【数学が必要?文系でも大丈夫?違いはある?】経済学と経営学と商学の特徴

・経済学部、経営学部、商学部の違いが分からないため進路選択に悩んでいる。
・数学が苦手な文系だけどビジネス系学部に進んでいいか不安である。
・それぞれの学部でどの大学がおすすめか知りたい。

この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。

結論としては、経済学部、経営学部、商学部で学ぶ内容には明確な区切りがない点も多く、どの学部でも比較的広範な内容を学ぶことができます。ただ経済学部は数学的素養を必要とする授業が必修授業として組み込まれていることも多く、カリキュラム等を確認することが大切です。大学ごとに得意な学問範囲があるため、それぞれの学力に合う大学選びが大切なため本記事で紹介します。

目次

ビジネス系学部の特徴と注意すべき事項

経済学、経営学、商学の特徴

多くの大学には経済学や経営学部、または商学部などのビジネスに直結するイメージを持つ学部が整備されていますが、それぞれの違いを明確に認識して進路選びができている受験生は少ないです。

経済学部も経営学部も大体同じものと考えて進学先で痛い目に遭うことも多いため、それぞれの学部の目的とそれに付随した必要な学問をしっかり知ることでそういったミスマッチを減らすようにできると良いでしょう。

経済学部は社会全体を1つの観察対象として捉え、カネやモノの流れを理論的に知ることを目的としています。

ここで理論的というキーワードを用いたのは数学が必須であるということを意識してもらうためです。

物事を観察して法則を掴むことは文系の学問というよりは理系の学問の性質に近く、経済学部でも社会全体の流れを理論で掴むことを目的として学ぶため、その過程には数学の知識が多分に必要になります。

2点目の経営学部は企業の経営に関する知識を深め、戦略や組織など企業に最適なものは何かを考察することを目的としています。

経営学部では対象となる企業が、どのような組織であって、どのような戦略を取ることが最適であるかを過去から学ぶことが多くなります。

過去から学ぶということは高校における授業と照らし合わせると、社会のような科目が多くなり、数学の知識が必要とは言えません。

3点目の商学部は企業の経営だけでなく、生産・流通・広告・販売のような商品が流通するまでの仕組みを学ぶことを目的としています。

商学部は経営学部より広範な視点で企業を捉えて学びますが、こちらも経営学部と同様に数学の知識が必要とは言えません。

しかし、商学部の内容が企業全体を捉えているため、会計や税務のような数字を多く扱う領域も学問対象に入り、そういった学問を専攻とする場合は数学というより数字に対するアレルギーを取り除く必要がありますね。

経済学部・経営学部・商学部の違い
経済学部・経営学部・商学部の違い

ビジネス系学部に進む上で注意すべき点

ここまでそれぞれの学部の目的とメリットとデメリットを説明しましたが、多くの大学ではそれぞれがこれほど明確に分かれている訳ではなく、学部学科など混在しているものも多くなります。

例えば、大学に入学したら会計学を勉強したいと考えている場合、会計学科を設置している大学を選びたいはずです。

しかし、大学ごとに会計学を設置している学部が異なるため、受験生としてはどの大学・学部を選択すれば良いか分からなくなってしまいます。

大学名学部学科
明治大学経営学部会計学科
青山学院大学
立教大学経済学部会計ファイナンス学科
中央大学商学部会計学科
法政大学

明治大学は経営学部に会計学科を、立教大学は経済学部に会計ファイナンス学科を、中央大学は商学部に会計学科を置いており、青山学院大学と法政大学には会計学科は存在しません。

法政大学については会計学科は存在しませんが経営学部の中で会計学を学ぶことができます。

一方、青山学院大学では会計学は大学院での学びの領域となり学部生を対象としたものは殆どありません。

同等の学力帯であるMARCHですらこのような複雑な状況であるため、その他多くの大学に目を向けるとさらに混沌としていると言えます。

先ほど述べた通り、経済学部では数学的知識を求めることが多いため、今回の例のように会計学を選ぼうとしても学科の上位にある学部の学問領域にまで目を配る必要があります。

文系受験生の多くは数学を比較的早期の段階において学習を終えている場合もあるため、学部選びは学科選びと同様に注意が必要と言えます。

この点については大学によって千差万別のため、資料請求を行い、必要であれば大学に質問等を行うことも効果的でしょう。

貴方におすすめの学びとは?

