【文学部ならどっちがいい?偏差値や就職は?】学習院大学と國學院大学を比較

・学習院大学と國學院大学のどちらに進学すべきか悩んでいる。
・将来の就職先に違いがあると聞いたが本当?
・大学のブランド力を考えたら学習院に行くべき?

この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。

結論としては、学習院大学と國學院大学はどちらも国文学や史学に強みを持った大学ですが、就職先に大きな違いがあることに注意が必要です。将来、就職先としては民間企業を考えている人は学習院大学、教職や公務員を考えている人は國學院大学に進学すべきでしょう。学習院大学はGMARCHの一角として知られていますが、両大学の間にある社会的評価の差はさほど大きいものではないためそこまで気にする必要はないでしょう。

目次

学習院大学と國學院大学を数字で比べてみる

※レーダチャート上の大学名をクリックすると表示する大学の数を変更できます。
学習院大学項目國學院大学
15%有名企業就職率6%
70.0pt偏差値62.4pt
745.3pt立地1013.8pt
8.0名講師1人あたり学生数10.7名
8798名学生数10036名
5学部学部数7学部
学習院大学と國學院大学のスコア比較

学習院大学と國學院大学を比較すると多くの項目で学習院大学に軍配が上がります。

特に有名企業への就職力や偏差値などの項目では両大学の間に差があると言えるでしょう。

しかし後述しますが、國學院大学は教職や公務員という進路を選ぶ際には非常に強みを持った大学と言え、両大学の評価を定量的な数値だけで決めることは尚早と言えます。

立地力に関しては國學院大学は渋谷の一等地に面しており、就職活動に加え学外活動でも充実した4年間を過ごすことができるでしょう。

一方の学習院大学も目白駅至近という好立地ですので、國學院大学と比べると比較不利ではありますが、十分過ごしやすいのでご安心ください。

各学部の偏差値で比較する

学習院大学順位國學院大学
学部-偏差値学部-偏差値

73pt
1位
67pt
国際社会科
71pt
2位
66pt
経済
70pt
3位経済
66pt

69pt
4位観光まちづくり
64pt

67pt
5位人間開発
63pt
6位神道文化
61pt
7位神道文化フレックスA
50pt
8位
9位
10位
学習院大学と國學院大学の偏差値比較

上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。

偏差値を比較すると学習院大学はGMARCHの一角ということで非常に高いスコアをマークしています。

比較的偏差値が高く出にくい理学部を除くと文学部以外の法学部・経済学部・国際社会学部が偏差値70以上をキープしています。

一方の國學院大学は神道文化学部にフレックス(夜間)があるため平均の偏差値は押し下がっている面がありますが、その他の学部に関しては学習院大学を少し下回る程度となっています。

卒業後の進路で比較する

学習院大学順位國學院大学
企業(人数)企業(人数)
東京23特別区人事委員会
17人
1位公立小学校教員
87人
りそなホールディングス
13人
2位地方公務員
84人
東京都教育委員会
13人
3位神社
84人
学習院
9人
4位公立中学校教員
29人
日本生命保険
8人
5位国家公務員
23人
埼玉県教育委員会
8人
6位公立保育園教員
21人
防衛省
6人
7位警察官
21人
千葉銀行
6人
8位私立保育園教員
19人
神奈川県教育委員会
6人
9位私立高校教員
19人
国税庁(東京国税局)
5人
10位私立幼稚園教員
15人
学習院大学と國學院大学の就職先比較

上記は大学ごとの就職先データを掲載しているパスナビより2022年度の最新のデータを引用したものです。

学習院大学と國學院大学の最も大きな差は進路選びに出ており、民間への就職に関しては学習院大学に分がありますが、教員採用や公務員に関しては國學院大学に圧倒的に強みがあります。

後述しますが、國學院大学は「教職の國學院」と呼ばれ、明治時代より教員採用に強みを持っている大学です。

文学部などからは高校教員や中学校教員などの教員が多く輩出されており、人間開発学部からは初等教育に携わる教員が多数輩出されています。

教員に強い一方で民間就職への熱が相対的に薄くなってしまうのが國學院大学の弱みとも言え、自身の進路に合わせて学習院大学との進学を検討することが大切です。

学習院大学と國學院大学のおすすめの学部は?

ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。

ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。

学習院大学のおすすめの学部

・文献史学に力を入れる伝統の文学部

学習院大学のおすすめの学部は史学研究に力を入れる文学部です。

中学から高校までの歴史の授業や試験では単語や年号を暗記することがメインであるため、歴史に対してそういったイメージを持つ受験生も多いかと思いますが、大学における史学はそれとは一線を画します。

大学における史学とは暗記ではなく探求であり、それらの探求は資料をもとに行われ、今まで知らなかった歴史に触れる経験となります。

学習院大学文学部では1年次に史学の概論を学ぶことで、歴史学の発展や、史料のありかたとそれを扱う際の考え方など、「探求する歴史研究」そのものを学びます。

2年次以降は自身が選択したテーマを研究するゼミナールに参加することで、文献の資料と読解の仕方を掘り下げつつ、4年次に提出する卒業論文の制作が本格化します。

1年次から4年次の間に繰り返しレポートを書き続けるカリキュラムを持っている学部であるため、在学中の負担は大きなものがありますが、卒業する際には1つの作品を完成させる完結力や人を説得する文章を書く説得力が身に付く特徴があります。

