・慶應義塾大学の難易度、入試傾向、就職先などの情報が知りたい。
・慶應義塾大学でおすすめの学部はどこ?
・慶應義塾大学を受験する場合のおすすめの併願先はどこ?
この記事は、そんな疑問を持つ方に向けて書いています。
結論としては、慶應義塾大学は非常に高難易度の大学であり、全ての学部で偏差値70以上をマークしています。入試傾向としては各学部によって全く異なり、それぞれの学部ごとの対策が必要になります。就職先としては世間的知名度が高い企業が多く、就職力も非常に高いでしょう。慶應義塾大学はほぼ全ての学部が私大トップレベルなので甲乙付け難いですが、著名な学部は政治経済学部となります。慶應義塾大学を受験する場合は同難易度の大学を選ぶのであれば慶應義塾大学、似た校風を選ぶのであれば明治大学がおすすめです。
有名企業就職率 | |
---|---|
39% | |
大学偏差値 | |
78.6pt | |
立地力 | |
818.5pt | |
講師1人あたり学生数 | |
5.3名 | |
学生数 | |
28641名 | |
学部数 | |
10個 |
慶應義塾大学はどんな大学?
慶應義塾大学は1858年に創立された日本で最古の歴史を持つ私立大学です。
キャンパスは1,2年時に通う神奈川県港北区日吉に所在する日吉キャンパスと、3,4年時に通う東京都港区三田に所在する三田キャンパスがメインであり、その他に神奈川県藤沢市に所在する湘南藤沢キャンパスがあります。
偏差値、有名企業就職率、講師1人あたり学生数など数多くの項目が全ての私立大学の中でも高いスコアをマークしており言わずと知れた日本でトップクラスの私立大学と言えるでしょう。
また、ライバルとされる早稲田大学と比較しても有名企業への就職に関しては水をあけており、数多くの卒業生が日本の有名企業で活躍する大学となっています。
慶應義塾大学の入試傾向は?
慶應義塾大学は各学部ごとに入試傾向が全く異なっており、超長文と呼ばれる非常に長い長文を読ませる総合政策学部や環境情報学部のような傾向を持つ学部もあれば、1つの長文をじっくり読みながら回答を作り上げる文学部のような入試傾向を持つ学部もあります。
全学部を通じて見られる傾向としては非常に高い英語力、特に文章読解力や語彙力が求められる傾向があるため、文章を正しく解釈する力や幅広ボキャブラリーが必要になることは間違い無いでしょう。
詳しい入試傾向の分析はページ上部の入試分析の項にリンクがありますので各学部ご確認ください。
慶應義塾大学の就職先は?
慶應義塾大学は就職力に定評のある大学であり、卒業生の就職実績も他の大学では考えられなような好成績を残しています。
2021年度の卒業生の就職実績を見ると、上位10位までにPwCコンサルティング、アクセンチュア、ベイカレント・コンサルティングの3社がランクインしており、学生の多くがコンサルティング業界へ興味があり、その結果として多くの内定を掴んでいることがわかります。
また、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行、大和証券、東京海上日動火災などの金融系の就職も目立ち、金融業界への根強い人気も目立ちます。
また、これらの企業に対して数十名規模の卒業生を送り込んでいることも慶應義塾大学の強みと言え、就職活動を通して内定を貰うまでの過程や、実際に職に就いた後に会社内で働く際も慶應義塾大学の仲間達と共に働けることも強みの1つとして考えられます。
慶應義塾大学は三田会という卒業生組織を持っており、それらが先輩後輩を支え合う繋がりの強い大学としても知られています。
慶應義塾大学でおすすめの学びは?
