早稲田大学商学部と東京理科大学経営学部はどんな大学?

基本情報
項目 | 早稲田大学商学部 | 東京理科大学経営学部 |
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学部設立 | 1949年 | 1993年 |
所在地 | 東京都新宿区西早稲田1-6-1(早稲田駅) | 東京都新宿区神楽坂1-3(飯田橋駅) |
学部理念 | 本学部では学識および実業両面の修養を兼ね備えた「学識ある実業家」を送り出すという理念を実現するため、一定の高い基礎学力を持ちながら、知的好奇心が旺盛で、自分で計画を立て、種々の課題に積極的に立ち向かう意欲に満ちた個性的な学生を、全国各地や世界中から多数受け入れることを基本方針とする。 | 理工系総合大学である本学が持つ知識の体系を生かし、理学と工学の知識に基づいた数量的・実証的アプローチを積極的に活用して、文系・理系の枠組みを超えた新しい視点に基づく経営の理論と技法を教育・研究しています。実用的な理論と技法を重視した教育を展開する経営学部の教育目標は、単なる知識の集積ではなく、自ら経営の諸問題を発見・解析し、その解決方法を選択できる主体性・自律性を持った人材を育てることです。科学的認識と思考に基づく研究成果について、学生と指導教員との間で徹底的に討議する場を設けることで、目標の実現を目指しています。 |
早稲田大学商学部は1904年に創設され、日本における商業教育の草分け的存在として、長きにわたり高い評価を受けてきました。現在の新制大学としての商学部はND年に設置されており、旧制早稲田専門学校商科を前身とする伝統を受け継いでいます。商学を中心に据えつつも、経済・経営・会計・マーケティング・ファイナンス・国際ビジネスなど、幅広い分野を横断的に学べる柔軟なカリキュラムを有しているのが特徴です。最寄駅は東京メトロ東西線の早稲田駅で、都心にありながらも落ち着いた文教地区に位置しており、周囲には学習院下・戸山キャンパス・中央図書館など学習環境が整っています。
東京理科大学経営学部はND年に設置されました。神楽坂キャンパスに所在し、最寄駅のJR飯田橋駅から徒歩数分という抜群のアクセスを誇ります。理科大の中で唯一の文系学部である本学部では、経営理論に加え、数理的手法や情報技術の導入による実践的な学びが展開されています。近年ではデータサイエンスやAIリテラシー教育を積極的に導入し、経営とITの融合を志向するカリキュラムへと進化を遂げています。理系大学における経営学部という特性を活かし、時代の変化に即応した専門教育を受けることが可能です。
大学の規模
早稲田大学商学部の学生数は900で、国内の文系学部としては最大規模のひとつです。多様な価値観を持った学生が集まり、ゼミ活動や学内外のプロジェクトを通して、相互に刺激し合う学習環境が形成されています。特にゼミの種類が豊富で、会計・マーケティング・ファイナンス・経営戦略・国際ビジネスといった多彩な分野に専門的に取り組むことが可能です。また、学部単位での留学支援や海外インターンシップ制度も充実しており、グローバル人材の育成にも力を入れています。ビジネスの現場に直結する実践力を身につけたい学生にとっては、非常に魅力的なフィールドとなっています。
東京理科大学経営学部の学生数は480で、コンパクトな規模の中に実務重視の教育が凝縮されています。少人数制授業が基本で、教員と学生の距離が近く、質問やフィードバックがしやすい学習環境が整っています。特に、情報リテラシー・プログラミング・会計演習などの科目では、実際にソフトウェアやツールを操作しながら学ぶ形式が多く採用されており、理系大学ならではの設備投資が活きています。学生は経営学の理論と数理的アプローチの両方を実践的に学ぶことで、就職後も即戦力として評価される傾向が強まっています。
男女の比率
早稲田大学商学部では男子学生の比率がやや高く、全体のおよそ6割前後を男子が占めています。商学という分野の性質上、起業志向やビジネス志向の強い男子学生が多い傾向にありますが、近年では女子学生の割合も着実に増加しており、性別を問わず多様なキャリアを志向する学生が集まっています。特にマーケティングや会計、国際ビジネスなどの分野では女子学生の活躍が目立っており、ゼミや留学プログラムでも性別による偏りは少なくなりつつあります。履修の自由度が高く、志向に合わせた学びを実現しやすい点も、性別を問わず評価されている理由の一つです。
