・産業能率大学と流通経済大学のどちらに進学すべきか悩んでいる。
・産業能率大学と流通経済大学のどちらが就職に有利かなど卒業後の進路に差があるか知りたい。
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、なんとなく経営学に興味がある人は産業能率大学、流通分野の経済・経営に興味がある人や資格取得に力を入れたい人ならば流通経済大学がおすすめです。両大学の就職先を比較するとどちらの大学からも有名企業への就職率はノーデータとなっているため、有名企業への就職は厳しい結果となっています。しかし、どちらの大学からも有名企業へ進む人が0ではないため、将来有名企業への就職を希望している人は大学入学後に早期から自身で努力する必要があります。ただし、両大学の立地を考えると産業能率大学のメインキャンパスは東京都の世田谷区、流通経済大学のメインキャンパスは茨城県の龍ヶ崎のため、東京都での就職を検討している人は就職活動の際の交通の費用や移動時間のことなどを考えると産業能率大学が良いかと思います。
産業能率大学と流通経済大学を数字で比べてみる
産業能率大学 | 項目 | 流通経済大学 |
0% | 有名企業就職率 | 0% |
57.5pt | 偏差値 | 48.4pt |
535.8pt | 立地 | 445.0pt |
40.0名 | 講師1人あたり学生数 | 11.4名 |
3956名 | 学生数 | 4191名 |
2学部 | 学部数 | 5学部 |
産業能率大学と流通経済大学の比較をまとめると上記のようなレーダーチャートと表になります。
両大学を比較すると偏差値については産業能率大学の方が流通経済大学よりも10pt近く高く、圧勝となっています。
また、立地についても流通経済大学のメインキャンパスが茨城県の龍ケ崎キャンパスに対し、産業能率大学のメインキャンパスは東京の世田谷区等々力にある自由が丘キャンパスとなるため、この点についても産業能率大学に軍配が上がります。
一方で、学部数については流通経済大学が産業能率大学の2倍の5学部あり、講師1人当たりの学生数については4倍もの差があり圧倒していることが分かります。
また、共通して有名企業就職率についてはどちらの大学もノーデータとなっており、なかなか厳しい状況であることが分かります。
各学部の偏差値で比較する
産業能率大学 | 順位 | 流通経済大学 |
学部-偏差値 | 学部-偏差値 | |
経営 58pt | 1位 | 経済 51pt |
情報マネジメント 57pt | 2位 | 法 50pt |
– | 3位 | 社会 49pt |
– | 4位 | スポーツ健康科 47pt |
– | 5位 | 流通情報 45pt |
上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。
先述の通り、偏差値については産業能率大学の2学部が流通経済大学のどの学部よりも高い結果となっています。
卒業後の進路で比較する
産業能率大学 | 順位 | 流通経済大学 |
企業(人数) | 企業(人数) | |
キョードー東北 1人 | 1位 | NX商事 1人 |
サーベイリサーチセンター 1人 | 2位 | 積水ハウス 1人 |
アイスタイル 1人 | 3位 | 日本郵便 1人 |
あとらす二十一 1人 | 4位 | コストコホールセールジャパン 1人 |
NECソリューションイノベータ 1人 | 5位 | セブンネット 1人 |
NTT東日本南関東 1人 | 6位 | 三菱ケミカル物流 1人 |
伊藤園 1人 | 7位 | サントリーロジスティクス 1人 |
伊藤製パン 1人 | 8位 | 日本通運 1人 |
神奈川銀行 1人 | 9位 | 清水建設 1人 |
ジブラルタ生命保険 1人 | 10位 | 札幌国税局 1人 |
上記は大学ごとの就職先データを掲載しているパスナビより2022年度の最新のデータを引用したものです。
※どちらの大学もユニサプ調査では、就職先の実数については未公表であるため1名でカウントしており、産業能率大学は3年分の累計データであるため、その点にはご注意下さい。
先ほど、両大学からの有名就職率はノーデータであったことを記載した通り、どちらの大学からも有名企業への就職はなかなか厳しいと言えます。
そのため、どちらの大学からも有名企業を目指したい場合は、在学時から早めに就職活動に向けた準備も必要になると言えます。
産業能率大学と流通経済大学のおすすめの学部は?
ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。
ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。
産業能率大学のおすすめの学部
産業能率大学のおすすめ学部は経営学部となります。
産業能率大学の経営学部の最大の特徴としては、2年次からはコースの選択、3年次からはユニットの選択を行うことができ、入学後に自身の興味や進路によりマッチした学びを得る機会があることが挙げられます。
2年次から選択できるコースは4種類あり、海外でも通用するディベートやプレゼンテーションを身につけることを目的としたグローバルコミュニケーションコース、リーダーシップのあり方を学ぶビジネスリーダーコース、接客のプロフェッショナルを学ぶホスピタリティコース、アイディアのフレームワークを学ぶビジネス経営コースとなります。
3年次から選択できるユニットは5種類あり、コミュニケーションスキルやコーチングスキルを学ぶ心理コミュニケーション、地域課題解決を目的とした地域創生、SNSを通じたマーケティング戦略を学ぶメディアコミュニケーション、商品企画に必要なマーケティングや業務マネジメントについて学ぶ商品企画、店舗のフィールドリサーチで実践力を磨くショップビジネスとなります。
4コース×5ユニットの組み合わせの中から自身の希望や興味に合わせて学べることは学びの選択肢の幅が多いためおすすめできます。
流通経済大学のおすすめの学部
流通経済大学は日本通運の支援を受けて発足した大学であり、建学の精神として実学主義を掲げています。
流通経済大学設立当初よりある経済学部をおすすめしたいと思います。
流通経済大学の経済学部は経済学科と経営学科の2つの学科に分かれ、経済学科では1年次に経済学の基礎から発展までを学び、2年次は建学の精神でもある実学主義に基づき、現代社会の問題と解決策を考える力を養成します。
経営学科の特徴としては、現役の社長を招いての「起業家育成講座」や卒業生の税理士による講義など講義が受けられる点、ゼミ生全員で簿記検定や経営学検定、マネジメント検定取得に取り組むゼミもあり資格取得にも力を入れている点が挙げられます。
先ほど、流通経済大学は企業からの支援の元、発足した大学であることを記述しました。
企業からの支援は現在としても残っており、流通経済大学では野村証券日本通運などの寄付講座を受講することができます。
一例として日本通運からの寄付講座では流通分野における経済活動について学ぶことができます。
そのため、特に流通分野の経済学について学びを深めやすく、実学の資格取得にも力を入れているためおすすめです。
産業能率大学と流通経済大学がおすすめな人は?
産業能率大学がおすすめな人
産業能率大学がおすすめできる人は経営学になんとなく興味があったり、大学で経営学について学びたいけれど、具体的な内容についてはこれから考えたい人におすすめできます。
産業能率大学のおすすめ学部で挙げた通り、産業能率大学のおすすめ学部である経営学部の特徴は、2年次に4種類のコースの中から希望のコースを選択し、3年次に5種類のユニットから希望のユニットを選択することが特徴でした。
そのため、大学入学後に実際に経営学の学びに取り組みながら、より具体的な自身が学びたい分野をゆくゆく選択出来ることができます。
先述の通り、産業能率大学のメインキャンパスは東京都世田谷区にあります。
産業能率大学から有名企業への就職率はノーデータとなっているために、産業能率大学から有名企業への就職率は個人の努力に大きく委ねられると言えます。
関東県の各県に本社を置く上場企業数を比較すると、東京都の上場企業数が約2000社に対し、千葉県の上場企業数が52社、茨城県の上場企業数が14社と東京都が圧倒しています。
就職活動では、企業訪問やインターンで本社に足を運ぶ必要があるため、大企業への就職を考えている人は、選択肢の数や移動の時間、交通費の面などで東京都にキャンパスがある産業能率大学が立地の面で有利な環境にあると言えます。
産業能率大学がおすすめではない人
産業能率大学をおすすめできない人は資格取得に力を入れたい人になります。
先ほど、産業能率大学の経営学部の強みとして4コース×5ユニットの組み合わせで学びの選択肢があることを述べましたが、この4コース×5ユニットの選択肢の中に実学の簿記や会計学などの資格取得に注力とした候補はありません。
そのため、簿記取得の講座などは設けられているものの、周囲の環境などを考えると、自身で取り組む必要がかなりあると想定されるため、実学の資格取得に力を入れたい人に産業能率大学はあまりおすすめできません。
流通経済大学がおすすめな人
流通経済大学がおすすめできる人は流通分野に興味がある人や実学の資格取得に力を入れたい人となります。
先ほど記述しましたが、流通経済大学設立の背景には日本通運の支援があり、流通経済大学の建学の精神には実学主義であることが挙げられます。
流通経済大学では現在でも企業からの支援は続いており、野村証券や日本通運などの寄付講座を受講することができるため、特に流通分野の領域について他大学よりも学びを深めやすい環境と言えます。
また、建学の精神の実学主義は現在でも実学の資格取得に力を入れている大学であるため、ゼミ生一丸となって全員で簿記などの資格取得を志すゼミもあります。
そのため、自身が資格取得を志す人であれば周囲の環境のことを考えても学びを深めやすく、同じ目標を持った人が多い環境であるため、大学では実学の資格取得に励みたい人に流通経済大学がおすすめです。
流通経済大学がおすすめではない人
経済や経営の分野になんとなく興味はあるけれど、学びたい分野の詳細は決まっていない人や、大学入学後に学びたい分野を検討したい人には流通経済大学はおすすめできません。
繰り返しとなりますが、流通経済大学は設立の背景や建学の精神からも特に流通分野についてより学びが深めやすい環境であったり、実学の資格取得に力を入れている大学になります。
そのため、なんとなく経済、経営学に興味があるからと言って進学してしまうと、進学後にミスマッチが起きてしまう可能性があります。
また、先述の通り流通経済大学のメインキャンパスは龍ヶ崎にあります。
繰り返しになりますが、東京都と比較すると、茨城県に本社を置く上場企業は圧倒的に少ないため、選択肢の数や就職活動のことを考えると大企業への就職を考えている人にはあまりおすすめできません。