・『有名私大古文演習』のレベルが知りたい。
・『有名私大古文演習』の効果的な使い方を知りたい。
・『有名私大古文演習』と『首都圏難関私大古文演習』の違いを知りたい。
この記事は上のような悩みを持った人に向けて書かれています。
結論としては、『有名私大古文演習』は大東亜帝国〜GMARCHに対応できる問題集となっており、本書は問題演習の目安時間や目安得点も問題毎に設定されているため、時間を計り、実践形式で取り組むこと、また、設問と本文の解説や本文解釈が記載されており非常に丁寧な問題集のため、特に間違えた問題については、しっかり復習することが効果的です。『有名私大古文演習』が大東亜帝国〜GMARCHに対応していることに対し、『首都圏難関私大古文演習』はGMARCH〜早慶上智に対応しています。
有名私大古文演習の難易度と目標大学
最初に『有名私大古文演習』のメインとなるターゲット層を紹介します。
本書は名前の通り、有名私大の読解の演習の参考書となるため、難易度も高めです。
すでに古文単語、古文常識、古典文法の学習を終えており、古文読解の練習に取り組んでいる人SS50位の人がが本書を活用すると効果的と言えます。
また、ターゲットとなる大学に関しては日東駒専〜GMARCHの大学群に対応していると言えます。
ただし、GMARCHの大学群を志望していて、より古文を得点源にしたい、受験まで時間的余裕がある人は本書の後にも読解演習に取り組むことをおすすめします。
有名私大古文演習はどのような教材なのか?
・河合塾から出版されている古文読解問題集のシリーズです。
・有名私大の過去問から抜粋された20題が掲載されています。
・解説がとても丁寧で充実している問題集です。
本書は大手予備校である河合塾から出版されている教材で、毎年受験生に人気がある問題集で、同シリーズとして、本書よりもさらに難易度の高い「首都圏難関私大演習」や、本書とよく似た名前の教材で、同じく河合塾から出版されている「中堅私大古文演習」もあります。
中堅、有名、首都圏難関と名前が紛らわしい問題集になりますが、難易度が一番高いのは『首都圏難関私大演習』で、難易度が一番低い問題集が『有名私大古文演習』その間に『中堅私大古文演習』が位置します。
名前の通り、有名私大(大東亜帝国〜GMARCHがメイン)で出題された過去問題を中心に20題が選定されている古文読解の実践的な問題集です。
本書に掲載されている入試問題について本書冒頭では以下のように述べられています。
本書は有名私立大学の入試問題を20題選んで納めてある。選んだ際の基準は①受験生が入学を夢見るだろう大学をもれなくのせている。②本文のジャンルが時代にかたよらないの二点である。本文や設問の難易ではないことに注意したい
引用:有名私大古文演習
本書のもう一点の特徴として解説が非常に丁寧かつ充実していることも挙げられます。
有名私大古文演習の効率的な使用法とは?
・実践形式で時間を計って問題を解く。
・本文解説を読み込む。
・本文解釈も読み込む。
本書は前述の通り、古文読解の実践的な問題集のため、入試や本番を意識して問題に取り組むことが効果的です。
各問題について、問題を解く目安時間や目標点数も設定されているため、何も見ずに力試しで解いてみましょう。
前述の通り、設問毎に詳しい解説が設けられているため、特に間違えた問題や解答に自身がない設問は、解説を読みこんで知識をつけていくと効果的と言えます。
また、本書には本文の解説だけではなく、本文の解釈も掲載されています。
問題演習の後は、本文解説と本文解釈のどちらにも目を通し復習することで知識をより強固なものにすることができます。
有名私大古文演習のおすすめできる人は?
本書は古文読解の実践的な問題集となるため、どんどん古文読解の演習を行いたい人にとっておすすめの問題集となっています。
また、解説が非常に丁寧なため、別の古文読解の問題集を用いて解説を読んだがよく分からなかった、解説が物足りなかった人にもとてもおすすめできます。
有名私大古文演習のおすすめできない人は?