東京理科大学経営学部は、理科大全体では男子比率が非常に高い中で、女子学生の割合が約4割と比較的高い構成になっています。情報系や数理系の学びに興味を持つ女子学生にとって、理系大学でありながら文系的アプローチも学べる本学部は魅力的な進学先の一つとなっています。女子向けキャリア支援やメンタープログラムも学部独自に用意されており、理数系の専門性を活かしながらビジネスの場で活躍することを目指す女子学生の進路形成を後押ししています。性別による進路の偏りも少なく、実力重視の教育風土が根付いている点も本学部の特色です。
初年度納入金
早稲田大学商学部の初年度納入金は126.6万円です。私立大学文系学部の中では標準的な金額帯にあたりますが、留学プログラムやビジネスコンテスト、ゼミ活動など多様な学びの機会が整っているため、費用対効果の高い学部といえます。さらに、早稲田大学全体で展開されている多彩な奨学金制度や学費減免制度も利用可能であり、学内には成績優秀者や家庭の事情に応じた給付型奨学金が数多く用意されています。こうした支援策により、経済的な不安を抱える学生でも安心して学業に専念できる環境が整っています。
東京理科大学経営学部の初年度納入金は141.1万円です。理系大学の中では比較的学費が抑えられており、文系学部である経営学部では実験や理科系の施設使用料が不要な分、全体としてバランスの取れた設定になっています。情報演習や財務会計の実習では専用ソフトやPCルームを活用した教育が行われており、教育設備としての充実度も高い水準にあります。また、理科大独自の奨学金制度も整備されており、成績・経済状況に応じた減免措置などを活用すれば、費用面での不安を軽減しながら学業に集中できる体制が整っています。
SNSでの評価
早稲田大学商学部はSNS上でも「自由度が高くて自分の進みたい方向に合わせて学べる」「ゼミが多彩でビジネス感覚が鍛えられる」など、学びの選択肢が広いことへのポジティブな評価が目立ちます。特に人気ゼミの競争率やインターンシップ制度の活用体験が投稿されることも多く、学生生活に対する充実感が高いことがうかがえます。また、学内外のビジネスコンテストや課外活動への参加率も高く、自主的な挑戦が歓迎される雰囲気があると評されています。その一方で、「履修管理が複雑」「課題や試験の量が多く、スケジュール調整が大変」など、自由度の高さゆえに自己管理力が求められる点への指摘も見受けられます。全体として、主体的に行動する学生にとっては非常に魅力的な環境であるという印象が広がっています。
東京理科大学経営学部は、「理科大で経営が学べる唯一の学部」としてそのユニークな立ち位置が多くの投稿で紹介されています。特にSNSでは「文系でもプログラミングや統計に触れられる」「データ分析スキルが自然と身につく」といった、理系的素養のある経営教育への評価が見られます。キャンパスの設備や授業の実務性についても好意的な意見が多く、専門性の高いスキルが実社会に直結しているという実感が共有されています。一方で、「課題量が多く、理科大らしい厳しさがある」「履修に数学が含まれていて文系には難しく感じる」といった声もあり、一般的な文系学部とは異なるスタイルに戸惑う投稿も一定数あります。とはいえ、実務志向の学生や論理的思考を好む層には高く評価されています。
合格難易度(偏差値・倍率)

偏差値(マナビジョン)
早稲田大学商学部の偏差値は78で、全国上位0.26%、約391.4人に1人という非常に高い難易度です。共通テスト利用型・一般選抜・英語4技能型など複数の方式がありますが、いずれも総合的な学力を求められ、特に英語・現代文・数学の得点力が合否を分ける重要なポイントになります。科目間のバランスと記述力、論理的思考力が問われる構成となっており、単なる暗記型では対応が難しい設計になっています。出題傾向も安定しており、過去問演習や模擬問題による訓練を通じて、応用的な解答力を養うことが求められます。早慶上智レベルの受験層の中でも、商学部は人気が高く、志望者の質も高いため、差がつくのは論理構成力や記述の完成度です。合格には長期的な学習計画と戦略的な対策が不可欠であり、自己分析と得意科目の最適配分が勝負の鍵を握ります。
