・獨協大学の難易度、入試傾向、就職先などの情報が知りたい。
・獨協大学でおすすめの学部はどこ?
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、獨協大学は全ての学部で偏差値60ptを超える難関私立大学です。入試傾向としては奇問難問が出題されることは少なく、標準的な学力があれば十分対応可能な問題となっています。就職先としては公務員やツーリズム業界などが人気ですが、大学全体の傾向としては現れていません。おすすめの学部は獨協大学の看板である外国語学部であり、ドイツ語学や英語学では国内でも高い人気を誇る人気学部です。
有名企業就職率 | |
---|---|
4% | |
大学偏差値 | |
63.8pt | |
立地力 | |
493.9pt | |
講師1人あたり学生数 | |
13.0名 | |
学生数 | |
8147名 | |
学部数 | |
4個 |
実際に獨協大学に行ってみた!
獨協大学は埼玉県草加市に所在しており、東武スカイツリーラインの獨協大学前駅(旧草加松原駅)から徒歩5分程度の距離にあります。
獨協大学前駅は上野から28分、東京から35分、新宿から40分程度の距離となっており、東京都心からは若干離れた位置にあるため、関東圏外から都心の大学に憧れて上京する場合はイメージと実態が異なる場合があるため注意が必要です。
実際に獨協大学に足を運んでみたところ、獨協大学近辺には目立った商業施設等も少なく、基本的には大学の中で完結する学生生活を行うことになります。
獨協大学の周囲と最寄駅である獨協大学前は基本的に住宅街であるため、都心の華やかな学生生活をイメージすると少しがっかりするかもしれません。
獨協大学は緑が多く穏やかな自然の中でキャンパスライフが過ごせる印象でした!
獨協大学はどんな大学?
獨協大学は1883年に獨逸学協会学校として設立され、法律や政治、医薬や科学などのドイツの学問や文化を学び取る機関として発展してきました。
名前の由来通り、現在でもドイツ語学習においては日本でもトップクラスの環境を持っており、大学全体で語学を習得させようという強いサポートをしています。
全学共通カリキュラム英語部門という学部横断型の英語学習を行っており、自身のレベルに沿った難易度を選択することで無理のないペースで語学を習得する環境を整えています。
成成明國獨武の内の1大学として知られる獨協大学ですが、有名企業就職率は4%となっており、同レベルの成城大学(8%)や成蹊大学(14%)と比較すると少々厳しい数字となっています。
また成成明國獨武の特徴とも言える学生数の規模に関しては学生数8147名となっており、GMARCHや日東駒専のような数万人を要する大学と比較するとやや小規模の大学と言えます。
大学全体の偏差値が63.8ptとなっており、全学部共通して高い難易度を誇る獨協大学は学部ごとの偏差値に大きな隔たりがないため、大学内における学部格差等は存在しませんが、一般的には外国語学部が看板学部と言えます。
獨協大学の入試傾向は?
獨協大学は4学部で構成される大学ですが、全学部で共通した問題を扱う大学であるため、学部ごとの対策ではなく大学自体の対策になります。
大問5題で構成されており、語彙・文法問題が2題出題され、長文問題が3題出題されます。
語彙・文法問題の出題数が半数以上を占めているため、基礎的な知識を身につけるかが重要になります。
基本的な文法事項だけでなく、イディオム、多義語の意味や前置詞を問う問題など幅広く出題されるので、ネクステージやスクランブルといった文法問題集を徹底的に頭に入れておくことが重要です。
後半の長文問題については基礎から標準レベルの問題になるため、獨協大学独自の特別な対策が必要になることはなく、基本的な長さ(300語から500語程度)の文を読むことに慣れ、正確に解答にたどり着く練習が必要になります。
共通テストレベルの問題を繰り返し演習し、速読・精読の対策ができていれば十分と言えます。
獨協大学の就職先は?