繰り返しになりますが、本書は古文読解の実践的な参考書になります。
古文が読めるようになるには古文単語、古文常識、古典文法、古文解釈の力が必要になります。
古文単語や古典文法に不安がある人が本書に取り組んでも、得られる学習の効果が高いとは言えないため、まずそれらを完璧にしてから本書に取り組むことをおすすめします。
また、本書は古文読解の難易度が高めです。
本書を用いて初めて古文読解に取り組む人にはあまりおすすめできません。
前述の通り、古文が読めるようになるには、古文単語、古文常識、古典文法、古文解釈が必要になります。
既に古文単語や古典文法が完璧で、古文読解にこれから移行するという人は古文解釈の参考書を1冊行った方がより効果的です。
有名私大古文演習の後に進むべき教材を志望校別に紹介
大東亜帝国レベル(SS50)が志望校
大東亜帝国の大学群では国語の入試において、古文が課されることはあまり多くありません。
自身の志望大学に古文が必要かどうかを確認しておきましょう。
ただし、大東亜帝国で古文が必要な人は本書に取り組んだ後は志望大学の赤本を用いて過去問演習に取り組んで問題ありません。
入試の難易度は本書の難易度と大きなギャップもなくスムーズに進められるはずです。
日東駒専レベル(SS55程度)が志望校
日東駒専の大学群では、先ほどの大東亜帝国の大学群と異なり、国語の入試に古文が必要なことがほとんどとなります。
本書を完璧にし、すらすら解けるようになれば、日東駒専の入試問題にもスムーズに移行できます。
本書の後は、自身の志望大学の過去問題に取り組みましょう。
成成明國獨武レベル(SS60程度)が志望校
成成明國獨武の大学群では国語の入試に古文が必要かが大学によって異なります。
自身の志望大学に古文が必要かを確認しておきましょう。
大学名 | 現代文 | 古文 |
---|---|---|
成蹊大学 | あり | あり |
成城大学 | あり | あり |
明治学院大学 | あり | あり |
國學院大学 | あり | あり |
獨協大学 | あり | なし |
武蔵大学 | あり | 選択式 |
こちらの大学群であっても、本書を用いた後は志望大学の入試問題に移行して問題ありません。
ただし、より古文を得点源にしたい人や、もっと古文の演習をしたい人は下記のGMARCHレベル(SS65程度)が志望校を参照下さい。
GMARCHレベル(SS65程度)が志望校
GMARCHの大学群では国語の入試に古文が必要なことがほとんどで、文学部では漢文が必要なこともあります。
GMARCHの古文であっても、本書で対応できるため、本書の後は、志望する大学の過去問題演習に取り組むことをおすすめします。
その上で、本書と同じくらいの問題演習をより行いたい人は同じく河合から出版されている『中堅私大古文演習』より難易度の高い問題演習を行いたい人は後述する『首都圏難関私大演習』に取り組むことをおすすめします。
早慶上智レベル(SS70程度)が志望校
早慶上智の国語の入試では古文に加えて漢文が必要なことがほとんどなり、慶應義塾大学は国語の代わりに小論文が必要となるため、注意しておきましょう。
早慶上智を目指す人は本書の後に同じく河合から出版されている『首都圏難関私大古文演習』を用いてより高度な古文の読解演習と古典知識の補充に取り組むことをおすすめします。
理由としては、GMARCH以下の大学群の古文の入試で出題される設問の多くは内容一致の問題とその過程の設問になり、内容一致の設問で正答する上で必要とされるのは、古文単語、古文常識、古文解釈、古典文法(主に助動詞の識別の敬語による主語の判別)の力になりますが、早慶上智の大学群の古文の入試では、内容一致の問題だけではなく、出典の背景知識や和歌の知識が問われる問題も出題されることもあるためです。
『首都圏難関私大古文演習』を終えた後は志望大学の古文の入試の過去問題研究に取り組みましょう。