慶應義塾大学は1890年に設立された日本最古の私塾ですが、その中でも理財科・文学科・法学科の3つは大学令発足当初より慶應義塾大学を支える基盤となった学部です。
特に、福沢諭吉が経済人であったことも影響していますが、慶應義塾大学は財を有利に運用することを目的とする理財科が看板となり、これまでに数え切れないほどの実業家を世に送り出してきた経緯があります。
早稲田大学の創設者である大隈重信も財政家であったことは知られていますが、彼自身は政治家であったこともあり、早稲田大学は今でも政治経済学部が著名であることと縁を感じます。
慶應義塾大学経済学部は日吉で広く、三田で深く学ぶという明快なカリキュラムを持っており、4年間を通して経済学的思考を養うことを目的としています。
ただ単に経済学を学ぶというと近年重視されがちな数学的素養にばかり目が向きますが、慶應義塾大学経済学部では数学によってもたらされる演繹的手法だけでなく、歴史的アプローチからなる帰納的手法のどちらも重視しています。
入試の方式によって当初はこの両者の学習は分かれて行われますが、最終的に1つの道につながり、経済学的思考を身につけるというプログラムになっています。
経済理論、計量・統計、学史・思想史、経済史 、産業・労働 、制度・政策、現代経済、国際経済、環境関連、社会関連という10のテーマから3つを自らのテーマとし、3,4年次の三田キャンパスでの時間を研究に費やします。
少人数のゼミナールを中心に同じテーマを選ぶ仲間と意見を交わしながら過ごす時間は皆さんを大きく成長させるはずです。
慶應義塾大学を選ぶメリットとデメリットは?
慶應義塾大学を選ぶメリット
慶應義塾大学は偏差値、手厚さ、就職力等のどの要素で比較しても国内トップレベルの大学であるため、そういった環境の中で学ぶことができることだけでも大きなメリットと言えますが、ここではそういった前提を踏まえながらもう少々定量的な面について言及します。
慶應義塾大学の学生の就職活動が有利に運ぶ理由としては、慶應義塾大学の学生が全体として就職活動にしっかりと力を入れており、早い段階より準備していることが挙げられます。
こういった早い段階からの準備が行われることは個人ベースのケースではよくあることだと思いますが、慶應義塾大学は大学全体でそのカラーが強いです。
その結果として仲間内でも就職活動への意欲を高めやすい上に、情報も素早く伝播していきます。
受験生の皆さんが思うより就職活動とは情報戦であり、さらにいうとその情報やコミュニティーの強さによって有利不利が決まってしまうリアルな戦いと言えます。
こちらは卒業後の繋がりとも関わってきますが、慶應義塾大学に限らず有用や情報はアッパー層に先にもたらされる傾向があり、一部の学生しかエントリーできない企業やインターンシップなどの情報もいち早く手に入れているのが上位の大学となります。
こういった傾向は早稲田大学や上智大学にもありますが、その傾向が最も色濃いのが慶應義塾大学です。
慶應義塾大学の理念の1つである「半学半教(学びながら自らも教える)」がこういったとことで生きているかは疑問がありますが、在学中も卒業後も先輩後輩の繋がりが強く互いにサポートする意識のある慶應義塾大学が就職活動においては強いことは間違いありません。
慶應義塾大学を選ぶデメリット
慶應義塾大学進学のメリットは先に述べた通りで、定量的・定性的にまさに非の打ち所がない大学と言えます。
しかし、こういったthe 優等生な大学に対して斜に構えるタイプの受験生もいると思いますので、今回は少し変わった目線で慶應義塾大学の批評としていきます。
まず、慶應義塾大学は組織で強い大学であることは前項で述べましたが、これは異分子を許容しにくい大学であるという側面もあります。
慶應義塾大学のライバルとされる早稲田大学では人と違うことに対して概ね許容する校風があり、変なことに対する妙な畏敬の念のような雰囲気を持っています。
また、慶應義塾大学は幼稚舎から内部進学する生粋の慶應義塾生を慶応ボーイ・慶応ガールといって有難いものとして扱う風潮がありますが、早稲田大学では内部進学の学生たちは裏口入学と言って卑下する傾向があることも特徴です。
ここで言いたいことは、慶應義塾大学はより慶應義塾らしい学生が生きやすい大学であり、早稲田大学はより自分らしい学生がいきやすい環境であるということです。
そういった校風の中、慶應義塾大学は早くから就職活動に向けて大学全体として進んでいく風潮がありますが、早稲田大学はそういった風潮を作ろうとしつつも学生たちの自由な空気と少々マッチしていない傾向があります。
ここはあくまで1つの見方として心に留めておいていただきたいですが、こういう見方をすると慶應義塾大学が自身に合う大学か悩む材料になるのではないでしょうか。
慶應義塾大学のおすすめの併願先は?
