・『ことばはちからダ!』をいつから始めるべきか知りたい。
・『ことばはちからダ!』は中学生でも可能なのか?
・『ことばはちからダ!』の評価や、効果的なやり方を知りたい。
この記事は上のような悩みを持った人に向けて書かれています。
結論としては、『ことばはちからダ!』は中学3年生や、高校1年生であっても問題なく始められる教材です。比較的優しい参考書のため、これから現代文の勉強を本格的に始める人にもおすすめです。読み物として隙間の時間にどんどん読み進め、早期に一周しましょう。
ことばはちからダ!の難易度と目標大学
最初に『ことばはちからダ』のメインとなるターゲット層を紹介します。
ターゲットとなる大学に関しては本書のみで対応可能なのは大東亜帝国と、日東駒専までのレベルと考えます。
成成明獨國武以上のレベルだと本書に掲載されている語句やテーマだけではギリギリで、GMARCH以上のレベルの大学だと十分とは言えません。
成成明獨國武やGMARCH、早慶上智を志望する人は本書を利用した後に、より難しい語句やテーマが掲載されている『現代文キーワード読解』を利用して知識の幅を増やしておくことをおすすめします。
注意として、日東駒専までのレベルに対応していると書きましたが、本書を完全に理解したからと言っても、大東亜帝国や日東駒専の現代文が解けるようになるかというとそうではありません。
本書はあくまで現代文に頻出の最重要のキーワードを学ぶ教材になるため、実際に読解の練習を積む必要があります。
料理に例えると本書はあくまでレシピの本になります。
レシピの本だけを読み込んでいくら完璧にしても、実際に料理してみないと料理の腕が上達しないように、本書を読むだけでは現代文で得点できるようにはなりません。
本書を読み終えた後、必ず読解の練習を行いましょう。
ことばはちからダ!はどのような教材なのか?
・本書で現代文に頻出の語彙やテーマを学習できます。
・現代文をこれから初めて勉強する大学受験生や、中学生や高校1年生であっても取り組むことのできる優しい読み物です。
本書は、大学入試の現代文でよく出題される頻出の語彙やテーマの知識を養うことができる参考書です。
現代文で安定した得点を取るためには、主に、語彙(現代用語、漢字)と背景知識(テーマ)要約の力が必要になります。
本書を用いることで、受験に必要最低限の現代用語と背景知識を身につけることができます。
「日本語なのに、そもそも単語の勉強って必要?」と思われる方もいるかもしれませんが、結論必要です。
私達は実は普段あんまり意味を理解していないけど、なんとなく使っている単語が多くあります。
例えば、文化と文明の違いを小学生に聞かれたら皆さんは答えることができるでしょうか?
なかなか難しいんじゃないかと思います。
本書を用いて、無意識に曖昧な意味で捉えている単語を正しく理解し直すことができます。
さらに、現代文で頻出となるアイデンティや、主観と客観などの単語を押さえることで、現代文を得点する上で必要な語彙の力を高めることができます。
また、現代語を読む上で必要な背景知識についても本書で学ぶことができます。
こちらも先ほどと同様で、近代化はいつから?と小学生に聞かれたら答えられるでしょうか?
なかなか答えられる大人は多くないんじゃないかと思います。
現代文には近代化や、宗教論など頻出のテーマが多くあります。
本来は、本を沢山読むことでそうした知識を養っていくものですが、本書を用いることで必要最低限の現代文を読解する上での背景知識を身に付けることができます。
ことばはちからダ!の効率的な使用法とは?
・読解語を関連語を含めて覚える。
・テーマ語を覚えて聞いたことのある文章のジャンルを増やす。
・重要語も覚えることでさらに語彙の厚みを増やす。
本書の効率的な使用法は、まず読解語を覚え、テーマ語、重要語と覚えていきましょう。
取り扱われている読解語の対義語や関連する語などが掲載かつ丁寧に解説されているため、読解語の意味を正しく理解すると同時に語句同士を関連付けて暗記していくことで語彙の幅を広げることができます。
次に近代化や宗教論、化学といった現代文で取り上げられることが多いテーマについても覚えていきましょう。
現代文には頻出のテーマがあるため、テーマ語を覚えることで文章を読解する際に背景知識がある状態で読解を進められるため、よりスムーズに文章を読み進めることができます。
また、本書には現代文を読み進める上での重要語も掲載されているため、こちらも暗記していくことで語句の厚みが増していきます。
本書は問題の演習をどんどん進めるような参考書ではなく、読み物として読み進めていくものなので、机に向かって勉強して行くのではなく、電車移動の時間や、就寝前など、日常のスキマの時間にコツコツと繰り返し読み進めることをおすすめします。
ボリュームもあまり多くなく、比較的薄いものなので、1周に時間をかけるのではなく本書が完璧になるまで周回しましょう。
ことばはちからダ!のおすすめできる人は?
