【おすすめの大学は?向いている人は?勉強は大変?】法学部の特徴

・法学部への進学を考えているが学部で学ぶことができる内容がわからない。
・法学部は勉強が大変と聞いたけど自分に向いている学部であるかわからない。

この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。

結論としては、法学部は偏差値ごとにおすすめの大学があり、自身の学力と目的にあった大学を選ぶことが大切です。法学部は理解分野と暗記分野どちらも多量の知識を定着する必要があり、コツコツ勉強できるタイプにはおすすめですが、そういった学習が苦手なタイプは苦労をする学部です。

目次

法学部の特徴と注意すべき事項

法学の特徴

法学部とは、その名の通り法律を勉強する学部と思われがちですが、法学とは社会を見るための1つのレンズに過ぎません。

本学部は、社会に対する深い洞察力を持ち、紛争の予防又は解決の手段としての法制度の設計とその運用の基礎的能力を備え、調和ある社会の形成と社会正義の実現に積極的に取り組む人材の育成を目的とします。

神奈川大学法学部-法学部の教育・特色

上記は神奈川の有名私立大学である神奈川大学の法学部の特色を引用したものになります。

神奈川大学の説明の通り、法学部で学ぶことは法学のみならず、法制度の仕組みや法制度の成り立ちや目的を学習することに加え、洞察力や論理的思考を力鍛えることで実社会において法学を実践的に用いることを目指す学部です。

全ての法律の根本となる憲法をはじめ、民法・商法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法の総称六法を中心に学び、それらに付随する様々な法律に触れていきます。

また、法律は政治とも密接に結びついており、法学部の中に政治学科が設置されている大学も珍しくありません。

政治学では国の制度や理想とする国家システムについて学習しますが、これらにはそれらの仕組みを明文化した法律が関わります。

法学部に進む上で注意すべき事項

学部2018年2019年2020年
法学部4.31%3.24%4.43%
商学部2.06%2.49%2.08%
政治経済学部3.17%3.35%3.25%
文学部2.85%3.22%3.18%
理工学部5.08%4.96%3.81%
農学部1.90%1.85%1.82%
経営学部2.35%2.76%2.55%
情報コミュニケーション学部2.06%2.10%2.12%
国際日本学部1.65%1.52%1.57%
総合数理学部4.01%3.62%4.08%
学部全体3.07%3.19%2.98%
明治大学学部別留年率

法学部の特徴として、文系の中でも特に留年しやすい学部という側面もあります。

上記は明治大学から発表されている『明治大学データ集』のデータを見やすく編集したものですが、理系学部を除いて法学部の留年率の高さが目立ち、その数値は4%を超える年もあります。

明治大学法学部は3,700名程度の学生数を要する大型の学部であるため、その4%つまり150名程度が留年をしていると考えるとその厳しさを窺い知ることができます。

法学部の留年率の高さは法学部の成績の評価方法にあります。


法学部以外の文系学部では、出席点やレポート点といった俗にいう平常点というものが成績に加味されるため、試験で思うような点数が取れなかった場合であっても救済があることが殆どです。


裏を返すと、試験ですべての評価をするといった形式を取っている法学部では、出席の有無や教授からの心情的評価は無いため、試験さえできれば高い評価を得ることができるというメリットもあります。


「〇〇について論ぜよ。」と一言試験用紙に記載があり、その内容についてA3用紙両面に文字をビッシリ書くという形式も多くあります。


法学部の試験では教科書やレジュメを持ち込み有の形式も多くありますが、これは持ち込みが可能であるため試験が楽ということではなく、持ち込みの有無は回答の成功率を向上させる事に繋がらない為です。

ちなみに、明治大学法学部では1990年代初頭に明治大学法学部大量留年事件が起きており、卒業予定者の約25%が留年するという事態が発生しました。

ここではその事件の内容は紹介しませんが、その際に問われた試験の内容は以下の通りで、資料の持ち込みが何ら意味をなさないことがわかる内容となっています。

わが民法のもとで、契約を破る自由は、どのように理解されるべきか。参考条文を掲げて論ぜよ[3]

明治大学法学部特別試験より引用

法曹界を目指す場合の注意

アガルートアカデミーより引用

大学入学後に法曹系に進みたい人は大学入学前に慎重な検討が必要になります。

法曹系の道に進むためには司法試験の受験が必要になりますが、司法試験の受験のためには法科大学院に進むというステップが存在します。

法科大学院に進まずに予備試験というものを受験するルートもありますが、予備試験自体が司法試験よりも難しいのであまりおすすめはできません。

また、卒業する法科大学院によっても司法試験の合格率は大きく異なり、合格者が0人の大学が非常に多く非常に難しい内容となっています。

法学部の卒業後の進路

法学部と聞くと、弁護士や検察官や裁判官といった就職先をイメージする受験生が多いですが、技術系の職業以外であれば、ある程度どの業界にも就職することができます。

文系の場合はどの学部に行ったからと言って、特定の業界に就職する仕組みがあるわけではなく、多くの業界から自身の興味がある企業を選んで就職することとなります。

ここでは明治大学の法学部の就職先を掲載することで法学部卒後の進路の多様性を考えてみます。

意外にも法学部であっても法曹界に進む人だけでなく、公務員や一般企業への就職も目立ちます。

明治大学法学部の進路

一方、法学部に入ることが有利となる職業があり、国家公務員や地方公務員といった国の公僕となる職業です。


公務員の行政事務系区分には、毎年一定数法律の問題が出題される傾向にある為、法学部以外の学部出身の人にとっては学部で必修とされていない分野を自分自身で勉強する必要があります。