慶應義塾大学を志望する受験生にとっておすすめの併願先を判定別に確認しましょう。
前提、慶應義塾大学でA~C判定はほぼ出ない
慶應義塾大学志望で模試を受けたことがある受験生であれば実体験として知っているかと思いますが、慶應義塾大学の合否判定においてA判定を出すことは至難の技です。
そもそも慶應義塾大学を合格するレベルの受験生は模試で出題される問題を易々と解くことが多く、全国統一で行われる模試では点数が頭打ちとなってしまうため、判定では合否を正確に知り得ないという実情があります。
模試の出題レベルと実際の入試問題のレベルに難易度の開きがあるため差がつき辛いためです。
よって、模試がある程度のレベル(SS65程度)で得点できるようになったら、慶應義塾大学の過去問演習を通して志望学部に対する得点力を鍛えることが大切になります。
全国統一の模試においてA判定を獲得できており、なお志望する学部の過去問題において数年にわたって75%以上の得点率をキープできている場合のみ同大学の他学部であったり、早稲田大学や上智大学などの興味のある学部を覗いても良いでしょう。
また、慶應義塾大学を志望する受験生が併願校の候補に選びがちなのが早稲田大学ですが、慶應義塾大学と早稲田大学では光風が大きく異なるため、志望する受験生はどちらの大学自身に合っているのかよくよく考えて受験をしましょ。
慶應義塾大学は在学中も卒業後も大学を枠とした繋がりが強い大学であるため、在学中においては学業や就職活動、卒業後は仕事をする中で慶應義塾大学出身であることの心強さを感じることができるでしょう。
一方で、早稲田大学は自主自律を標榜とする大学であることもあり割と個を大切にする大学であるため、在学中はもとより卒業後も同窓ということで盛り上がることはありますが、それ以上の関係性構築に繋がることは稀です。
これは後述しますが、大学の雰囲気が自分自身に合うかどうかが最も大切であるため、両校の雰囲気を見つつ自身の進路にマッチする大学を選びましょう。
次に慶應義塾大学の主要な学問系統ごとのおすすめの併願先を述べていきます。
また、ここではあくまでD~C判定の受験生を対象に記事を書きますので、滑り止めは必要ないという方は読み飛ばしてください。
法律・政治学系統のおすすめ併願先
法学部を検討している受験生におすすめの併願先として中央大学法学部を紹介します。
慶應義塾大学の法学部では一般的な法学部と同様に法律に関する知識を身につけ、多くの学生が一般就職や司法試験合格に向けた学習を行なっています。
こういった進路の方向性であったり、所属する学生の学問や資格に対する勉強の熱、そして両校とも日常生活やビジネスにおける法律的解決能力(リーガルマインド)を持った人材を養成するという目的が近い併願先が中央大学法学部になります。
法律家を目指す場合であっても、公務員を目指す場合であっても中央大学からのサポートに加え、有料ではあるものの整った環境を持つ炎の塔の利用を通じて、質実剛健な学生と共に将来に向けてひたむきに学ぶ環境となっています。
また、中央大学法学部はこれまで多摩キャンパスに設置されていましたが、2023年度より都心の茗荷谷キャンパスに移ることになるので立地の面から考えても良いでしょう。
一点注意としては、慶應義塾大学は大学全体として民間就職に力を入れている大学ですが、中央大学は比較的公務員への進路を希望している人が多い大学である点です。
もし民間就職を決意しているのであれば、自分自身でも情報収集に力を入れることが大切です。
次に政治学を志望している受験生におすすめの併願先を紹介します。
慶應義塾大学内で政治学を学ぶ場合は、法学部政治学科になります。
昨今はグローバル化の流れが強いためそこまで色濃い特徴とは言えませんが、多くの大学では政治学というと国内の政治史、思想史、政治理論などを学ぶ場合が大半です。
しかし、慶應義塾大学法学部政治学科では研究室の約半数が国際政治に関するものとなっており、政治学を学ぶだけでなく、国際社会で活躍できるグローバルリーダーを育成する意識が見えます。
