この記事は…
・そもそも古文の勉強は何から始めればいいかよく分からない。
・古文と聞くだけでテンションが下がる。
・古文は好きで、単語も覚えているけど、文法の勉強が辛い。
そんな人に向けておすすめの参考書を紹介します。
今回はそんな人達に向けておススメの参考書、『ステップアッノート30古典文法基礎ドリル編』について本書の特徴や私が考える効果的な使用方法、本書をおすすめの人やおすすめできない人などについてまとめました!
古典の問題集選びに迷っている人や、本書の効果的な使用方法を知りたい人はぜひ読んで下さい。
古典文法基礎ドリルの難易度と目標大学
最初に本書のターゲットとなる学力層について書きます。
本書は、古文を少し学校で習った高校1年生やこれから本格的に古文を勉強を始める方でも取り組める参考書となっています。
また、ターゲットとなる大学についてですが本書で日東駒専レベルの古典文法の基本については学ぶことができます。
しかし、英文法だけを学習しても英文が読めないがように古文で得点できるようになるには、古典文法の他に”古文常識””古文単語””読解”の勉強が必要になります。
本書で取り扱っているのは、あくまで古典文法メインになるので注意が必要です。
本書の他に語彙の習得や読解練習を行いましょう。
さらにもう少し多くの練習を積みたい方や、本書だけで練習量が不安という方は、先述の同シリーズである『古典文法トレーニング』を用いて練習量を確保することをおすすめします。
古典文法基礎ドリルはどのような教材なのか?
・古典文法が30項目でコンパクトにまとまっている。
・ポイント&基本ドリル&練習ドリルの3ステップで古典文法の演習ができる。
本書は名前にもステップアップノート30と付いている通り、30項目の文法で構成されています。
歴史的かな使いからはじまり、動詞、形容動詞、古典文法メインとなる助動詞敬語、識別まで名前の通り30単元が収録されていて、100ページ程でコンパクトにまとまっていることが挙げられます。
古典文法基礎ドリルの効率的な使用法とは?
・ポイントを読み練習問題を解く。
・基本ドリルと練習ドリルで反復の問題演習をし定着を図る。
・本書が完璧になるまで繰り返す。
繰り返しの回数は個人差がありますが、スラスラ解けるまで繰り返しましょう。
あえて回数の目安を挙げるならば、3周程繰り返して、本書が完璧になるようにしましょう。
また、本書の中に記載されていますが問題を解いた際に自信がある解答には満月、自信がない解答には三日月、どちらとも言えない解答には半月と解答に対する自信度合いを月に見立てて記すアドバイスがあります。
こうすることで丸つけや復習の際に、曖昧に正答できてしまった問題や、自信のない問題を分かりやすくすることができます。
古典文法基礎ドリルのおすすめできる人は?
一度、学校の授業などで軽く古文に触れている方やこれから本格的に古文の勉強に取り組む人や古典文法の基礎力を付けたい人、大学受験の古典文法を復習したい方にとって本書は特におすすめです。
先述の通り、本書は古典文法の項目が30の構成となっており、非常にコンパクトにまとまっているため、あまり時間を要せずに一周することが可能です。
古典文法の基礎を身に付けたい方であっても、古典文法の復習に時間をかけたくない方にとっても本書のボリュームは多くないため、非常に効果的でおすすめできます。
古典文法基礎ドリルのおすすめできない人は?
