・産業能率大学と亜細亜大学のどちらに進学すべきか悩んでいる。
・産業能率大学と亜細亜大学のどちらが就職に有利かなど卒業後の進路に差があるか知りたい。
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、産業能率大学は作業改善を目的とした産業能率研究所、亜細亜大学は経済専門学校というルーツがあり、実学やビジネスを学ぶことに力を入れている点においてカラーが似ています。両大学の偏差値は若干、産業能率大学の方が高いですが、大きな差はありません。ただし、産業能率大学には亜細亜大学にある法学部、経済学部、国際関係学部、都市創造学部がないため、注意が必要です。両大学の卒業後の進路は、産業能率大学からの有名企業への就職率は公表されておらず、亜細亜大学からの有名企業への就職率は4%と亜細亜大学に軍配が上がります。
産業能率大学と亜細亜大学を数字で比べてみる
産業能率大学 | 項目 | 亜細亜大学 |
0% | 有名企業就職率 | 4% |
57.5pt | 偏差値 | 54.2pt |
535.8pt | 立地 | 573.5pt |
40.0名 | 講師1人当たり学生数 | 32.4名 |
3956名 | 学生数 | 6707名 |
2学部 | 学部数 | 5学部 |
レーダーチャートで確認すると、産業能率大学と亜細亜大学では似通った形ではあるものの、両校を比較すると特徴としては産業能率大学の方が亜細亜大学よりも偏差値が高い一方で、学部数、学生数から産業能率大学よりも亜細亜大学の方が規模が大きく、多様性も多いことが挙げられます。
また、両校に言えることですが、講師1人当たりの学生数については非常に多く、講師1人当たりの学生数は産業能率大学が39.9名、亜細亜大学が32.4名と非常に多い数値となっており、この両校の数値は当サイトユニサプ調べでは、主要な私立大学の中でワースト1.2位となっています。
そのため、大学に手厚さという点を求めたいという人にはどちらもあまりおすすめできません。
各学部の偏差値で比較する
産業能率大学 | 順位 | 亜細亜大学 |
学部-偏差値 | 学部-偏差値 | |
経営 58pt | 1位 | 国際関係 57pt |
情報マネジメント 57pt | 2位 | 経済 55pt |
– | 3位 | 経営 55pt |
– | 4位 | 法 54pt |
– | 5位 | 都市創造 50pt |
– | 6位 | – |
– | 7位 | – |
– | 8位 | – |
– | 9位 | – |
– | 10位 | – |
上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。
表からも分かる通り、産業能率大学には経営学部と情報マネジメント学部の2学部しかありません。
亜細亜大学は全ての学部が武蔵境のワンキャンパスですが、産業能率大学の経営学部は自由が丘キャンパス、情報マネジメントは神奈川県伊勢原市にある湘南キャンパスとなるため注意が必要です。
卒業後の進路で比較する
産業能率大学 | 順位 | 亜細亜大学 |
企業(人数) | 企業(人数) | |
キョードー東北 1人 | 1位 | 警察官 10人 |
サーベイリサーチセンター 1人 | 2位 | 日本通運 4人 |
アイスタイル 1人 | 3位 | 東日本旅客鉄道 4人 |
あとらす二十一 1人 | 4位 | システナ 4人 |
NECソリューションイノベータ 1人 | 5位 | 青梅信用金庫 4人 |
NTT東日本南関東 1人 | 6位 | 明治安田生命保険 4人 |
伊藤園 1人 | 7位 | 富士ソフト 4人 |
伊藤製パン 1人 | 8位 | マンパワーグループ 4人 |
神奈川銀行 1人 | 9位 | 陸上自衛隊 3人 |
ジブラルタ生命保険 1人 | 10位 | 日神不動産 3人 |
上記は大学ごとの就職先データを掲載しているパスナビより2022年度の最新のデータを引用したものです。
※産業能率大学の就職先については、公式HPで実数が公表されていなかったため、著名な就職先を抜粋し、1名でカウントしています。
前提として、先ほどのレーダーチャートの通り、有名企業への就職率はどちらの大学も厳しい結果となっていますが、産業能率大学の卒業生の有名企業への就職率は公表されていない一方で、亜細亜大学の卒業生の有名企業への就職率は4%と亜細亜大学に軍配が上がります。
両校の卒業生の進路を比較すると、産業能率大学の卒業生の進路にはあまり一貫性がなくバラバラなため、特定の職種に強いという面はあまり見えないことに対し、一方の亜細亜大学の卒業生の進路では一番多い進路が警察官となっており、2番目以降は一般企業である日本通運、東日本旅客鉄道などが続くことが分かります。
産業能率大学と亜細亜大学のおすすめの学部は?
ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。
ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。
産業能率大学のおすすめの学部
産業能率大学のおすすめ学部は経営です。
産業能率大学の経営学部の最大の特徴としては、1年次からゼミが始まり、2年次からはコースの選択、3年次からはユニットの選択を行うことができ、自身の興味や進路によりマッチした学びを得る機会があることが挙げられます。
コースは将来、海外でも通用するディベートやプレゼンテーションを身につけることを目的としたグローバルコミュニケーションコース、リーダーシップのあり方を学ぶビジネスリーダーコース、接客のプルフェッショナルを学ぶホスピタリティコース、アイディアのフレームワークを学ぶビジネス経営コースの5種類から選択することができます。
ユニットは、コミュニケーションスキル、コーチングスキルを学ぶ心理コミュニケーション、地域課題解決を目的とした地域創生、SNSを通じたマーケティング戦略を学ぶメディアコミュニケーション、商品企画に必要なマーケティング知識、業務マネジメントについて学ぶ商品企画、店舗のフィールドリサーチで実践力を磨くショップビジネスの中から選択することができます。
4コース×5ユニットの多種多様な組み合わせの選択があることは非常に大きなメリットと言えます。
亜細亜大学のおすすめの学部
亜細亜大学の経済学部では、1年次では経済学の基本の講義、2年次からは簿記などの資格取得を目指した会計ファイナンスコースと、キャリア形成のために、ビジネスコミュニケーション能力を培う、現代経済コースから選択することができます。
さらに、亜細亜大学の経済学部には、企業の代表取締役や役員、部長クラスの人物を講師として招く外部講義が用意されています。
一般的な大学生が普段なかなか接することのない、企業の取締役や役員と関われる機会があることは非常に魅力的です。
亜細亜大学の経営学部では1年次からアクティブラーニング学習などを通して、コミュニケーション能力向上を図るカリキュラムとなっています。
1年次より企業への面談アポイントの取得、情報収集、資料作成、最終的にプレゼンテーション大会を通じて発表といったカリキュラムが用意されています。
産業能率大学と亜細亜大学がおすすめな人は?
産業能率大学がおすすめな人
先述の通り、産業能率大学の経営学部では4コース×5ユニットから自身の希望する学びを進学後に選択することができます。
大学受験の前に将来の自分のやりたいことやキャリアについて考えた上で大学に進学できれば理想ですが、そこまで考えられている学生はそう多くないと思います。
経営のことに興味があったり、何となく経営学部を志望しているが、詳細は決まっていない人については、大学で経営のことを学びながら、前述の4コース×5ユニットの選択肢の中からある程度の方向性は決めながらも20もの組み合わせの中から進学後に選ぶことできる、産業能率大学の経営学部が非常におすすめできます。
産業能率大学がおすすめではない人
先述の通り、産業能率大学の経営学部の特徴は4コース×5ユニットの選択肢の中から希望の進路が選べることが強みでした。
お気付きの人もいるかも知れませんが、この4コース×5ユニットの中に、簿記や会計学の資格取得をどんどん進めていくものは含まれてません。
どのコース、どのユニットも魅力的なものではありますが、実学の資格取得という点には強みが見えないため、在学中に簿記や会計学の資格取得をしたい人には産業能率大学はあまりおすすめできません。
亜細亜大学がおすすめな人
繰り返しになりますが、亜細亜大学は座学以外のコミュニケーション向上にも力を入れている大学になります。
企業が学生に求める能力として文系、理系問わず上位に挙がるコミュニケーション能力ですが、高校生の考えるコミュニケーションと企業の考えるビジネス上でのコミュニケーションにはギャップがあります。
ビジネスに置けるコミュニケーションは単に人前で堂々と話せることや、人見知りしないということではありません。
一例としては、時には社内外に問わず、相手により伝わる言葉を選び、説得する力なども含まれます。
こうした能力は本を読んだだけで一朝一夕で身に付くものではなく、実際の経験の積み重ねが必要となるため、ビジネス上でのコミュニケーションを学びたい人にはそうしたチャンスが多い亜細亜大学がおすすめできます。
亜細亜大学がおすすめではない人
亜細亜大学の卒業生の進路を見てみると、警察官を除く公務員や、金融系の職業に就職している学生がほとんどいない状況でした。
当然、学生の性格や向き、不向きもありますが、亜細亜大学のカリキュラムでは、比較的コミュニケーション能力向上に力を入れているため、コツコツ公務員の勉強に取り組んだりしたい人にはおすすめできません。