東京理科大学経営学部の偏差値は67で、全国上位4.46%、約22.4人に1人というレベルです。文系学部でありながら理系大学に所属していることから、入試科目には数学が含まれるケースが多く、他大学の経営・商学系学部と比較しても理系色の強さが際立ちます。特に数学では論理的な思考力と計算処理能力が求められ、基礎の習得だけでなく応用力も必要です。英語や国語の問題も標準レベルを上回る内容で、全体として文理融合型の試験傾向にあります。合格を目指す受験生には、数学に苦手意識を持たないことが重要で、日頃から論理的な思考のトレーニングや問題演習を積み重ねることが求められます。一般的な文系学部とは異なる対策が必要となるため、志望者層も特徴的です。
倍率
早稲田大学商学部の倍率は7.9で、約7.9人に1人が合格する狭き門です。受験方式には一般選抜や共通テスト利用方式など複数のパターンが存在しますが、いずれも出願者数が非常に多く、競争倍率は毎年高い水準を維持しています。特に一般選抜では、国語・英語・数学において記述問題の比率が高く、単なる基礎知識の暗記ではなく、応用力・読解力・論理力が求められます。また、私立最難関レベルの併願先として人気があり、実力層が厚いため、得点差が付きにくい中で合格を勝ち取るためには高い完成度が必要です。早慶レベルの他学部とも併願されるため、実質倍率は年度によって変動しますが、全体として高倍率が続いています。
東京理科大学経営学部の倍率は2.8で、約2.8人に1人という水準です。理科大内では唯一の文系学部であることから、併願層も理系・文系の双方から集まる傾向にあり、出願者層は多様です。入試では数学を重視する傾向があり、文系的な対策のみで臨むと対応が難しい構成になっています。受験倍率は年によって若干の変動がありますが、情報スキルや数理的素養に関心のある受験生にとっては根強い人気があります。学部の特性上、特色ある問題構成になっているため、過去問分析や出題傾向の把握が重要となります。理系的な思考を持ちつつ経営を学びたいという明確な志望動機を持つ受験生にとっては、倍率以上に自分との適性が合うかが大きな判断材料となるでしょう。
卒業後の進路

有名企業の就職率
早稲田大学の有名企業就職率は36.7%で、私立大学の中でも最上位クラスに位置しています。特に商学部では、金融・商社・広告・ITなど多様な業界に卒業生を輩出しており、学部で養った分析力や実務感覚がそのまま職場でも活かされています。業界研究やインターンシップが活発で、1〜2年次からキャリア意識を高められる環境が整っており、学内にはキャリアセンターのほか、ゼミ単位での就職支援やOBOGネットワークを活用した非公開求人への接点も存在します。特に大手企業・難関企業への就職率は非常に高く、早稲田ブランドの強さとともに、学生自身の地力の高さも評価されています。実践的な学びと理論のバランスに優れた商学部は、企業側からの信頼も厚く、例年安定した採用実績を誇っています。
東京理科大学の有名企業就職率は44%で、理系私大として堅調な実績を維持しています。経営学部も例外ではなく、情報系や会計系の企業を中心に、銀行・メーカー・ITサービスなど幅広い業種で卒業生が活躍しています。経営と数理の両方を学んだバックグラウンドが高く評価されており、特に分析職・財務職・業務改革推進といった専門的ポジションへの内定例が多く見られます。学部独自の企業研究セミナーやビジネススキル演習も展開されており、少人数制を活かしたきめ細かな支援が特徴です。理科大全体としても就職意識が高く、学生は1年次からインターンシップや職業理解を深めており、着実なキャリア形成を実現しています。
主な就職先
EY新日本有限責任監査法人(14名)
東京海上日動火災保険(13名)
りそなホールディングス(8名)
ベイカレント・コンサルティング(7名)
早稲田大学商学部では、ベイカレント・コンサルティング(17名)、EY新日本有限責任監査法人(14名)、東京海上日動火災保険(13名)といった企業への就職実績があり、例年多くの卒業生が社会の第一線で活躍しています。実務に即したゼミ活動や、インターンシップを重視したカリキュラムが内定に直結しているケースも多く、学部教育と職業実践が密接につながっています。学生の志望業界は広範にわたり、上場企業の企画・営業・調査分析などで多様なキャリアを実現しており、特に成績上位層では難関企業への集中傾向が強く見られます。
