・専修大学と駒澤大学のどちらに進学すべきか悩んでいる。
・両大学の偏差値や就職の差について知りたい。
・専修大学と駒澤大学のおすすめの学部はどこ?
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、専修大学と駒澤大学は日東駒専と一括りにされる大学で、全国的にも非常に知名度がありどちらもおすすめの大学と言えます。両大学は多くの学部を持っており、駒澤大学は人文系の学問に強く、専修大学は実学系の学問に強い傾向があります。駒澤大学は文学部や仏教学部が伝統的に有名であり、専修大学は法学部や商学部が有名です。
専修大学と駒澤大学を数字で比べてみる
専修大学 | 項目 | 駒澤大学 |
4% | 有名企業就職率 | 4% |
60.8pt | 偏差値 | 59.1pt |
856.9pt | 立地 | 536.3pt |
15.8名 | 講師1人あたり学生数 | 10.8名 |
17117名 | 学生数 | 14049名 |
8学部 | 学部数 | 8学部 |
まず概観ですが、有名企業への就職や偏差値、学部数に関してはほぼ同様の数字であるため、レーダーチャートが似通った形をしていることが分かります。
立地に関しては神田にキャンパスを持つ専修大学に対して、駒澤大学は世田谷に立地しているため都会度は専修大学に軍配が上がります。
ただし、駒澤大学が1つのキャンパスであるのに対し、専修大学が神田キャンパスと生田キャンパスに分かれていることは注意が必要になります。
一方で、講師1人当たりの学生数に関しては駒澤大学の方が高い数字となっているため、客観的に考えた手厚さに関しては駒澤大学があると言えるでしょう。
どちらの大学も多くの項目で平均を上回る大学であるため、全国的に人気と知名度を持つ中堅大学と言えるでしょう。
各学部の偏差値で比較する
専修大学 | 順位 | 駒澤大学 |
学部-偏差値 | 学部-偏差値 | |
人間科 64pt | 1位 | 文 63pt |
文 62pt | 2位 | 経営 62pt |
法 62pt | 3位 | グローバル・メディア・スタディ 62pt |
国際コミュニケーション 61pt | 4位 | 法 61pt |
経済 60pt | 5位 | 経済 61pt |
経営 60pt | 6位 | 医療健康科 59pt |
商 60pt | 7位 | 法フレックスB 53pt |
ネットワーク情報-ネットワーク情報 57pt | 8位 | 仏教 52pt |
– | 9位 | – |
– | 10位 | – |
上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。
専修大学の1番偏差値の高い学部は人間科学部であり、駒澤大学の1番偏差値の高い学部は文学部となっておりどちらの学部も高い数値をマークしています。
専修大学は経済学部や法学部が有名な実学系の大学で、資格取得熱も高く、公認会計士の在学中取得者数も難関大学に引けを取らない大学となっています。
対して、駒澤大学は文学部や仏教学部等の人文系に強みを持った大学であり、文学部では国文学に強みを持っている上、仏教学部では日本でも数限りある仏教系の大学となっています。
ちなみに仏教学部は数が少ないため、東大を初めとした非常に優秀な研究者で溢れた環境でもあるため、哲学や宗教学に興味がある場合は関東圏で最も名門であると言えます。
卒業後の進路で比較する
専修大学 | 順位 | 駒澤大学 |
企業(人数) | 企業(人数) | |
東京都特別区I類 31人 | 1位 | 大本山永平寺 33人 |
国税専門官 31人 | 2位 | 日研トータルソーシング 17人 |
警視庁 17人 | 3位 | 警視庁 11人 |
川崎市役所 8人 | 4位 | 大本山總持寺 10人 |
神奈川県教育委員会 8人 | 5位 | ボードルア 10人 |
神奈川県庁 7人 | 6位 | SOMPOケア 7人 |
東京都庁 4人 | 7位 | 神奈川県警察本部 6人 |
ノジマ 4人 | 8位 | ネクステージ 5人 |
三井不動産リアルティ 3人 | 9位 | 日本年金機構 5人 |
伊藤園 3人 | 10位 | 埼玉県警察本部 4人 |
上記は大学ごとの就職先データを掲載しているパスナビより2022年度の最新のデータを引用したものです。
専修大学と駒澤大学の就職先を比較すると同じ偏差値帯でありながら大きな差があることが分かります。
駒澤大学のランキング1位で大本山永平寺に関しては仏教学部を持つ駒澤大学の極めて特殊な進路であるため度外視しますが、駒澤大学にはベスト10以内に警察官以外の公務員がランクインしていないことが特徴です。
対する専修大学は国税専務官を筆頭に市区役所や都道府県庁などの公務員が上位を占め、その後に民間企業が続く形となっています。
公務員への就職が多いことが直接的にメリットとなることはありませんが、専修大学では民間企業だけでなく公務員の選択肢があることは魅力的です。
これは実学に力を入れている専修大学が駒沢大学に優越している点と言えるでしょう。
専修大学と駒澤大学のおすすめの学部は?
ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。
ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。
専修大学のおすすめの学部
前述の通り、専修大学は非常に資格熱の高い大学であり、特に公認会計士の合格者数には定評がある大学です。
専修大学の発表によると、2022年度の公認会計士合格者数は22名となっており在学中の合格者も11名となっています。
公認会計士試験は非常に難易度が高い資格として知られており在学中の合格は極めて困難であるため、こうした成績を残す専修大学は上記の難関大学の学生と比しても努力家であると言えます。
順位 | 大学名 | 人数 |
1 | 慶應義塾 | 187 |
2 | 早稲田 | 109 |
3 | 明治 | 86 |
4 | 東京 | 57 |
5 | 中央 | 54 |
6 | 立命館 | 54 |
7 | 神戸 | 50 |
8 | 京都 | 47 |
9 | 同志社 | 44 |
10 | 一橋 | 38 |
専修大学の経済学部には現代経済学科・生活環境経済学科・国際経済学科の3つの学科を擁しており、全体的な経済学に関しては同様の学びを得ることができますが、それぞれ深部の学びが異なっています。
現代経済学科では国際基準の経済理論や統計学を身につけることを目的とし、それらの学問の初歩を基礎から学び、3年次以降に学んだ内容と実社会とのつながりをキャリアデザインを意識しながら深めていきます。
生活環境経済学科では生活に着目することで、住む・働く・買うなどの日常生活の環境や地域に関する分析力を深めることを目的とし、文献を読み深めることや討論をゼミ活動を通して行うため、現代経済学科よりアカデミック寄りな学科になります。
国際経済学科ではこれまでの2学科とは多少趣が異なり、国際経済に関する知識を深めながら、語学力とコミュニケーション能力の高めることで国際経済において活躍できる人材を目指します。
それぞれ学科によって目的が少しずつ異なるため、自身の思い描くゴールによって選択しましょう。
駒澤大学のおすすめの学部
駒澤大学は前述の通り、国文学研究と仏教を学ぶ場として国内有数の環境となっています。
文学部では「人間を読み、人間を学ぶ」を標榜に書物やデータ、地図や年表、実験や調査、など様々な素材と手段によって人間自体を学ぶ場となっており、国文学科・英文学科・地理学科・歴史学科・心理学科の5つの学科を擁していますが、中でも国文学科と地理学科に強みがあります。
国文学科では古代から現代までの文学を幅広く学ぶことのできる環境を持っており、あらゆる時代を専門とする教員から高度な授業を受けることが可能となっており、2年次以降はゼミ活動を通してよりきめ細やかな教育を受けます。
余談ですが、児童文学作家やアニメやメディアの専門家も授業を受け持っており、文字通り古代から現代までバリエーション豊かな学科であると言えるでしょう。
地理学科では都市や農村の暮らしを地理学的手法を通し観察研究することを目的とする学科ですが、フィールドワークも積極的に行う環境であるため、文学部が一般的に持たれるイメージである座学とは異なる学科となっています。
地理学科は国内でも数が少ない学科であるため、地理に興味がある人は必見の学部と言えます。
また、他の大学にない駒澤大学が持つ特殊な学部が仏教学部です。
駒澤大学は仏教の1つの宗派である曹洞宗が、駿河台に「学林」としてが禅の実践と仏教の研究を目的として設立されたという経緯があり、今でも仏教研究における日本最高峰の環境となっています。
仏教が様々な思想や芸術に様々な影響を与えてきたため、仏教研究や禅における学びを通すことでアジア人がこれまで紡いできた文化や思想に触れることができる唯一無二の学部であるため、興味がある受験生は調べてみても良いでしょう。
専修大学と駒澤大学がおすすめな人は?
専修大学がおすすめな人
これまで述べてきた通り、専修大学は経済学や法学などの実学を重視した大学であるため、日東駒専レベルの大学の中では環境が整った大学です。
経済学部は実社会とのつながりを意識する現代経済学科、現代経済学科よりも日常生活における経済活動の研究に力を入れる生活環境経済学科、語学の強化も同時に図る国際経済学科の3つを備えており、多様な学生を受け入れることができます。
また、先に述べた通り公認会計士合格者数も日東駒専の中では目を見張るものがあり、同じ資格を目指す仲間と共に勉学に励みたい人は専修大学がおすすめです。
また、専修大学は都心にキャンパスを構えていることもあり、3・4年次に行う就職活動を行う際も企業との距離が物理的に近いため、就職活動に力を入れたい受験生にとっては整った環境と言えます。
専修大学がおすすめではない人
専修大学は実学系に力を入れている傾向があることは何度も述べてきましたが、これは裏を返すと人文系学問への手薄さという傾向でもあります。
日東駒専レベルの大学を受験する場合、人文系を志すのであれば国文学や地理系などにも力を入れている駒澤大学や国際系に強みを持つ東洋大学などを受験すれば良く、あえて実学重視の専修大学を選ぶ必要はないと言えます。
同じ学力帯であっても強みを持つ部分は大学によって異なるため注意が必要です。
駒澤大学がおすすめな人
駒澤大学は文学部の中でも国学や地理学が有名な大学であり、それに伴い指導する研究者のバリエーションも多くなります。
これらの学問を専攻したいのであれば、日東駒専の中でも随一の環境が整った駒澤大学に進学することをおすすめします。
実学を志す学生と人文科学を志す学生は学びの性質が異なるため、人文学を志す学生は実社会における利益云々より、単純に文学を愛する学生と共に学んだ方が学問的好奇心が強い仲間に出会う可能性も高く、居心地の良い学生生活を送ることができるでしょう。
また、志望する学生は多くありませんが仏教を専攻とする場合は関西の龍谷大学と並び日本でトップクラスの指導者が在籍する駒澤大学を選ぶほかありません。
駒澤大学がおすすめではない人
駒澤大学にも経営学部や経済学部がありますが、専修大学に比べて際立った特徴を打ち出せていないことがあり、実学系を目指すのであれば積極的に選ぶ理由はないでしょう。
実学に関する資格における実績も専修大学が上回っており、これらの資格を目指す学生の数も比較的少ないことが考えられます。
また、専修大学に比べて立地力に欠けていることもあり、企業とのコミュニケーションが取りづらいこともデメリットの1つと考えられます。
就職活動が本格化するのは大学生活の後半ですが、意識の高い学生は初等年度より企業の実施するインターンシップ等に参加することもあり、これらの活動のしやすさは専修大学に軍配が上がると言えます。