受験生の中でもただ単に慶應義塾大学というネームバリューで惹かれているのでなく、慶應義塾大学という優れた環境の中で国際政治を学びたいという方も多いと思います。
そういった受験生には青山学院大学国際政治経済学部をおすすめします。
青山学院大学国際政治経済学部は政治や経済の知識を身につけた上で、国際的なコミュニケーションスキルも向上させることで、日本国内にとどまらずグローバルに活躍できるリーダーの育成に努めています。
慶應義塾大学と言えば全方位に強みを持った大学ではありますが、外国語にかけては青山学院大学も非常に魅力的であるためしっかりリサーチしましょう。
経済・経営学系統のおすすめ併願先
経済学を専攻したい人にお勧めしたい併願先は立教大学経済学部と青山学院大学経済学部です。
そもそも経済学と商学は似ているように見えて学ぶ内容が大きく異なるため、自身が先行する領域がどちらであるかわからない場合はその点より見直す必要がある点に気をつけましょう。
商学や経営学は程度の差はあれど文系的なアプローチで学ぶことが多く、数学的な前提知識を必要としないこともありますが、経済学では基本的に理系的アプローチから学ぶことが多いため、数学ができないことは致命的になりかねません。
そういった目線で検討すると、慶應義塾大学経済学部志望で理系的アプローチを検討している場合は、文系的な商学部や経営学部ではなく純粋な経済学部を志望した方がミスマッチが起きない可能性が高いでしょう。
純粋な文系であれば後述する経営学や商学のおすすめ併願先をご覧ください。
立教大学経済学部は1年次より統計学や経済数学などの経済学を数学的に分析するための素地を作る授業が展開され、これらの授業を身につけるためには少なくとも高校数学における微分積分が理解できる必要があります。
また、身につけた基礎的な経済学をより高度な経済学に昇華させていくカリキュラムを展開しているため、文系にとっては厳しいですが、数学が好きで経済学を志す受験生にとっては魅力的な環境と言えるでしょう。
また、立教大学経済学部の就職先としては身につけた学びを生かし、金融系やIT系などへの就職も目立ち、こういった点も慶應義塾大学経済学部の受験生と親和性があると考えます。
次点で紹介するのは青山学院大学経済学部になります。
こちらに関しては学びの内容というよりは入試の相性の良さという観点で併願先としてお勧めします。
青山学院大学経済学部個別A方式では英語に加えて、地歴公民から1科目を選択するという入試方式を選ぶことができ、この方式が慶應義塾大学を志望する受験生と非常に相性が良くなっています。
慶應義塾大学ではほぼ全ての学部において国語の入試の代わりに小論文が出題されており、この小論文が難関ではあるのですが他大学の入試形式とあまりに異なるため、慶應義塾大学志望の学生は併願校に苦慮することになります。
併願校のために国語総合として古文や漢文を行うことは極力避けたいはずですので、青山学院大学経済学部のような2科目入試は非常に魅力的になります。
青山学院大学自体は非常に人気の大学であるため、2教科入試は狭き門となりますが、慶應義塾大学志望の受験生であれば可能性はあると言えます。
次に、経営学と商学の学問を専攻したい受験生におすすめの併願先を紹介します。
経営学と商学の勉強をしたい受験生におすすめの大学は明治大学商学部と中央大学商学部になります。
明治大学と中央大学は両大学とも商学部を持っている珍しい大学であり、どちらも商学を学ぶ上で優れた環境を持っています。
明治大学商学部は学部内に経営やマーケティング、金融や会計のような様々な領域を持っていますが、学部に入る時点でそれらの選択をする必要はありません。
商学部の中で基礎的な科目を学びつつ、上級学年になるにつれて自身の興味のある内容を掘り下げることができるので、入学前と入学後にギャップが生じることを避けることができおすすめです。
中央大学は明治大学と対極的ですが、入学時に学科を選択しなければならないため、4年間の中で学ぶコアとなる領域はある程度絞り込む必要はありますが、商学部の中には経営・金融・貿易・マーケティングのような幅広い科目が用意されているため、必要に応じて授業を選ぶことができます。
