・教育学部の特徴が気になる。
・教師を目指す場合は教育学部を選んでおけば問題ない?
・教育学部の中でおすすめの大学を知りたい。
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論として、教育学部は教員を目指す学生と教育学を学びたい学生が混在する学部です。教師を目指すのであれば教育学部を選んでおけば概ね問題ありませんが、指導する対象によっては必ずしも教育学部である必要はありません。教育学部という名を持つ大学は多くありませんが、教育を学ぶことができる学部は数多くある為、自身の学力にあった大学を選ぶことが大切です。
教育学部の特徴と注意すべき事項
教育学部の特徴
教育学部は、言葉の通り教育を学ぶ学部であり、 教員を目指す人が多く進学する学部です。
教育学部を細かく分けると教員養成系と呼ばれるものと教育学系と呼ばれるものに二分されます。
教員養成系の教育学部では教員を養成する課程が設置されており、学校の教員になりたい人が進学するコースとなります。
もう一方の教育学系は、教育とその関連領域に関する基礎的な教育内容を研究するコースになり、課程によっては教員免許が取れない可能性もあります。
教育学という名前であっても教員免許取得を前提とない学科もありますので、事前にしっかりリサーチが必要になります。
教員になりたいから教育学部と安易に考えるのではなく、本当に教員免許が取得可能かを調べてから受験に臨むようにしましょう。
教育学部を当初より目指している受験生にとっては少し話がそれますが、教員を目指すには教職課程という方法もあります。
これは教育学部以外の学部から、教職課程という授業を受けることで教員免許取得を目指すことができる制度であり、大学により取得できる免許が異なりますが文学部に在籍しながら国語の教員免許を取得することや、理学部に在籍しながら数学の教員免許を取得することも可能です。
教育学部に進学すると教育学を学ぶことが中心になるため、自身の興味がある内容を深めることとは少々ずれる可能性があります。
教職過程を受けることで、教育以外のことを学ぶという選択肢を持ちながら教員も目指すということが可能であるため。学びたい学問と教員を目指す選択肢をどちらも取りたい受験生はこの方法も検討してみましょう。
しかし、教職課程には大学で取得する単位が大幅に増えるという側面もあるため注意が必要です。
教育学部は卒業することがそのまま教員免許取得に結びつきますすが、教職課程の場合は自分の学部の卒業単位を取得しながら、プラスで教員になるための授業を履修することが必要となります。
その他の多くの学生が授業を終えてサークル活動などをしていても引き続き学び続ける必要がありますので、余暇の時間がすくなることを覚悟しましょう。
教育学部に進む上で注意すべき事項
教員になるためには教育職員免許状という免許が必要になりますが、この免許には3つの種類が存在します。
・第二種免許状:短期大学士の学位が必要(短期大学の卒業が要件)
・第一種免許状:学士の学位が必要(四年生大学の卒業が要件)
・専修免許状:修士の学位が必要(大学院の修士課程修了が要件)
第一種→第二種→専修の順に高度な指導が可能という証明になります。
より高度な免許を取得するためには取得にかかるコスト(学費等)も大きくなるため自身の目標と突き合わせて検討しましょう。
また、一括りに教員といってもその区分は非常に細分化されており、自身が目指す教師とは何を教える教師であり、どの対象に向けた教師であるかを考える必要があります。
文部科学省HPより引用
これらの区分と、第二種・第一種・専修という免許の種類を組み合わせて、大学の授業を選択していくこととなります。
ちなみに中学校と高等学校の教員免許は、同時に取得するケースが多いため、結果的にはどちらも選択できる場合がほとんどになります。
これらの免許は大学により取得可能な種類も異なるので、事前に確認が必要です。
教育学部へ進学する多くの学生の目標である教員になる為には、その他多くの学生にはない教育実習をする必要があります。
教育実習は準備も大変な上、就職活動が終えた後も教員採用試験の勉強も並行する必要があります。
免許の難易度によって教員採用試験においては有利不利となることはありませんが、同等の条件であればより高度な内容を教えることが可能な人材に注目が集まりやすい点は否定できません。
また、教育学部を卒業すると多くの学生は教員になりますが、実は教員を目指さず様々な企業へ就職することも可能です。
他の文系学部との差異を気にする学生もいますが、教育学部だからと言って就職活動において不利になるようなことはありません。
しかし、教育学部から就職する際に注意しなければならないこととして教育実習と面接があります。
一般的な企業の就職活動と教育実習の時期が被るとかなり多忙になってしまうため、スケジュール調整が必要になります。
就職活動においては、教育学部と聞くと一般的には教員を連想するため、その他学部の学生より一層企業へ就職をしたい理由を答えることが大切になります。
貴方におすすめの学びとは?
