力で比較する
青山学院大学 | 順位 | 明治大学 |
企業(人数) | 企業(人数) | |
教員 (87) | 1 | 教員 (95) |
日本航空 (39) | 2 | 東京都特別区 (85) |
全日本空輸 (35) | 3 | 国家公務員一般職 (68) |
三菱UFJ銀行 (28) | 4 | 日本郵政グループ (39) |
楽天 (23) | 5 | みずほフィナンシャルグループ (37) |
野村証券 (22) | 6 | 富士通 (31) |
あいおいニッセイ同和損保 (20) | 7 | 大和証券グループ本社 (30) |
三井住友海上火災保険 (19) | 8 | りそなグループホールディングス (30) |
三井住友銀行 (19) | 9 | 日本電気(NEC) (29) |
東京都特別区 (18) | 10 | 東京都庁 (28) |
次は就職力に関した比較をしていきましょう。
上記表は2020年度の両校の就職結果を比較したものとなります。
青山学院大学と明治大学の就職状況は非常に好調であると言え、どちらの大学に進学しても希望の就職先へのチャンスが開けるといっても良いでしょう。
両校とも最も多くの卒業生が選んだ進路としては教員が挙げられ、どちらも100名に迫る勢いとなっています。
青山学院大学では日本航空と全日本空輸が2位と3位、楽天が5位を占め、語学力を生かすようなグローバルな企業への就職人気も伺うことができます。
明治大学では東京都特別区が2位、国家公務員一般職が3位、東京都庁が10位と明治大学に強みのある範囲である法律や行政に関する就職先が非常に人気であると言えるでしょう。
その他の企業は金融業やメーカー等の一般的に人気な就職先がランクインしていますが、気になるのはその人数です。
学生数の多さは当然のことながら卒業生の人数にもつながってきます。
大学を卒業し学生では無くなったとはいえ、母校愛が強いOBOG達にとっては同窓生というだけで一種の親近感を持ってくれる場合も多々あります。
こういった側面で考えると就職後の有利さは明治大学に軍配が上がります。
青山学院大学と明治大学のおすすめの学部は?
ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。
ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。
青山学院大学のおすすめの学部
文学部英米文学科は英語の青山と呼ばれるほど人気であり、看板学部であると言える名門学部です。
今までの高校の指導では読む書くに重点が置かれた指導を受けていることが、多く大学の入試においてもいまだに4技能といえど読み書きの能力が強く要求されているのが現状です。
文学部英米文学科では徹底した少人数教育により英語4技能の向上を目指し、英語のスペシャリストを養成しています。
また、近年人気の国際系学部では英語を話すことを教育の中心においていますが、文学部英米文学科では文学部らしく語学を取り巻く歴史や文化までを教育内容に取り込み、ただ話すだけでなく深みのある英語を身につけることを大切にしています。
文学部英米文学科に加えて、近年青山学院大学の新たな看板学部と呼ばれているのが国際政治経済学部です。
文学部英米文学科では歴史や文化を理解した深みのある英語力を目指していますが、国際政治経済学部では英語力×専門性という切り口で学びを提供しています。
グローバル化が激しい現代社会において、政治と経済という専門性を英語を通して学ぶことで国際的に活躍できる人材育成に特化していることが特徴です。
比較的多くの学生を抱える大学にとっては珍しく1年次よりゼミナール教育という少人数教育を行うことで、学生と教員の距離を近くすることにも努めています。
また、4年間を通じて70科目以上の英語のみで受ける授業を展開することで、日本にいながらも英語のシャワーを浴びる機会を多く持てる学部でもあります。
明治大学のおすすめの学部
商学部は日本の私立大学の中で最古の歴史を持つ伝統ある学部になります。
商学部一学科制という大きなポリシーを持っており、3年次から自身の専攻する内容を本格的に決めるまで1・2年次ではさまざまな商学に関する内容を幅広く学ぶことができることが特徴です。
他学の商学系学部では入学の段階で専攻を選ぶ必要がある場合が多く、大学に入学し学び始めてからこんなはずではなかったという掛け違いが起きてしまうこともありますが、明治大学ではこういったミスマッチを減らすことができます。
また、商学部は公認会計士を目指して勉学に励む学生も非常に多く、公認会計士の大学別合格者数では中央大学や東京大学を押さえて堂々の3位となっています。
順位 | 大学名 | 人数 |
---|---|---|
1 | 慶應義塾大学 | 178 |
2 | 早稲田大学 | 126 |
3 | 明治大学 | 72 |
4 | 中央大学 | 65 |
5 | 東京大学 | 58 |
6 | 立命館大学 | 49 |
7 | 京都大学 | 41 |
8 | 神戸大学 | 38 |
9 | 大阪大学 | 36 |
10 | 一橋大学 | 35 |