國學院大学のおすすめの学部

・日本文学と史学に力を入れる文学部
・教員養成の名門である人間開発学部

國學院大学も学習院大学と同様に文学部に力を入れている大学です。

國學院大学文学部史学科の伝統である厳密な史料批判を中心に学びが展開され、人間社会と文化の歴史を明らかにし、歴史遺産の継承と活用に生かす研究が行われてます。

カリキュラムの中で身につける「歴史的思考」を社会に生かすことも目標とされています。

國學院大学文学部史学科の特徴として、4つのコースと2つのプログラムを選択することで自身の進路にあった学びを得られることが挙げられます。

4つのコースに関しては日本史学、外国史学、考古学、地域文化と景観という専門から選ぶことができるという仕組みのため他大学でも見掛ける制度ですが、2つのプラグラム選択が非常に特色がある内容となっています。

Sプログラム(一般就職向け)とPプログラム(研究者向け)の2つより選択することができるため、大学在学中より将来を見据えて浅く広く学ぶのか狭く深く学ぶのかを選ぶことが可能です。

また、國學院大学文学部が日本文学研究でも非常に充実した研究内容を誇っており、日本の民族研究ではトップクラスのレベルとなっています。

皇典講究所からの伝統を引き継ぐ國學院大学文学部は歴史的にも著名な文学者を多数輩出しており、大学のキャンパスには古今東西の様々な資料を保存する博物館も併設しています。

また、國學院大学は教員養成の名門大学であるという側面もあり、進路の項で述べた通り教員の採用が群を抜いて多い大学です。

人間開発学部では初等教育学科、健康体育学科、子ども支援学科に分かれており、教育学と体育学の専門者を育成します。

少人数教育と体験型授業を通して座学のみでなく、実際の現場で活躍できる対応力を身につけるとともに、学校インターンシップという実際の学びの現場にボランティアとして参加することで学びと実際の差を知ることにつながります。

これまで國学院大学では中学高校の教員育成がメインでしたが、人間開発学部の発展によって初等教育においても一大派閥となりつつあります。

学習院大学と國學院大学がおすすめな人は?

学習院大学がおすすめな人

・民間企業への就職をメインに考えている人
・教員採用か民間就職かで悩んでいる人

学習院大学は史学研究で著名な大学でもありますが、GMARCHの一角であり大学のブランド力が非常に高いことも相まって有名企業への就職も強いことが特徴として挙げられます。

学習院大学は有名企業就職率が15%となっており、國學院大学の6%と大きな開きがあります。

公言はされていませんが多くの企業では大学の名前でフィルターをかけていることはよく知られており、学習院大学は多くの企業において不利ならない下限とされるGMARCHです。

民間就職をメインに考えている人はもちろんですが、民間企業と教員採用の間で悩んでいる人も学習院大学がおすすめです。

学習院大学がおすすめではない人

・教員採用や研究職を考えている人

教員採用をメインに考えている人は学習院大学よりも國學院大学への進学を検討しましょう。

教員採用試験において学習院大学のブランド力が足を引っ張ることは勿論ありませんが、教員とは採用されるまでが大変なのではなく、採用されたのちに教員として働き続けることが大変です。

民間企業への就職を希望する学生が多い学習院大学は、教員として活躍する先輩の数が國學院大学よりも少ない傾向があります。

後述しますが、職場でも同じ大学出身というだけで親近感を抱くことも多く、教員として働く上では國學院大学より少ないコミュニティになることが予想されます。

コミュニティの大きさは働きやすさに直結する可能性があるため、教員としての将来を考えている場合はしっかりとした検討が必要です。

國學院大学がおすすめな人

・教員採用や研究職を考えている人

國學院大学がおすすめである人は教員採用や研究職としての将来を考えている人です。

國學院大学は教員採用者を100名以上出す数少ない大学であり、大学卒業後も採用先の学校に多くの同窓生がいることが予想されます。

教員として働く中で同じ学舎で学んだ仲間が多くいることは精神的にも大きな強みになり、裏を返すと國學院大学の卒業生は学習院大学の卒業生に比べて、より有利な環境で働くことができる可能性があります。

また、教員採用希望者が多い大学であるため、1年次から4年次を通して年間多くの教員採用関連のセミナーが行われており、大学側からのサポートも期待できます。

また、文学部では2年次よりSコースとPコースの棲み分けがなされるため、研究職を目指す学生にとってはより深い研究につながる準備を学部生のうちからできます。

これは学習院大学にはない魅力のため、教員採用や研究職を希望する場合は國學院大学を検討しましょう。

國學院大学がおすすめではない人

・民間企業への就職を就職を考えている人

國學院大学のデメリットは学習院大学のメリットの裏返しになりますが、相対的に民間就職が弱い点が挙げられます。

國學院大学の有名企業就職率は6%となっており、学習院大学を大きく下回っています。

民間企業への就職が少ないということは他大学の学生に比べて民間就職に関する情報が集まりにくいという負の連鎖があります。

就職活動は情報戦であり、情報が少ないことは単純に不利になってしまうため、民間企業への就職をメインで考えている場合は國學院大学を候補から外すことも検討しましょう。

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