関東圏の私立大学として非常に人気が高い早慶GMARCHですが、その中でも早稲田大学と明治大学の2校はライバル関係または、明治大学からのライバル意識がある2校として有名です。
2校では多くの学部が偏差値60台後半をマークしており、早稲田大学の人気を脅かすほどの明治大学の急成長が注目されます。
多くの受験生は早稲田大学と明治大学の2校であれば早稲田大学を選択することも多いかと思いますが、早稲田大学と明治大学の情報をさらに掘り下げることで悔いのない受験の手助けができればと思います。
学力だけでなく、将来性なども加味して多面的な大学選びができるようにしましょう。
早稲田と明治はどんな大学?
学力的な活躍はもちろんですが、東京六大学野球をはじめとしたスポーツでも非常にレベルの高い大学である早稲田大学と明治大学です。
それぞれの大学の良さや特徴を改めて確認してみましょう。
ちなみに早慶上智は全世代知名度がある大学群ですが、GMARCHは比較的若い世代に利用される大学群です。
年配の世代になると東京六大学という大学群が一般的で、GMARCHは伝わらない可能性もあるので注意が必要です。
ちなみに、東京六大学とは早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、立教大学、東京大学の6つの大学で構成される大学野球連盟であり、日本で最も古い大学野球リーグです。
早稲田大学はどんな大学?
1874年に設立された東京専門学校が起源の大学で、日本史の教科書でも習ったことがあるであろう大隈重信が設立した大学でもあります。
東京新宿区の早稲田にメインキャンパスを構えており、その他のキャンパスも都内各所や埼玉県に持ち、基本的に都内へのアクセスが優れている大学といえます。
学業、スポーツ共に全国的に非常に著名であり、若年層から年配までの各世代からの評価が高い大学でもあります。
学生の気質としては全国から多くの学生を集める大学のため一概には言えませんが、男性女性共に非常に元気な学生が多く、学業や学業外でも全力で楽しむ学生が多い傾向にあります。
学生数が約4万人と大規模であり、男女比は7:3で大西の方が多くありますが、女性の元気さも決して負けていません。
政治経済学部、法学部、文学部、教育学部、商学部、文化構想学部、人間科学部、スポーツ科学部、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部を備えています。
明治大学はどんな大学?
明治大学は1881年に明治法律学校として設立された学校が起源となる大学です。
東京の中心である千代田区の御茶ノ水のメインキャンパスを置く超都会型の大学で、日本各地から多くの受験生を集め全国区の人気を誇ります。
世間からの評価としては勉学よりはスポーツの印象が高く、六大学野球などは特に年配の方々からの人気も高いですね。
学生の気風としては元気一杯という風情で、バンカラ(ハイカラの逆)系大学の筆頭というイメージでしたが、近年では中性的な男子も増え、女子の人気も目立っています。
また私大の雄である早稲田大学志望であった学生が多く存在しており、打倒早稲田のマインドは明治大学に強く流れています。
学生数は約3万人とかなりの規模であり、男女比はおおむね7:3で男子が多くなっています。
文部科学省の調査では全国の大学生の比率は男子54.9%、女子45.1%となっているので若干男性が多い環境と言えますね。
法学部、商学部、政治経済学部、文学部、経営学部、情報コミュニケーション学部、国際日本学部、総合数理学部、理工学部、農学部を抱えており、医学を除いた基本的な学問は学ぶことが可能となっています。
早稲田と明治、どっちの大学がおすすめ?
ここまで早稲田大学、明治大学のそれぞれの特徴を書いてきましたが、どちらの大学も異なる魅力を備えており、世間的にも評価されている大学と知ることができました。
世間一般的には早慶上智の早稲田大学と、GMARCHの明治大学には開きがあるように思えますが、果たして一概に決めて良いのでしょうか。
もちろん両大学とも人気の大学ではありますが、全ての人にとって素晴らしい大学というのは存在しないため、自分自身にとってどちらの大学がよいか考えてみましょう。
早稲田と明治の大学ブランド力を比べてみると?
早稲田大学 | 明治大学 | |
---|---|---|
上場企業就職率 | 上場企業就職率 | |
36.7% | 28.9% | |
大学偏差値 | 大学偏差値 | |
66pt | 59.5pt | |
立地スコア | 立地スコア | |
2,997pt | 3,996pt | |
講師数 | 講師数 | |
1,819名 | 1,005名 | |
学生数 | 学生数 | |
39,573名 | 30,526名 | |
学部数 | 学部数 | |
13個 | 10個 |
上記の表とグラフは、ユニサプで調査したそれぞれの項目を偏差値化したのち、レーダーチャートにプロットしたものです。
こちらの表とグラフを見ると、全体的にはやはり早稲田が優勢になっております。
唯一明治が早稲田に優越したポイントとしては、御茶ノ水にある駿河台キャンパスの立地力になります。
立地力はただの都会度とだけは図ることができない項目で、この項目の強さは就職活動の有利さにもつながっていきます。
やはり学生に人気の企業は都心に位置することが多く、都心のキャンパスにいる学生は就職活動をしやすいという性質があります。
もちろん早稲田も都会の中にキャンパスを持っている大学であるため、この点は比較優位に過ぎません。
その他の項目である就職力や学力、そして偏差値等は早稲田が明治を圧倒している点が見て取れますね。
ただの数字のみで考えると早稲田と明治では早稲田がおすすめといえるでしょう。
ここまでは定量的なデータで判断しましたが、ここからは定性的なデータで判断していきましょう。
早稲田大学がおすすめな人は?