「そもそも古文と聞くだけでテンションが下がる、古文なんて見たくないし、全く勉強したくない!」
そんな古文アレルギーがあるいう方にとっては、本書が古典文法を初めて本格的に勉強する人にとって勉強しやすい参考書といっても一冊目として取り組むにはなかなか難しい可能性が高いです。
また、初めて古文の勉強を始める方にとっていきなり古典文法の勉強から始めると古文か嫌いになってしまうかもしれません。
そういった方は本書に取り組む前に古典文法についてより優しく、解説が多めになっている『マドンナ古文』をおすすめします。
また、文法の勉強に抵抗がある人は『マドンナ古文常識217』などの、古文の世界観をよく知ろう!といった教材を用いて、古典アレルギーを取り除けるといいかと思います。
古典の世界観や人々の生活、価値観などを知ると古文に興味が湧いて、少し古典の勉強をしてみたくなるかと思います。
その後、本書を用いて古典文法の学習を始めることをおすすめします。
逆に、「既に古典文法についてはマスターできていて助動詞や敬語の識別は心配ない!」という方や読解練習に取り組みたい人については、こちらの参考はおすすめできません。
この問題集は、あくまで古典文法についてコンパクトにまとめた問題集になるので、どんどん読解演習をしたい人にとっても、本書は最適とは言えません。
そうした方は、同じく河合塾から出版されている『中堅私大古文演習』やZ会から出版されている『古文読解46入門編』などを用いて、読解演習に取り組むことをおすすめします。
古典文法基礎ドリルの後に進むべき教材を志望校別に紹介
大東亜帝国レベル(SS50程度)が志望校
大東亜帝国の大学群を志望している方は注意です。
大東亜帝国の国語の入試では古文が不必要な可能性が高いです。
ただし、一部の文学部では出題される可能性もあるので自身の志望大学や学部に古文が必要か確認しておきましょう。
日東駒専レベル(SS55程度)が志望校
日東駒専の大学群では国語の入試科目に古文が出題される可能性が上がります。
本書の後はZ会より出版されている、『古文上達入門編』を用いて文中の中で読解を中で文法の確認を行いましょう。
また、本書だけでは文法の練習量に不安がある方については同シリーズである『ステップアップノート30古文文法トレーニング』で練習量を確保することをおすすめします。
成成明國獨武レベル(SS60程度)が志望校
成成明國獨武の大学群の国語の入試は大学によって古文の有無が異なります。
大学名 | 現代文 | 古文 |
---|---|---|
成蹊大学 | あり | あり |
成城大学 | あり | あり |
明治学院大学 | あり | あり |
獨協大学 | あり | なし |
國學院大学 | あり | あり |
武蔵大学 | あり | 選択式 |
獨協大学を志望する人と武蔵大学を志望する人は注意が必要です。
獨協大学と武蔵大学の現代文型の入試を検討していない人は以下のGMARCHを志望している人を参照下さい。
GMARCHレベル(SS65程度)が志望校
GMARCHレベルの古文は日東駒専の大学群に比べて古文の文章も難易度が上がり、単純な助動詞や敬語の識別だけを問う文法の問題よりも内容一致の設問も増えるため、前述の『古文上達入門編』の後に、河合より出版されている『中堅私大古文演習』で演習量を積みましょう。
GMARCHレベルの古文で合格点を目指す人はその後赤本で過去問題演習に取り組みましょう。
GMARCHレベルの古文で高得点を目指したい。という人は同じく河合より出版されている『「有名」私大古文演習』に進み、その後は赤本を用いて過去問に慣れていきましょう。
早慶上智レベル(SS70程度)が志望校
早稲田大学と上智大学を志望している人は先ほどの『「有名」私大古文演習』の後に同シリーズの『首都圏「難関」私大古文演習』に取り組み、より高難易度の読解の練習を行い、その後は志望学部の赤本を用いた過去問演習に移行しましょう。
特に早稲田大学については志望学部の過去問題に慣れて置くことが一番の対策が鍵となるため、多くの時間を過去問題の研究に充てましょう。
慶應義塾大学については国語の入試は小論文となるためそもそも志望校として検討するか、併願先はどうするかも含め考えておく必要があります。
最後に
いかがでしたか?
今回は河合より出版されている『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』についてまとめてみました。
古文の読解演習必要な文法部分にフォーカスし、最低限必要である知識がコンパクトにまとまっており、初学者であって古典文法勉強する上で始めの1冊、基礎固めとして最適かと思います。
この記事を読んで自分に本書がピッタリだと思った方はぜひ取り組んでみて下さい。