東京理科大学経営学部では、NTTデータグループ(8名)、りそなホールディングス(8名)、ベイカレント・コンサルティング(7名)などの企業が主な就職先として挙げられます。学内でのプログラミングや会計処理など実践的スキルが、そのまま職務内容に直結する業種に進むケースが多く、システム部門やデータ分析、コンサル系ポジションでの活躍が期待されています。中規模〜大企業にかけての安定した就職実績があり、就職支援体制も少人数体制で学生に密着した支援が行われています。
進学率
早稲田大学の進学率は5.38%で、私立文系学部としては比較的高めの水準にあります。商学部の学生は、大学院進学だけでなく、公認会計士や税理士などの資格取得を視野に入れて専門職大学院を志す傾向もあり、実務系キャリアを志向する層と学術的研究を志向する層が並立しています。早稲田大学大学院商学研究科への進学者が中心ですが、他大学の経営・会計系研究科に進む学生も少なくありません。
東京理科大学の進学率は6.5%で、学部の特性上、理科大大学院経営学研究科への進学や、統計・データサイエンス分野の研究科への進学が見られます。また、修士段階でビジネススキルの高度化を図りたいという目的意識の高い学生が一定数おり、経営情報やファイナンス分野への進学が近年増加傾向にあります。
留学生

受け入れ状況
早稲田大学の留学生受け入れ人数は5488名で、国内の私立大学の中でも屈指の規模を誇ります。アジア圏だけでなく欧米や中東、アフリカなど多様な地域から学生が集まっており、学内は国際色豊かな雰囲気に包まれています。商学部では英語による授業も数多く提供されており、外国人留学生が履修可能な専門科目も拡充しています。国際ビジネス科目や異文化マネジメントなど、グローバル人材の育成に直結するプログラムが整っており、日本人学生と留学生が混在する授業環境の中で、実践的な国際コミュニケーション力を培うことができます。
東京理科大学の留学生受け入れ人数は657名で、学部間によるばらつきはあるものの、経営学部でも一定数の留学生を受け入れています。英語で学べる科目や国際ビジネス関連の講義も開講されており、交換留学生との共同プロジェクトなどを通じた国際的な学びの機会が提供されています。全学的な国際戦略の一環として、アジア圏を中心とした学生の受け入れが活発に行われており、商学・経営分野においても多文化理解を重視した教育体制が整っています。
海外提携校数
早稲田大学は海外提携大学を432校持ち、アジア・欧州・北米を中心にネットワークを広げています。語学研修や短期留学に加え、専門分野に関連する派遣制度も整っており、留学前後の学修フォローも充実しています。商学部ではビジネススクールとの提携による交換留学制度や、英語圏・中国語圏を対象としたプログラムがあり、単位互換や現地研修も制度化されています。派遣先大学には世界的な上位校も含まれており、将来グローバルに活躍したい学生にとっては最適な機会が用意されています。実務経験や異文化対応力を高めるためのインターン型留学制度も整っており、国際展開を目指す学生への支援が充実しています。
東京理科大学の提携大学数は85校で、特にアメリカ・オーストラリア・欧州圏との交換留学が盛んです。学部独自の短期・長期プログラムに加えて、海外インターンシップや協定校派遣制度も充実しており、国際経験を積みたい学生にとって好機が多く存在します。英語圏だけでなくアジア・東欧諸国など提携先の幅も広く、語学だけでなく異文化理解やビジネススキルを現地で学ぶ環境が整っています。帰国後の単位認定や学修報告会などの制度的支援も用意されており、留学が単なる体験に終わらないよう配慮されています。
結局早稲田大学商学部と東京理科大学経営学部のどちらが良いか

早稲田大学商学部は、学問の自由度・専門性・ブランド力の3点で抜きん出ており、将来のキャリアの幅を広げたい学生にとって非常に有力な選択肢です。特に多様なゼミ活動や国際交流制度、インターンの機会に恵まれており、総合的なビジネスリーダーを目指す環境が整っています。就職面でも圧倒的な強さを見せており、学歴としての価値と実力の双方を高く評価されています。
一方、東京理科大学経営学部は、経営と情報技術を融合した実践的なカリキュラムが特徴で、将来データや数値を扱うビジネス職に就きたい学生にとっては非常に有利な環境です。学費や規模、指導体制の観点でもコンパクトながら優れた教育が行われており、自分の強みを明確に伸ばせる環境が魅力です。
総合的に見て、ブランド力と進路の広さを重視するなら早稲田、専門性と実務力を志向するなら理科大が適しています。