現代文が苦手な人にとって、本書はとてもおすすめです。
現代文が苦手な人の一番の原因は、本文の内容が正しく読み取れていないことだと言えます。
さらに細かく言うと、文章が読めていない前に、そもそもの単語や現代用語を正しく理解できていない可能性もあります。
そうした人が本書を用いて、現代文に頻出の語彙を学ぶことで今まで以上にスムーズに文章が読めるようになります。
また、現代文の得点が安定しない人にも本書はおすすめです。
現代文は得点に波があると言われる科目でもありますが、できるだけその波を小さくし、安定させることが大切です。
現代文の得点に波があり、得点が安定しない人は自分の興味のある文章や、以前に解いたテーマと同じテーマが出題されるとスムーズに読み進めることができ、その結果、得点できることが多くありますが、自分が興味がない文章では読み進めることに苦戦して、結果として得点できないことが原因の多くかと思います。
本書を用いて、現代文の頻出テーマを学ぶことで興味がある分野でもない分野でも事前に知っておくことでその波を小さくできる可能性が高いです。
現代文をこれから初めて勉強する人にも本書はおすすめです。
英単語を全然覚えられていない人がいきなり英語長文のテキストを初めてもつまづいてしまうように、現代文にも同様のことが言えます。
本書を用いて学習することで、現代文の世界はどういったものかを知っておくことで、今後の現代文の学習に活かされてきます。
最後に、今までにあまり読書をしてこなかった人にも本書はおすすめです。
本来であれば沢山本を読むことで色々なジャンルの文章を読むことで知見を広めておけると現代文への抵抗も少なくなります。
ただし、受験勉強のために受験生が色々な本を読み始めることは費用対効果が高いとは言えませんので、今までに読書をあまりしてこなかった人は、本書を用いて大学生受験に必要な最低限のキーワードやテーマを押さえることが効果的です。
ことばはちからダ!のおすすめできない人は?
既に『頻出現代文重要語700』や『読解を深める現代文単語』や『現代文キーワード読解』といった現代文の語彙の参考書で学習している人には本書はおすすめできません。
本書は現代文の語彙を学習する参考書の中でも一番優しい参考書のため、内容が重複する可能性が高いです。
既に他の参考書で語彙の学習をしている人は読解の練習に移行しましょう。
ただし、現在使用している語彙の参考書が難しく、より優しい参考書を検討したいという人は本書での学習を行うこともおすすめです。
ことばはちからダ!の後に進むべき教材を志望校別に紹介
大東亜帝国や日東駒専の大学群を志望する受験生は現代文の語彙やテーマについてはこれ以上学習する必要性は少ないと言えます。
そのため、本書の後は実際の読解練習に移行して問題ありません。
本書の後に読解練習に進む上でおすすめの参考書を紹介していますので、下記を参照下さい。
成成明國獨武レベル(SS60程度)が志望校
成成明國獨武のレベルを志望する受験生であっても本書で現代文の知識についてはギリギリ対応ができます。
上記の問題集を用いて、現代文読解の練習を始めても大丈夫です。
但し、現代文をより得点源にしたい方や、入試科目に古文を必要としない獨協大学、現代文のみの入試か現代文と古文の融合型を選択できる武蔵大学を志望する人は現代文が得点源になれば、入試に有利になるため、もう一段階上の参考書で勉強することをおすすめします。
そうした方は下のGMARCHが志望校を参照下さい。
GMARCHレベル(SS65程度)が志望校
GMARCH以上の大学群の現代文は日東駒専の現代文に比べ、より難しいテーマが扱われたり、難しい語彙が出題される傾向にあります。
本書だけではカバーが難しいため、そうした文章でも対応できるように本書よりも一段階難しい語彙が扱われている参考書で学習しておく必要があります。
本書の後でZ会より出版されている『現代文キーワード読解』を用いて語彙の幅を強化しておき、その後現代文読解の練習を行いましょう。
早慶上智レベル(SS70程度)が志望校
早慶上智を志望する人であっても、語彙やテーマについては上記の『現代文キーワード読解』であってもおおよそは対応できると言えます。
ただし、早稲田大学を志望する人は『現代文キーワード読解』だけでは語彙が十分と言えないため、読解の学習を終えた後は、過去問題の演習を行い、分からない語句が出てきた際にはその都度調べていく必要があります。
慶應義塾大学を志望する人は慶應義塾大学では現代文の代わりに小論文が用いられるため、本書で学んだ語彙の力を活用しながらも、小論文の対策に移行しましょう。
上智大学を志望する人は『現代文キーワード読解』を完璧にした後は、読解の練習に取り組みましょう。