経済学部がおすすめな人

・経済を理論的に分析したい人
・理系から文系に変更を考えている人

経済学部は数学を用いて経済現象に説明を付ける学問のため、数学が苦手な人や理論的に考えることが苦手な人にはおすすめできません。

理系から文系に変更する(文転)を検討している人にとっては数学という理系ならではの分野を生かせる特性も経済学部ならではと言えます。

偏差値40~50程度の受験生

偏差値50程度の受験生で経済学部を志望している場合は帝京大学を検討しましょう。

帝京大学はこの偏差値帯の中では非常に大規模な大学であり、経済学だけでなく様々な領域を学ぶことができる優れた環境を持っています。

経済学部ではアカデミックな人材だけでなく、企業や官庁から招聘した実業家の授業を受けられることにも定評があります。

偏差値50~60程度の受験生

偏差値50~60程度の受験生で経済学部を志望している人には東京経済大学がおすすめできます。

東京経済大学は経済学部、経営学部、現代法学部、コミュニケーション学部の4つの学部を要する大学ですが、中でも経済学部や経営学部といったビジネス系学部に非常に力を入れている大学です。

ゼミ活動などの少人数教育に加え、ビジネス特化の大学として大学のリソースを企業などとの連携に投入しているため、他の大学にはない実践的な教育を受けることが可能となっています。

偏差値60~70程度の受験生

偏差値60以上の大学を探す受験生の中で経済学部を検討している場合は学習院大学をおすすめします。

この難易度帯の大学の多くはマンモス大学であることが特徴として挙げられますが、学習院大学はその中でも少人数教育を重視している大学です。

学生数に対する教員の数が多く、手厚い教育を受けることができるため、大人数での環境だと埋もれてしまうことが心配である受験生にとっては非常に優れた環境だと言えます。

また、学習院大学では立地の特性も活かして近隣の早稲田大学との単位互換制度もあるため、より多様な授業を受けることも可能です。

経営学部がおすすめな人

・企業の組織づくりや戦略策定に携わりたい人
・社会科目などの暗記分野が得意な人

偏差値40~50程度の受験生

偏差値50程度の受験生の中で経営学部への進学を考えている場合は亜細亜大学を検討しましょう。

亜細亜大学ではゼミナール活動という少人数教育を1年次より行なっており、座学だけでなく双方向の授業を受けることが出来ます。

また、経営学部ではありながら会計学やマーケティングといった若干商学分野に入り込んだ内容も学習できることも特徴です。

偏差値50~60程度の受験生

偏差値50~60程度の大学の中で経営学部を検討している受験生は東洋大学を候補に入れることをおすすめします。

東洋大学経営学部ではマネジメントのプロフェッショナルを養成することを目的に、経営学の内容はもちろん、経済学や社会学に加え、心理学等も幅広く学ぶカリキュラムを設定しています。

また、東洋大学はこの比較的中堅どころの大学でありながらスーパーグローバル大学の認定も受けており、経営学と国際感覚の2点を伸ばす上で魅力的な大学と言えます。

偏差値60~70程度の受験生

偏差値60越えの経営学部を探している受験生には法政大学をおすすめします。

法政大学では経営学部の中に経営学科、経営戦略学科、市場経営学科の3つの学科が設置されており、自身の興味に合わせて学問を掘り下げることができます。

また、特定の学科に進んだ後に他の学科の内容が気になった場合は、自身の専攻に合わせて学習することも可能となっており、その点も安心して進路選択ができますね。

法政大学の経営学部は市ヶ谷にキャンパスを構えているため、企業との連携やインターンシップ等も行いやすい環境である点も評価できます。

商学部がおすすめな人

・カネやモノの生産から流通までに興味がある人
・数字に抵抗がない人

偏差値40~50程度の受験生

偏差値50程度の大学の中で商学部を探している受験生には拓殖大学をおすすめします。

拓殖大学は商学部内に100を超えるテーマのゼミを用意しており、およそ学生が学びたいと考える内容は網羅することができています。

ゼミナール活動は受動的な内容でなく、グループディスカッションや発表などを通して主体的に学ぶことができるため、社会人としての基礎力を身につけることができます。

また、拓殖大学では新聞の読み方を記者から学ぶという少々変わった授業を展開しており、社会や経済を読み解く力を養成することも1つの目標としています。

偏差値50~60程度の受験生

偏差値50~60程度の受験生の中で商学を専攻したい場合は専修大学を候補の1つに考えましょう。

専修大学は資格熱が非常に高い大学であり、将来手に職をつけたいと考えている場合は魅力的な進路です。

公認会計士の取得者数では慶應義塾大学、早稲田大学、東京大学、中央大学に次いだ成績を残すこともあり、偏差値だけでは計れない魅力があります。

偏差値60~70程度の受験生

偏差値60越えの大学の中で商学部を探している場合は中央大学がおすすめです。

中央大学と言えば法学部の活躍が非常に目立っていますが、実は商学部の成績も非常に良く、多くの難関資格合格者を排出しています。

公認会計士の合格者数では東京大学に並ぶほどの成果を上げており、将来会計系の仕事に就きたいと考えている場合はとても優れた環境であると言えます。

中央大学では炎の塔と呼ばれる資格支援設備があり、大学外で専門学校に通うよりもリーズナブルに受講することもでき、この点も中央大学の資格熱をサポートしていると言えるでしょう。

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