法学部では、卒業の要件に憲法や民法等の法律が卒業必修科目となっていることがほとんどのため、法律を学んでいることで、他の学部の学生よりも公務員試験の勉強が楽になります。

上記の試験が有利になると言った要因から、法学部を卒業して公務員を目指す人は多くおり、公務員になりたい人にとってはおすすめの学部です。

また当然ながら、法学系の資格取得も他の学部に比べると有利になり、司法書士・行政書士・社労士・宅建などを目指す大学生も多いです。

これらの資格試験にはそれぞれ法学に関する領域がある為、法学部の学生が有利となり、これらを取得することで出身大学に関わらず就職活動を有利に進めることも可能です。

内容はともあれ受験資格がなくチャレンジしやすい資格試験なので、在学中に受験を検討してみましょう。

貴方におすすめの学びとは?

法学部がおすすめな人

・コツコツ積み重ねる勉強が得意な人
・物事を論理的に捉える力を身につけたい人
・公務員や法曹などの法律を用いる仕事に就きたい人

ここまで述べてきた通り、法学部は学ぶ内容も学部の環境も勉強することを多く求めてくる性質があります。

多くの文系学部が学問の理解はさておき、学位の取得が比較的平易であることに対して、法学部では学位の取得自体も難易度が高くなっている為、在学中に学問に真剣に取り組む自信がない場合は法学部への進学は慎重に検討しましょう。

法学に興味があり将来法律に関わる仕事に携わりたい場合は、学位の取得と資格の勉強を両立できる法学部はベストな選択であると言えます。

また、多くの法学部では法学の知識に加えて論理的思考力を鍛えることも目的としている為、実社会で生きる社会人基礎力を身につけたい人にもおすすめな学部です。

偏差値40~50程度の受験生

偏差値40~50程度のレベルの大学の中で進路を検討している場合は国士舘大学をおすすめします。

国士舘大学は日本有数の警察官を輩出する分野に長けた大学であり、将来警察官を目指すのであれば一押しの大学と言えます。

国士舘大学と言うと体育系をイメージする受験生が多いかと思いますが、国士舘大学では体育系学部以外からも警察官を輩出しています。

順位大学名警察官輩出数
1国士舘大学138
2日本大学129
3東海大学99
4日本文化大学73
5福岡大学72
2020年警察官輩出数ランキング

上記の表は2020年の警察官就職者数ランキングになりますが、国士舘大学は学生数では日本大学に劣るものの就職者数では日本大学を上回り、高い合格率と就職率をマークしていることが分かります。

国士舘大学では、法学部に法律学科刑事コースと現代ビジネス法学科公共安全コースという警察官をキャリア目標としたコースを設置しており、政経学部では政治行政学科公務員養成コースを設置しています。

入学する学生の将来のキャリア形成までを考慮した学部学科のカリキュラム設定も評価でき、目標に近づくことができる大学であると言えます。

偏差値50~60程度の受験生

偏差値50~60程度の偏差値帯の中で法学部を目指す受験生におすすめなのは日本大学になります。

上記の国士舘大学の項目でも紹介しましたが、日本大学は警察官を初めとする公務員を多く輩出する大学でありながら、後述する中央大学のような司法試験を目指す大学生も多いというバランスの取れた大学でもあります。

新司法試験では日本大学法科大学院の受験者の内、75人中24人(32.8%)が合格しており偏差値に対するコストパフォーマンスは高い大学であると言えるでしょう。

日本大学は日東駒専の一角を担う大学であり、世間一般からも中堅大学と評価されています。

近年は体育会系の不祥事も目立ちますが、古くよりブランドを磨き続けてきた大学である為、公務員や法曹に興味がある受験生は一度検討する価値がある大学と言えるでしょう。

偏差値60~70程度の受験生

偏差値トップクラスの中で法学部を目指す受験生にとっておすすめの大学は中央大学です。

司法試験を目指すなら中央大学と言われるほど、中央大学は法学部には力を入れている大学です。

中央大学の中心で「炎の塔」と呼ばれる学生研究棟があり難関資格を目指す学生をサポートする環境が整っています。

240席の座席数に加え日曜日も祝日も関係なく朝8時から夜11時まで勉強に打ち込むことができ、大学がいの資格専門学校に通うよりも格段にリーズナブルな価格設定となっています。

新司法試験の合格者数と合格率も例年早慶に並ぶ結果となっており、資格の合格力は勿論ですが、実際に法曹界に進んだ後にも多くのOBOGに出会える大学と言えます。

また、中央大学は大学の郊外移転により都心のキャンパスから多摩地域に移ったことで他のGMARCH群の大学比べ比較不利になっていました。

しかし、2023年より法学部のみ都心キャンパスに回帰することが決まっており、資格勉強の手厚さに加え、就職活動においても有利な大学になることが予測されます。

法学を学ぶ学生にとって必要なものが全て揃っている大学と言えますね。

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