明治大学にない強みとして、中央大学は早慶に並ぶ勢いで資格取得熱が高いことが挙げられます。
慶應義塾大学は私立大学の中でも屈指の難関資格取得者数を誇りますが、大学在学中にこういった資格を取得したいと願うのであれば、中央大学であってもその願いを叶えられる可能性があります。
人文科学系統のおすすめ併願先
続きましては人文系等に進みたい受験生におすすめの併願先を紹介します。
まずは幅広い範囲ではありますが、日本文学や史学であれば國學院大学をおすすめします。
慶應義塾大学と國學院大学の間には偏差値的には多くの開きがあるため、個々人によっては志望校を大幅に下げることに嫌悪感を抱く方もいらっしゃるかと思いますが、日本文学研究においては國學院大学は非常に優れた環境となっています。
皇典講究所を前身に持つ日本文学研究の名門的な立ち位置の大学として、文学部日本文学科だけで30名近い教授と准教授が在籍している環境を持つのが國學院大学です。
昨今の受験生は大学を就職予備校的な位置付けで扱っていることもあり、経営学のようなビジネス系か国際系などの華やかな学部が人気であるため、文学部にこれほどの人員を國學院大学のプライドと言えるでしょう。
國學院大学には重要な史料が多数残存し、学内に資料館も設置しているため、文学研究したい学生にとっては垂涎の的と言えるでしょう。
また、文学部の中でも西洋文学の学習に力を入れたいのであれば青山学院大学文学部をおすすめします。
青山学院大学文学部英米文学科では英語の青山と知られる英語学習の名門ですが、英語の学習とは語学の習得のみを目的とするのではなく、英語を研究対象とすることで英語という言語が成立するまでの歴史や英語の変化、また英語を扱う人たちの文化圏について学ぶことで単に英語を話せる人材ではなく、異なる文化を受け入れ多様性を理解できる人材を育成します。
青山学院大学文学部では英語を目的とせず研究の対象であったり、研究をするための手段と位置付けていますが、この点も慶應義塾大学文学部の方向性と近いものがあり、受験生は併願先として検討しても良いでしょう。
次に人文系等の中でも特に人気がある心理学系の併願先として、立教大学現代心理学部を紹介します。
立教大学現代心理学部は私立大学の中で先駆け的な存在として発足した学部であり長い歴史と伝統を持っています。
心理学は女子受験生を中心に非常に人気の学問であるため、多くの大学では文学部の中に心理学科を設立しているケースがあります。
しかし、心理学を学べる環境と称していても心理学の一部の範囲しか網羅していない場合も多く、自身が学びたい心理学の範囲が非常に乏しい場合も多々あります。
慶應義塾大学文学部心理学専攻では知覚・行動・学習・認知・発達・生物・神経心理等の幅広いテーマが必修科目や選択科目として用意されており、自身の学びたい心理学を選ぶことができる環境となっています。
これに対して、立教大学現代心理学部も同様に入学後は幅広く心理を学び、その後に自身の進路に合わせて社会・認知・臨床・発達などの専攻を深めることが可能であるという理想的なカリキュラムを持っており慶應義塾大学の内容とも重なりがあり、受験生は併願先としても選びやすのではないでしょうか。
次に人文系の中で社会学系のおすすめの併願先を紹介します。
社会学や人間科学を専攻したい受験生におすすめの併願先は立教大学社会学部です。
慶應義塾大学文学部の中でも社会学や人間科学は人気のある学科系統ですが、ここで学ぶ内容に近い学問を行なっている環境は立教大学社会学部にあります。
立教大学社会学部は私立大学の中で社会学と名がつく学部の中でも最も高い偏差値を誇るだけでなく、非常に多様な講師陣による様々な研究室が開かれていることでも有名です。
社会学部の中では社会学全体を研究するテーマもあれば、自己と他者の関係やセクシャリティなど現代の諸問題、また公共性の社会学など多種多様なテーマの中から研究したいテーマを選ぶことができ、そしてただ研究として終わるのではなくその先の提言までを目指すカリキュラムを構築しています。
人間を研究したい学生は候補の1つと考えても良いのではないでしょうか。