また、明治大学には商学部と経営学部があるためどちらを選ぶべきか悩む受験生もいるかと思いますが、明治大学では経営学部の紹介の中で以下のように説明しています。
商学は、総合市場科学とも呼ばれ、商品流通や商行為など市場に関わる事柄を対象としています。これに対して経営学は、組織や事業などの経営に関わる事柄を対象としています。すなわち、経営学は、私企業・公企業・政府・地方自治体・非営利団体などさまざまな組織体とその事業に関わる構想・計画・実行・管理・運営などといった活動を対象として、それらに関する経営を取り扱います。
明治大学経営学部
上の引用を分かりやすくすると、商学部は市場に関わる内容を扱い、経営学部は主体を問わない団体の経営に関わる内容を学ぶということになります。
しかしながら、商学部で3年次から始まる専攻コースではマネジメント(経営)コースが存在するため、商学部では経営学部で学ぶ内容に関しても包括して学ぶことが可能となっています。
このことから、明治大学の商学部と経営学部で悩んでいる場合は、経営のみを学びたいという特異な場合を除いて商学部を選ぶ方が良いと言えます。
また、明治大学は私立大学でも非常に珍しい農学部を持っていることも特徴です。
明治大学や青山学院大学が属するGMARCHは基本的に文系の大学が多く、理工系の学部は充実していないことが負の側面として挙げられます。
農学部は神奈川県川崎市に黒川農場という大学独自の農場を持っており、先進的な農法と環境保全を両立した研究を行うことが可能となっています。
また農学部というと非常に広大な敷地を必要とする学部のため、都心のキャンパスとのアクセスが悪いことが多く、就職活動の際に非常に厳しいデメリットとなることも多々ありますが、明治大学の農学部は生田キャンパスにも近いため、そういったデメリットも打ち消されています。
GMRACHレベルで農学や環境について学習したいのであれば明治大学一択といっても良いでしょう。
青山学院大学と明治大学がおすすめな人は?
青山学院大学がおすすめな人
青山学院大学はGMARCHの中でも随一のスマートな印象を持たれる大学です。
俗っぽい言い方になりますが、青山学院大学の学生と聞くとオシャレというイメージを持たれることも多いです。
こういった外部からの印象はそうありたいという努力につながることも多く、青山学院大学の学生はキラキラしていることも多いです。
また、ここまで説明してきましたが、文学部英米文学科や国際政治経済学部などの英語に特化した学びを提供することも青山学院大学の特徴と言え、語学を身につけたいのであれば明治大学よりも圧倒的に優れた環境と言えるでしょう。
青山学院大学がおすすめではない人
青山学院大学は人文科学に強みを持つ大学であり、その中でも特に英語教育に力を入れていることはここまで説明してきました。
一方で、後述する明治大学に比べ社会科学や実学系の学問は一歩劣っている実情があります。
公認会計士などの国家資格や、公務員等の法学系の試験もランク外となっており、手に職をつけたい学生にとっては比較不利と考えて良いでしょう。
また、学生数が2倍程度の開きがあるため、卒業後OBOGの協力を考えている学生にとっては明治大学に比べ青山学院大学が不利であると言えます。
明治大学がおすすめな人
明治大学は体育会系の大学のイメージも強く、非常にエネルギッシュでパワフルな大学になります。
大学に在籍している学生全てがそういった性質を持つ訳では勿論ありませんが、学生達も元気な明治を矜持としており大学全体が元気な雰囲気を持っています。
また、青山学院大学に比べて多くの学生を抱える明治大学では幅広い交友関係を持つ可能性を広げることができます。
慶應義塾大学、早稲田大学に次ぐ公認会計士合格者数を輩出するマンモス大学として資格熱の高い意欲的な学生も多く、それをサポートする周囲からの支援も期待できます。
やはり難関資格に臨む仲間が多いことは非常に心強い環境と言えるでしょう。
また、就職先の一覧からも分かる法学部の活躍も目立ち、社会科学や実学を学ぶのであれば青山学院大学よりも明治大学に軍配が上がります。
また、GMARCHレベルで唯一の農学部を持っていることも特徴と言え、東京に至近でありGMARCHのネームバリューを享受しながら農学を学びたい人にとって魅力的な大学と言えます。
明治大学は学部間の単位互換制度を持っているため、物理的には大変ではありますが、農学部にありながら文系の学問を学ぶことができるため、他の多くの農学系大学にはない学びの幅を期待することもできます。
明治大学がおすすめではない人
明治大学は社会科学や実学に力を入れている反面、青山学院大学に比べると人文科学に属する学問を少々見劣りします。
特に青山学院大学のように英米文学等に力を入れてきたという過去も薄くなるため、得られる学びや知見も少なくなる可能性もあります。
国際日本学部のように英語力特化に力を入れた学部もあるため一概には言えませんが、英語を語学という側面だけでなくその歴史背景まで学びたいと考える場合は、明治大学を積極的に選ぶ理由は見つかりません。
社会科学や実学を学ぶのであれば明治大学、人文科学を学ぶのであれば青山学院大学を選ぶのが賢明でしょう。