教育学部がおすすめな人
ここまでの内容で教育学部は教員を目指している人にとって非常に魅力的な学部であることは説明してきました。
また、人を教育することを体系的に学ぶ教育学についても教育学部型の学部より優れた環境を持っていることは言うまでもありません。
教育学部には教員を目指すという道に加えて、一般企業への就職をするという道もあるため、どちらの方向に進路を選択するか悩んでおり、かつ教員免許を取りやすい学部を探しているのであれば教育学部が最適と言えます。
偏差値40~50程度の受験生
偏差値40~50程度の大学の中から教育学部を探している受験生には明星大学をおすすめします。
この項目でおすすめする明星大学と次項で説明する文教大学は、正に教員になることを完全にサポートするための大学と言えます。
明星大学では、幼稚園教諭、小学校教諭、中学校・高等学校教諭の各教科、特別支援学校教諭の一種免許状、保育士資格を取得できる環境が整えられており、大学進学後に方針が変わった場合でもある程度柔軟に進路を選ぶことができます。
また、教員採用試験対策講座をはじめとし、教員志望の学生が躓きやすい論作文対策や面接対策などの試験対策を徹底的に行ってくれる点も手厚いサポートとして評価ができます。
また、教員への進路が70%程度と比較的多くを占めますが、民間企業への就職も一定数はあるため将来の目標が大きく変わった場合であっても修正は可能な範囲でしょう。
偏差値50~60程度の受験生
偏差値50~60程度の大学の中から教育学部を検討している場合は文教大学をおすすめします。
文教大学は明星大学以上に教員を養成する大学としての毛色が強い大学であり、育ての文教と呼ばれる大学です。
文教大学教育学部卒業生の進路を確認すると82%が教員を志望していることが分かります。
また、文教大学は教員採用率に関しても非常に高い数値をマークをしており、国立大学に毎年10%以上の差をつけています。
文教大学の教員採用試験における強さの秘訣は教員を志す学生たちの中で共に学ぶことができる環境は勿論ですが、学生全体に行われる教員採用試験対策講座に加え、25名以下という少人数で行われる教採対策個別ゼミ等の手厚いサポートの結果と言えるでしょう。
また、文教大学には教員採用試験対策に合宿まで実施するという徹底さがあり、何がなんでも教員採用試験を突破させようと言う大学全体の強い意志を感じます。
絶対に教員に成りたいと考える受験生は必見の大学と言えます。
偏差値60~70程度の受験生
偏差値60~70程度の大学の中から教育学部を探している受験生には早稲田大学が最適な大学になるでしょう。
早稲田大学は私立大学で最も難易度が高い教育学部を持っていますが、実の所その卒業生の多くが教員を目指さないことが特徴でもあります。
早稲田大学教育学部は早稲田大学を目指す受験生にとって文理を問わない滑り止めとして扱われることも多いため、そもそも教員志望ではない学生も多くいるため、教員だけでなく民間企業を目的とした就職活動をする学生も多くなります。
教員を養成する環境としては非常に優れた環境を持っているので、高難易度帯で教育学部を目指している受験生にとっては非常に優れていることは間違いありません。
一方で、教員だけでない進路を選ぶ学生が多い早稲田大学だからこそ得られるメリットも存在します。
高校を卒業し大学進学をする際に決めた目標は大学在学中に変わる可能性も多くあります。
教員だけでなく、その他多くの進路についても選択肢を残しておきたいと考える受験生にとっては、一般企業への就職も盛んに行われる早稲田大学教育学部は非常に魅力的な進路であると言えます。
ただ、明星大学や文教大学のように手厚いサポートは無いため、その点は検討が必要になります。