獨協大学の就職先としては他の大学と同様に公務員が66名と多いことが特徴として挙げられます。
公務員の輩出に関しては成成明國獨武のグループの中では國學院大学の87名に次いで2位となっており、大学全体でも公務員に対する意識が強いことが伺えます。
そもそも獨協大学は外国語学部に強みを持った大学ではありますが、法学部法律学科は公務員養成に定評がある大学でもあります。
多くの大学が法曹を意識する法学部ですが、獨協大学法学部は公務員育成に力を入れているため、法学部自体も法科大学院との連携を念頭に置いた連携法曹基礎課程ではない点も特徴として挙げられます。
余談ですが、現在の新司法試験の制度では多くの大学生が法学部を卒業したのちに法科大学院へと進み、その後大学院で学んだ内容をもとに新司法試験を受ける制度となっています。
法曹を輩出することを目的とした大学では、法学部から法科大学院への接続をスムーズにするため、従来4年間通う必要がある大学を3年間で早期卒業し、法科大学院へいち早く進む制度を持っています。
獨協大学ではこのような制度を持っていないため、法曹を目指したい受験生にとっては不向きと言えます。
民間就職に関しては、大学全体として大きな特徴を持っているわけではなく幅広い業界へ就職している様子が見て取れます。
学部ごとの特徴としては、外国語学部は楽天などの外国語を要求する企業や星野リゾートのようなツーリズム業界が目立ち、経済学部はメーカーや金融、そして前述の通り法学部は公務員等の進路が多いようです。
外国語が強い大学と言えど外資系企業が多いという特徴があるわけではないため、外資系企業への就職等を考えている場合は獨協大学以外の選択肢や、獨協大学入学後の学習方針などについて検討が必要です。
獨協大学でおすすめの学びは?
獨協大学は獨逸学協会学校の名前の由来通り、ドイツ語教育を行うために設立された大学ということもあり、現在もドイツ語を含めた外国語教育に定評がある大学です。
特にドイツ語学科では専任講師24名(ネイティブ5名)、非常勤講師28名(ネイティブ14名)という全国最大規模のスタッフのもとでドイツ語を学ぶことができ、高い語学力と専門知識を身につけることが可能となっています。
1クラス20名程度のの少人数教育のため、ドイツ語の初歩から段階的に学ぶことができ、ドイツ語の会話だけでなく、文献読解力やプレゼン力も高めることができます。
また、ドイツ語に特化した大学としての強みを生かし、ドイツ語圏に多くの協定校をもっており、長短含めた留学やインターンシップ等を通して学内で学んだドイツに関する知識をさらに深めることが可能となっています。
言語・文学・思想研究
言語としてのドイツ語を通し、ドイツ語圏の文学や思想を学ぶ。
芸術・文化研究
音楽・美術・演劇・メディア文化などの芸術に着目し、その魅力を学ぶ。
現代社会・歴史研究
政治経済や環境問題、マスメディアなど現代ドイツの社会歴史課題を学ぶ。
ドイツ語学科では3年次より上記の3つのコースに分かれて興味関心に応じた専門的な学びを探究します。
多くの大学でもコース選択等はありますが、獨協大学のように多くの研究者を擁する大学でない場合、コース選択の幅自体が狭くなってしまう恐れがありますが、獨協大学外国語学部は日本人教員や外国人教員が幅広く在籍しているため、自身の興味に合う領域を見つけられる可能性が高くなります。
・ドイツ語とジェンダー学が未来への指針になった
高校時代、ドイツのフライブルクに音楽留学したことがきっかけで、ドイツ語を自分のものとして使いこなせるようになりたいと思い、語学教育に定評があり、ネイティブ教員んも多い獨協大学に進学しました。
ドイツ語を入り口にドイツ語圏の社会や文化、政治などを広く学んでいましたが、その過程でジェンダー学と出会いました。中学生の頃にジェンアーギャップ指数の存在を知り、興味を抱いていたのですが、ジェンダーに関する様々な授業で学びを深められたことで、社会を多角的に見る力が身についたと思います。ドイツ留学では、最終的には論文をまとめ、プレゼンテーションを行えるほどドイツ語の運用能力を高めることができました。内定先は、グローバルな環境であること、そして人や組織が抱える問題を解決できるような職に就きたいと考えて志望。社会に出てからも多様なことに挑戦し、身近な人たちの価値観をアップデートしていきたいと思っています。
DOKKYO UNIVERSITY GUIDEBOOK2023 Wissenschaft 55P
上記は獨協大学の卒業生である河西さんの記録ですが、ドイツ語の学習だけでなく、昨今話題になっているジェンダーに対する興味から研究を深め、それらのつながりが自身の就職にまで繋がっていることがわかります。
単にドイツ語を学ぶだけであれば専門学校等でも可能ですが、ドイツ語を学びながら研究領域を決めて関心を深めることができるのは獨協大学の強みと言えます。
獨協大学を選ぶメリットとデメリットは?
