・青山学院大学と立教大学のどちらに進学するべきか悩んでいる。
・青山学院大学と立教大学の間には偏差値や就職力に差はあるの?
・ミッション系大学とは一体何?宗教色は強いの?
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、青山学院大と立教大学はどちらも優れた大学であり、どちらに進んだとしても満足できる可能性が高いです。両大学の間には偏差値や就職力にほとんど差はありませんが、それぞれの大学に強みとなる業界があります。ミッション系大学とはキリスト教に関係が深い人物が創立した大学のことを指します。両大学とも多様な人間を受け入れる大学であるため、信条にこだわることなく進学して問題ありません。
青山学院大学と立教大学を数字で比べてみる
青山学院大学 | 項目 | 立教大学 |
30.1% | 上場企業就職率 | 26.0% |
60pt | 偏差値 | 61pt |
4,328pt | 立地 | 3,447pt |
568名 | 講師数 | 618名 |
18,077名 | 学生数 | 19,380名 |
11学部 | 学部数 | 10学部 |
まず概観ですが、青山学院大学と立教大学は非常に似通ったチャートの形をしています。
目立った差といえば青山学院大学が渋谷にキャンパスを持っていることに対し、立教大学が池袋にキャンパスを持っており、都心へのアクセスや立地の力によって若干青山学院大学の図が大きくなっています。
渋谷池袋ともにどちらも言わずと知れた繁華街になっており、大学在学中ではそれぞれの街を中心とした生活を送ることになるでしょう。
東京都外から両大学への進学を考えている受験生にとってはどちらが過ごしやすいか判断しかねることもあるかと思いますが、どちらの街も非常に栄えていることは言うまでもありませんが、就職活動などを踏まえた都心のアクセスもどちらも良好ですのでご安心ください。
その他、学力や就職力、大学での学びの環境は両大学とも非常にハイレベルになっているので、自身の学びたい内容や校風などから大学を選定すると良いでしょう。
各学部の偏差値で比較する
青山学院大学 | 学部系統 | 立教大学 |
学部(偏差値) | 学部(偏差値) | |
法 (75) | 法律政治 | 法 (74) |
経営 (75) | 経済経営 | 経済 (73) |
経済 (73) | 経営 (77) | |
社会情報 (70) | 社会 | 社会 (74) |
総合文化政策 (76) | 文化 | 文 (73) |
文 (75) | ||
国際政治経済 (76) | 国際 | 異文化コミュニケーション (77) |
教育人間科 (75) | 教育 | – |
理工 (67) | 理工 | 理 (69) |
地球社会共生 (71) | その他 | 現代心理 (77) |
観光 (72) | ||
コミュニティ福祉 (69) | ||
コミュニティ人間科 (67) | スポーツウェルネス (68) |
上記はベネッセ主催の駿台ベネッセ模試のデータを掲載しているマナビジョンより2022年度の最新のデータを引用したものです。
偏差値に関しては両大学とも非常に高い数値をマークしていますが、中でも偏差値が高い学部に関する傾向が似通っていることが特徴として挙げられます。
同等の難易度を誇るGMARCHの中でも明治大学・中央大学・法政大学などの実学重視の大学と比べて、国際系や人文科学系の学部の偏差値が高い大学となっており、青山学院大学・立教大学ともにアカデミックな環境です。
国際系や人文科学系は女性に人気の領域といったこともあり、両大学は女子学生比率が50%を超えていることも特徴として挙げられます。
青山学院大学では、看板となる学部が伝統の文学部と近年人気の国際政治経済学部になり、どちらも語学に関する学びを中心とした学部となっています。
対する立教大学では、経営学部が通年人気がありますが、それに加えてGMARCH唯一の心理系である現代心理学部や国際教育に力を入れている異文化コミュニケーション学部等も人気になっています。
上場企業への就職力で比較する
青山学院大学 | 順位 | 立教大学 |
企業(人数) | 企業(人数) | |
教員 (87) | 1 | 東京都特別区 (48) |
日本航空 (39) | 2 | 三菱UFJ銀行 (30) |
全日本空輸 (35) | 3 | 全日本空輸 (28) |
三菱UFJ銀行 (28) | 4 | 日本航空 (25) |
楽天 (23) | 5 | りそなグループ (23) |
野村証券 (22) | 6 | 三井不動産リアルティ (21) |
あいおいニッセイ同和損保 (20) | 7 | 国家公務員一般職 (21) |
三井住友海上火災保険 (19) | 8 | 三井住友海上火災保険 (20) |
三井住友銀行 (19) | 9 | あいおいニッセイ同和損保 (18) |
東京都特別区 (18) | 10 | 日本生命保険 (18) |
就職先について比較をするとまず目につくのが、青山学院大学の教員採用者数の多さとなっており、立教大学ではベスト10までに教員は入っていません。
出身大学によって教員採用の有利不利が決まることはありませんが、教員を目指す上で必要な情報を取得することやモチベーションをキープする上では青山学院大学に分があると言えます。
どちらの大学も語学に力を入れているため、日本航空や全日本空輸などの国際色が強い企業の人気が高いことも他のGMARCHにはない傾向となっています。
その他の傾向としては両大学とも公務員や間口の広い金融系の企業が人気となっており、この点は大差がありません。
青山学院大学と立教大学のおすすめの学部は?