①多様な人間と出逢いたい
早稲田大学の強みはなんといってもその大学に集まる人間の多様性です。
以前のような早稲田を体現したような特殊な学生は少なくなりましたが、いまだに早稲田大学の人間交差点感は強いと感じます。
日本の私立大学の中でトップである奨学金支給総額からもわかるように、経済状況や住まいに関係なく学力さえカバーできれば早稲田大学の門戸を開くことは可能です。
立地上学生の多くは関東圏に出身にはなりますが、日本全国や世界から多くの学生が通う早稲田大学では今までのコミュニティの中では出会うことのできなかった友人に会うことができます。
②大学ブランドに拘りたい
大学ブランドに拘りたい方なら早稲田大学が圧倒的におすすめになります。
早稲田大学は慶應義塾大学と並び私大トップクラスの知名度を誇り、大学としてのブランド力も他の大学を突き放しています。
早慶上智とGMARCHでは難易度の差以上に知名度の差があると考えて良いでしょう。
引用:日経メディアマーケテイング
上記表は日経メディアマーケティングでリサーチされた大学のブランド力調査になります。
該当大学の学生の語学力の高さや、大学全体を通しての地域への貢献度等を数値化することで大学のブランド力を比較しています。
早稲田大学は東京大学に次いで2位という結果となり、上位国公立大学の一橋大学や東京工業大学等を抑えた数値となっています。
対して明治大学は7位という結果となっており、順位としては悪くないものの早稲田大学には水をあけられた結果となっています。
私自身も早慶とGMARCHの印象の差を肌で感じることは多く、算出される数字以上に早計のブランド力の高さを思い知ります。
③大学生活を充実させたい
大学生活の充実度に関しても早稲田大学に軍配が上がるでしょう。
この点に関しては明治大学も非常に活気があるのであくまで相対的なものになりますが、早稲田大学は高田馬場という駅を中心に数万人規模の学生が活動する巨大な学生街の中にあります。
早稲田大学は大学1年生から大学院生まで、早稲田という地域を中心に学ぶことになり、非常に多様な学生模様が見られる稀有な大学です。
多くの大学では学年ごとに違うキャンパスに通う場合(慶應義塾大学や明治大学)や、学部ごとに違うキャンパスに通う場合(立教大学や法政大学)がほとんどであり、1つの駅を中心とした学生生活を送ることができるのは早稲田大学の強みと言えます。
多くの学生が同じキャンパスに通うということは、多くのタイプの人間に出会う可能性があるということです。
大学生という多感な時期は外界から多くの刺激を受けることができ、それらの刺激が人間的な成長につながるため、早稲田大学が持つ特殊な環境は非常に強いメリットと言えるでしょう。
一方で、多くの人間がいるということは危険を伴うことでもありますので、大学生活を送る上では自身の身を守るように注意も必要になりますね。
明治大学がおすすめな人は?
①学びたい学問を優先したい
早稲田大学と明治大学を選ぶ際に、最も大切にするべきことは自身の学びたい内容を学ぶ環境に進学することが大切です。
よく比較される両校ですが、自身の希望する学部を変更してまで大学に拘りたいという人でなければ、希望する学部を選択するべきでしょう。
例えばですが、法学部志望の学生が早稲田大学法学部に不合格となった場合、希望する法学部にこだわりを持ち明治大学に進むのか、それとも大学名にこだわりを持ち早稲田大学の他学部で悩むことがあります。
この場合、大学名に強いこだわりがなければ希望する学部を選んだほうが懸命でしょう。
この理由としては、希望する学部でない場合、自身の学びたい内容以外にも履修する科目を選ばなければならず、自身の夢に遠回りしなければならないからです。
多くの学部では所属する学部に関連する科目を多く取らないと学士(大学卒業の証明)を取得できないため、他学部に進学した場合、法学と全く関連がない科目に時間を割かれます。
もちろんそういった勉強は一切無駄になりませんが、時間は限られているため効率的に学習したい方にとっては気になりますね。
学びたい内容か、大学名かで進学する先をしっかり選びましょう。
②農学などの特定の分野に興味がある
明治大学には早稲田大学にはない強みとして農学部があります。
これらの学部は非常に珍しい学部であり、他の学問との繋がりが少ないため、学科自体が置かれていない場合もあります。
明治大学の農学部に関しては農学、農芸化学、生命科学、食料環境政策を学ぶことが可能となっています。
明治大学のメインキャンパスである御茶ノ水キャンパスではなく、生田キャンパスにある農学部の敷地内で学ぶこととなります。
農学部は明治大学の所有する黒川農場という敷地の中で実際に農作物を栽培することや、それを収穫する農地実習を通して、実践的な環境で学ぶことができることも特色ですね。
ちなみに早稲田大学でも農学や生物学を学ぶことはできますが、理工学部の中で学ぶことになるため、あくまで工学的なアプローチとなることが多いようです。
また、入試科目においても農学部に行くための理系科目と理工学部に行くための理系科目には科目数上の差異もでるので要注意です。
引用:MY TOWN「第7回 明治大学黒川農場収穫祭」
実際に考古学と名がつく学科や専攻を正式に持っているのはGMARCHの中では明治大学のみであり、農学部に関しては関東圏でも稀有な学部であるため、この手の学部を目指すのであればほぼ明治大学一択といっても良いでしょう。
まとめ
早稲田大学と明治大学の比較はいかがでしたか?
早稲田大学と明治大学は校風に似通った点もあり、どちらも素晴らしい大学と言えます。
しかし、4年間という貴重な時間を過ごす環境は自身により合ったものであると尚素晴らしいですよね。
受験生の方の進路選びに少しでも参考になると幸いです!
今回は早稲田大学と明治大学を比較しましたが、青山学院大学と明治大学、明治大学と立教大学を比較した記事もあります。