獨協大学を選ぶメリット
ここまで書いてきた通り、獨協大学は他の私立大学と比較し圧倒的に優れた語学履修環境が揃っている大学です。
ドイツ語に限っては、国内トップの学習環境を持つ上智大学ですら専任教員が8名に対し、獨協大学は24名という圧倒的な充実度であるため、学びたい言語が決定している学生にとっては非常に魅力的な大学と言えます。
語学はその他の学問と異なり、コミュニケーションが必要になる領域であるため、専門的な講師やネイティブ教員が多いという点はただそれだけで大きな強みとなります。
また、メリットとデメリットを併せ持った特徴でもありますが、獨協大学は埼玉県草加市という郊外に位置するため、大学の周囲に娯楽が少なく、学問に没頭できるという強みがあります。
大学は高校までの課程とは全く異なり、自主自律を強く求められる環境です。
大学生の中には、今まで両親に管理されていた環境から1人暮らしという自由な環境に移ることで、羽目を外しすぎて単位等を落としてしまうケースもあります。
こういった誘惑が多い大学生活ですが、獨協大学の周囲は娯楽自体が少ないため、大学に集中しやすいという点が一種のメリットとして挙げられます。
獨協大学を選ぶデメリット
前項で挙げた獨協大学のメリットとして、大学が郊外にあるため学問に没頭しやすい環境であることを挙げましたが、この点は強いデメリットになり得ることも注意が必要です。
獨協大学を始め全国の難関大学の学生は給与や福利厚生の面を意識し、有名企業への就職を考えることが多いですが、有名企業の多くは東京都心に所在しているため、郊外に位置する獨協大学は比較不利と言えます。
上記は上場企業が本社を置く都道府県の数になりますが、東京が圧倒的に多いことがわかります。
就職活動は本社や大きな支社で行うことが大半であり、その行き来には当然のことながら交通費も時間もかかります。
東京駅まで35分、新宿駅まで40分の時間を要する獨協大学の学生はドアツードアで往復2時間程度の時間を使いながら就職活動をすることになるため、都内で早期から採用活動をする企業への就職等を考えている場合は検討が必要です。
なお、大学入学前から志望する企業の本社所在地を調べる受験生はごく少数であることを考えると、民間就職を絶対と考えるのであれば獨協大学の優先順位を下げた方が無難と言えます。
また、獨協大学周辺には娯楽施設がないため、学外での活動もかなり制限されることに注意が必要です。
大学はあくまで学校なので学内で勉強をすることがメインではありますが、学外での活動も自身を大きく成長させる糧となるので大切なポイントとなります。
都内の大学であれば学外の施設等も多いため、繁華街などの娯楽施設や博物館・図書館などの研究施設も充実していますが、獨協大学周辺にはそういった施設等も乏しいため、レパートリーに欠けている点はデメリットと言えます。