ここまでは全体的な項目に加え、受験生が気になる偏差値や就職力について比較してきました。
ここからは両校の得意な分野を踏まえ、多くの学部の中からさらにおすすめできる学部の紹介を行っていきます。
青山学院大学のおすすめの学部
青山学院大学の文学部には英語の青山と呼ばれる所以となった英米文学科があります。
英米文学科では英語と英米文学の学習を通して、語学の習得だけでなく、生活・文化・歴史・風土の理解を行うことで国際的なコミュニケーションができる人材を育成することを目標としています。
英米文学科に設置されているIntegrated English (IE)プログラムではネイティブスピーカーがレベルに応じた授業を受け持つことで、英語の4技能を向上させる仕組みが整っており、英語を通して社会や文化を学ぶことが可能となっています。
青山学院には国際政治経済学部があり、英米文学科のように英語を学ぶことはもちろんですが、それと同時に専門性も磨くことが可能な学部となっています。
英語はあくまで語学であるため、英語を用いて世界で活躍する人材を目指すのであれば国際政治経済学部は非常におすすめの学部であると言えます。
国際政治経済学部では国連職員や実業界で活躍するビジネスパーソンを国内に限らず国外からも招聘することで、大学の中で学ぶだけでは得られないリアルな声を見聞きすることが可能となっています。
どちらの学部も今後ますます進むであろうグローバル化の流れの中で活躍する人材を目指す上で最適な学部と言えるでしょう。
立教大学のおすすめの学部
立教大学は全体として人文科学系に強い大学であり、その中でも現代心理学部と観光学部は他大学にない魅力を備えた学部であると言えます。
現代心理学部は創設70年を超える日本の私学における心理学教育の先駆け的な学部であり、社会・認知・発達・臨床といった様々な範囲の心理学を広くカバーしていることが特徴として挙げられます。
心理学部というと特定の心理学のみを扱う大学も多く、入学後に自身が学びたいと思っていた心理学と設置されている講座の乖離が起こることもしばしばあります。
そういう危険性がなく、入学後にゆっくりと学びたい範囲と進路を考えることができる点が非常に魅力です。
また、観光学部は1998年に日本で初めて設置された観光学を専門に学ぶ学部であり、観光をビジネスや社会としての側面から学ぶことができます。
観光事業をどうマネタイズしていくのかを座学で学びつつ、フィールドワーク等も行うことで実践的な知を得ることが可能となっている学部であり、卒業生の多くが観光業界や街づくりとしての不動産業界などに就職することも特色としてあげることができます。
現代心理学部と同様に観光学部もGMARCHの中で唯一の観光学を専門とする学部のため非常に人気が高いです。
立教大学経営学部は伝統があり非常に人気ではありますが、同系統のビジネス学部となると明治大学や中央大学といった実学重視の大学の方が人気の傾向もあり、それらの他大学も候補に入れても良いでしょう。
ちなみにここでは青山学院大学との比較のため割愛しましたが、立教大学も文学部や英語教育に非常に強みを持った大学であるため、文学部や異文化コミュニケーション学部に興味がある場合はもちろんおすすめできます。
青山学院大学と立教大学がおすすめな人は?
青山学院大学がおすすめな人
ここまで述べてきた通り、青山学院大学は文学部英米文学科や国際政治経済学部を擁しており、外国語の習得と利用に長けた大学であると言えます。
立教大学も英語教育に力を入れているという特徴を持ちますが、英語の青山のブランド力は非常に強く、国際系企業での活躍はもちろん、英語教育の教員においても一目を置かれる大学です。
また多くの大学で国際系学部が人気ではありますが、国際政治経済学部のように専門性と語彙力の両立を目指す大学は多くありません。
英語はあくまで語学であり専門性ではないため、英語が話せるだけでは実社会での強みにはなりません。
英語を使って活躍する人材を目指すのであれば青山学院大学が優れていると言えるでしょう。
青山学院大学がおすすめではない人
立教大学と比して、青山学院大学には心理学や観光学を学ぶ学部はありません。
教育人間学部の中に心理学科がありますが、立教大学と比較すると授業のバリエーションが大きく見劣りすることがネガティヴなポイントとなります。
立教大学現代心理学部には30名の教授が在籍しており、青山学院大学教育人間学部心理学科には4名の教授が在籍しています。
教授の数は研究されているテーマの数に直結するため、両大学の間で心理学を専攻したい受験生にとっては青山学院大学は不向きになります。
観光学部に関しては青山学院大学には学科すら設置されていないので青山学院大学を選ぶ理由はないでしょう。
立教大学がおすすめな人
立教大学には他大学にない独自の学部である現代心理学部と観光学部があります。
青山学院大学の項でも記載しましたが、立教大学には30名の教授が在籍しており、これは他大学の心理学部と比しても非常に多い点が魅力になります。
心理学は社会・認知・発達・臨床といった主要なテーマに分かれていますが、それらを入学後に基礎を学んだ上に検討できる懐の深さが立教大学現代心理学部にはあります。
青山学院大学含め、偏差値60以上の難関大学の中でも心理学部を持っている大学は立教大学のみとなっており、心理学を専攻したい場合は唯一無二の学部と言えるでしょう。
観光学に関しても専門とする大学はほぼなく、ビジネスとしての観光を学びたい受験生は立教大学を候補に入れるべきでしょう。
立教大学がおすすめではない人
両大学の就職先の項で説明した内容になりますが、教員の採用に関しては青山学院大学に完全に軍配があがります。
立教大学の教員養成は名門とされていますが、教員として採用される学生の数は教員を志望する学生の数に比例して多くなるため、教員を志望するのであれば青山学院大学を先に検討するべきでしょう。
教育学を専攻している場合を除き、教職過程を在学中に修了することは非常に負荷がかかるため、同じ志を持った学生が多い方がモチベーションを維持する点から見ても優れていると言えるでしょう。