人文系等の中で最後のパートとなる哲学系のおすすめの併願先を紹介します。
慶應義塾大学文学部の中で人気とは言い難いですが、根強い支持がある哲学専攻の併願先として東洋大学文学部をおすすめします。
東洋大学と言えば白山の哲学と呼ばれた過去もあり、哲学が有名な大学ということは世間でもよく知られていますが、この傾向は現在でも続く東洋大学の強みと言えます。
東洋大学文学部には哲学科と東洋思想文化学科の2学科を合わせると20名近くの指導者がおり、これは他の私立大学と比較しても圧倒的な数字となっています。
指導者の数は研究室の数、ひいては学ぶことができる領域の広さにつながるため、哲学を自らの専攻にしたいという受験生は東洋大学の情報を得ることで進路の幅を広げることにつながります。
これは余談ですが哲学科に進みその範囲に没頭すると、就職活動などよりも哲学自体の研究に興味を惹かれる学生が一定程度います。
その場合、就職活動ではなく進学するケースもありますが、哲学を生業とする職業は世にほとんどないため進路に苦しむため、本当に哲学を自己の研究テーマにしたいのかについては別途検討が必要だと考えます。
その他系統のおすすめの併願先
最後にこれまでの学問系統に入らない分野の学びを専攻したいと考える受験生にとっての併願先を紹介します。
慶應義塾大学では総合政策学部と環境情報学部が設置されていますが、これらの学部は珍しい学部であるため、学びの中身を確認した上で併願先を選ぶ必要があります。
まず、総合政策学部の併願先としては中央大学総合政策学部をおすすめします。
慶應義塾大学の総合政策学部は、政策決定・社会イノベーション・国際戦略・経営・サスティナビリティなどの大まかなテーマの外観は決まっており、これらの中から学生が自由にカリキュラムを組み立てていく仕組みをとっています。
同様に中央大学総合政策学部も幅広いテーマを組み合わせて横断的に学習する学際的教育を掲げており、慶應義塾大学総合政策学部に似通ったシステムを整えています。
中央大学総合政策学部では広い教養を闇雲に身につけさせるリベラルアーツ教育ではなく、問題の本質を探る解決思考や批判思考を身につけさせることで、複雑に絡み合う現代社会の問題を解決できる人材を育成することを目標としています。
慶應義塾大学総合政策学部は私立大学で最古の歴史を持つ学部ですが、中央大学総合政策学部も慶應義塾大学に続いて古い歴史を持つ学部なので興味がある方は一考の価値があります。
慶應義塾大学環境情報学部も上記総合政策学部と同様に確たるカリキュラムは決まっておらず、学生が柔軟に科目を選ぶことができるシステムをとっていますが、先端技術・環境科学・生命科学・人間と環境のような大きな枠組みを持っています。
地球規模で人間や社会問題を考えるという壮大なテーマを持つ慶應義塾大学環境情報学部のため、他大学に似通ったテーマを扱う学部自体がほぼ存在しません。
よって、ここでは学部全体ではなく学科レベルであれば同様の内容を扱っている大学として法政大学人間環境学部環境サイエンスコースと武蔵野大学工学部サスティナビリティ学科を紹介します。
法政人間環境学部環境サイエンスコースではサイエンスマインドを持って持続可能な社会の未来に貢献する人材を育成することを目標としており、自然科学の基礎的教養を身につけるとともに、科学技術と人間の関わり合いの中で折衝できる能力を身に付けさせます。
入試現代文のテーマにもありますが、科学技術の進化は人間を豊かにしつつも、その持続可能性に対しては常に疑問が付き纏っており、これらの解決にあたる人材を育成することが法政大学の目的となります。
もう1校の武蔵野大学工学部サスティナビリティ学科は2023年に新設された学科であり、社会と環境をデザインし実現する力を学ぶことをテーマに掲げております。
こちらについては新設学部のためあくまで情報の1つとして知っておき、今後の動向次第では候補の1つに加える程度でもよいでしょう。
ちなみに武蔵野大学工学部は当然ながら理系であるため数学を入試科目として要求されますので、純粋な文系では受験が難しい点にご注意ください。